あなたのWebサイトが遅いと感じたことはありませんか?実は、多くのWebサイトで表示速度を遅くしている最大の要因は「画像」なんです。
Google PageSpeed Insightsで診断を行うと、必ずといっていいほど出現する改善項目が「画像を最適化する」です。これが表示される理由と、具体的な改善方法を初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
私たちLandingHubでも、お客様のランディングページ制作時に必ず実施している最適化テクニックを惜しみなくご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
PageSpeed Insightsとは?画像最適化が重要な理由
PageSpeed Insightsは、Googleが無料で提供しているWebページのパフォーマンス測定ツールです。URLを入力するだけで、サイトの表示速度を0~100のスコアで評価し、具体的な改善提案を受け取ることができます。
実際に多くのサイトを診断していると、改善項目として圧倒的に多く出現するのが画像に関する項目です。これには明確な理由があります。
なぜ画像が表示速度に大きく影響するのか
テキストファイルと比較すると、画像のファイルサイズは圧倒的に大きくなります。例えば、このブログ記事のテキスト全体が約20KBなのに対し、1枚の写真が500KB以上というケースは珍しくありません。つまり、たった1枚の画像で文字情報の25倍ものデータ量になってしまうのです。
さらに現代のWebサイトは、ユーザーの関心を引くために多くの画像を使用しています。特にランディングページでは、商品やサービスの魅力を伝えるために10枚、20枚と画像を掲載することが一般的です。これらが最適化されていないと、ページ全体の読み込み時間が大幅に増加してしまいます。
「画像を最適化する」が表示される主な原因
PageSpeed Insightsで「画像を最適化する」の警告が出る原因は、主に以下の2つに分類されます。
1. 不必要に大きな画像を使用している
これは最も頻繁に見られる問題です。スマートフォンで撮影した写真をそのままWebサイトに掲載してしまうケースがこれに該当します。
例えば、最新のiPhoneで撮影した写真は幅3000~4000px以上の高解像度データです。しかし、実際にWebサイトで表示される画像の幅は800px程度が一般的です。つまり、表示に必要な4~5倍ものデータを読み込ませてしまっているのです。
これは例えるなら、軽自動車で十分な距離なのに、燃費の悪い大型トラックで移動しているようなもの。無駄が多すぎるんです。
2. ファイルフォーマットが不適切
WebサイトでBMPやTIFFなどの形式を使用している場合も、この警告が表示されます。これらの形式は非常に高品質ですが、ファイルサイズが大きくなりがちで、Web用途には適していません。
適切な形式を選択することで、画質を保ったまま大幅にファイルサイズを削減できるのです。
画像最適化の具体的な改善方法
ここからは、実際にPageSpeed Insightsのスコアを改善するための具体的な方法を詳しく解説していきます。
1. 適切な画像サイズへの変更
まず最初に取り組むべきは、画像サイズの最適化です。これは最も効果が高く、確実に改善できる方法です。
適切な画像サイズの目安
- 通常のデスクトップ表示:横幅1200px程度
- 高解像度ディスプレイ対応:横幅1800px程度
- モバイル表示:横幅800px程度
2023年現在で最も大きいiPhone 14 Pro Maxでも、横幅428pxの3倍である1284pxあれば十分です。つまり、横幅1300px程度あれば、どのデバイスでも美しく表示できるということです。
実際の最適化事例
先日、私たちがサポートしたクライアント様の事例をご紹介します。
元の画像:幅3024px × 高さ4032px、ファイルサイズ591KB
最適化後:幅1242px × 高さ1656px、ファイルサイズ211KB
リサイズと画質調整により、元データの約1/3まで削減できました。この画像が100枚あるページなら、約40MBもの通信量削減になります。これは劇的な改善効果ですよね。
2. 画像圧縮ツールの活用
適切なサイズに変更した後は、画像圧縮を行います。現在では品質をほとんど落とすことなく圧縮できる優秀なツールが数多く提供されています。
おすすめの画像圧縮ツール
- TinyPNG:オンラインで簡単に使える無料ツール
- EWWW Image Optimizer:WordPressプラグイン(一括最適化可能)
- ImageOptim:Mac用のデスクトップアプリ
特にTinyPNGは、ドラッグ&ドロップするだけで最適化できるので、技術的な知識がない方でも簡単に使えます。私たちLandingHubでも、制作したランディングページの画像は必ずこのツールで最適化しています。
3. 適切なファイル形式の選択
画像の内容に応じて最適なファイル形式を選択することも重要です。適切な形式を選ぶことで、同じ画質でもファイルサイズを大幅に削減できます。
ファイル形式選択のガイドライン
- JPEG:写真や色数の多い画像に最適
- PNG:ロゴ、アイコン、透明背景が必要な画像に適している
- GIF:シンプルなアニメーションや色数の少ない画像向け
- SVG:ロゴやアイコンなど、拡大縮小が必要な画像に最適
判断に迷った場合は、以下のフローチャートに従って選択してください:
- 写真や複雑な画像 → JPEG
- 透明背景が必要 → PNG
- アニメーションが必要 → GIF
- ロゴやアイコン → SVGまたはPNG
次世代画像フォーマットでさらなる高速化
基本的な最適化に加えて、次世代画像フォーマットの活用も検討しましょう。これは一歩進んだ最適化手法ですが、大幅な改善効果が期待できます。
WebPフォーマットの活用
WebP(ウェッピー)は、Googleが開発した次世代画像フォーマットです。従来のJPEGやPNGと比較して、約25~50%のファイルサイズ削減が可能です。
WebPの特徴
- JPEGより約25~35%軽量
- PNGより約26~50%軽量
- 透明背景にも対応
- 画質の劣化がほとんどない
現在、Internet Explorerと古いバージョンのSafariを除けば、ほぼ全てのブラウザでWebPがサポートされています。つまり、多くのケースで積極的に活用できる技術になっています。
AVIFフォーマットについて
WebPよりもさらに新しいAVIFフォーマットも注目されています。WebPと比較しても約20~30%のさらなるファイルサイズ削減が可能です。ただし、ブラウザサポートはまだ限定的なので、現時点では補助的な利用に留めるのが現実的です。
画像の読み込み最適化テクニック
画像ファイル自体の最適化に加えて、読み込み方法の最適化も重要です。これらの技術を組み合わせることで、さらに大きな改善効果を得られます。
遅延読み込み(Lazy Loading)の実装
遅延読み込みとは、ページの初回表示時にはスクロールして見える範囲の画像のみを読み込み、ユーザーがスクロールして画像が表示される直前に該当の画像を読み込む技術です。
遅延読み込みの効果
- 初回表示速度の大幅改善
- データ通信量の削減
- サーバー負荷の軽減
- ユーザー体験の向上
特に画像を多く使用するランディングページでは、劇的な改善効果が期待できます。実際に、私たちLandingHubで制作するランディングページでは、標準的に遅延読み込みを実装しています。
重要な画像のプリロード
一方で、ファーストビューに表示される重要な画像については、逆にプリロード(事前読み込み)を設定することが有効です。これにより、ユーザーが最初に見る部分の表示速度を最大化できます。
プリロード対象の画像
- メインビジュアル(ヒーロー画像)
- ロゴ
- 重要なCTA(Call to Action)ボタンの背景画像
コーディング面での最適化ポイント
画像最適化は、ファイル自体の処理だけでなく、HTMLコーディングの段階でも改善できる要素があります。
適切な画像サイズの指定
HTMLで画像を表示する際は、必ずwidth(幅)とheight(高さ)を明示的に指定しましょう。これにより、画像読み込み前でもレイアウトが確定し、CLS(Cumulative Layout Shift)の改善につながります。
<img src="example.jpg" width="800" height="600" alt="説明文">
レスポンシブ画像の実装
デバイスの画面サイズに応じて、最適なサイズの画像を配信するレスポンシブ画像の実装も効果的です。
<img src="small.jpg"
srcset="medium.jpg 768w, large.jpg 1200w"
sizes="(max-width: 768px) 100vw, 50vw"
alt="説明文">
この設定により、スマートフォンでは小さな画像、デスクトップでは大きな画像が自動的に選択されます。
サーバー側の最適化設定
画像最適化は、サーバー側の設定でも大きく改善できます。これらは技術的な内容になりますが、効果は絶大です。
Gzip圧縮の有効化
サーバーでGzip圧縮を有効にすることで、HTMLやCSS、JavaScriptファイルを圧縮して配信できます。画像ファイル自体は既に圧縮されているためGzipの効果は限定的ですが、ページ全体の読み込み速度改善に貢献します。
ブラウザキャッシュの設定
適切なキャッシュ設定により、2回目以降のアクセス時に画像ファイルの再ダウンロードを省略できます。これにより、リピートユーザーの体験が大幅に改善されます。
推奨キャッシュ期間
- 画像ファイル:1ヶ月~1年
- CSS・JavaScriptファイル:1週間~1ヶ月
- HTMLファイル:1日~1週間
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用
CDNを利用することで、ユーザーの地理的位置に近いサーバーから画像を配信できるため、読み込み速度が向上します。特に海外からのアクセスが多いサイトでは効果的です。
WordPressでの画像最適化
WordPressを利用している場合は、プラグインを活用することで簡単に画像最適化を実現できます。
おすすめの最適化プラグイン
- EWWW Image Optimizer:既存画像の一括最適化が可能
- Smush:自動最適化機能が充実
- Lazy Load by WP Rocket:遅延読み込み専用プラグイン
- ShortPixel:高品質な圧縮が可能
これらのプラグインを組み合わせることで、技術的な知識がなくても高度な画像最適化を実現できます。
モバイル対応における画像最適化
現在はモバイルファーストの時代です。スマートフォンでの表示速度最適化は特に重要になります。
モバイル特有の課題
- 通信速度の制限
- データ通信量の制限
- バッテリー消費への配慮
- 小さな画面サイズへの対応
モバイル向け最適化のポイント
- より積極的な圧縮:モバイルでは多少の画質低下よりも読み込み速度を優先
- 適切なサイズ設定:スマートフォンの画面サイズに合わせた画像サイズの選択
- 通信環境の考慮:4G、5G環境だけでなく、3G環境でも快適に閲覧できる配慮
画像最適化の効果測定方法
最適化を実施した後は、必ず効果を測定しましょう。継続的な改善のためには、定量的な評価が不可欠です。
測定すべき指標
- PageSpeed Insightsスコア:最も基本的な指標
- LCP(Largest Contentful Paint):最大コンテンツの表示時間
- FID(First Input Delay):初回入力遅延
- CLS(Cumulative Layout Shift):レイアウトシフト
- TTI(Time to Interactive):インタラクティブになるまでの時間
改善効果の事例
私たちLandingHubで手がけたプロジェクトの改善事例をご紹介します。
改善前
・PageSpeed Insightsスコア:34/100
・LCP:4.2秒
・画像総ファイルサイズ:12.3MB
改善後
・PageSpeed Insightsスコア:87/100
・LCP:1.8秒
・画像総ファイルサイズ:2.1MB
結果として、コンバージョン率も23%向上し、明確なビジネス効果も確認できました。
よくある間違いと注意点
画像最適化を行う際に、よく見られる間違いについても解説します。
過度な圧縮による画質劣化
ファイルサイズばかりを気にして、画質を大幅に落としてしまうケースがあります。特に商品画像や人物写真では、画質の劣化が直接的にコンバージョン率に影響するため、適切なバランスを保つことが重要です。
すべての画像を同じ設定で処理
画像の用途や内容に関係なく、すべて同じ設定で最適化してしまうのも問題です。例えば、ロゴや重要なCTAボタンは画質を優先し、装飾的な背景画像は軽量化を優先するなど、用途に応じた使い分けが必要です。
次世代フォーマットの過信
WebPやAVIFなどの次世代フォーマットは確かに優秀ですが、ブラウザサポートの確認を怠ると、一部のユーザーに画像が表示されない問題が発生します。必ずフォールバック設定を用意しましょう。
LandingHubが提案する総合的な最適化戦略
私たちLandingHubでは、単なる画像最適化だけでなく、ランディングページ全体のパフォーマンス向上を総合的にサポートしています。
LandingHubの最適化アプローチ
- 戦略的な画像選択:コンバージョンに直結する画像の選定
- 技術的な最適化:本記事で紹介した各種最適化手法の実装
- 継続的な改善:データに基づく継続的な最適化
- 総合的なUX向上:表示速度だけでなく、全体的なユーザー体験の改善
ランディングページの成功は、表示速度だけでなく、デザイン、コピーライティング、ユーザビリティなど多くの要素が関わります。LandingHubでは、これらすべてを考慮した総合的なソリューションを提供しています。
今すぐ実践できる画像最適化チェックリスト
最後に、今すぐ実践できる画像最適化のチェックリストをまとめました。
基本チェックリスト
- □ 画像サイズを1200px以下に調整
- □ 適切なファイル形式(JPEG/PNG/SVG)を選択
- □ 画像圧縮ツールで最適化
- □ HTMLでwidth・heightを明示
- □ alt属性を適切に設定
上級チェックリスト
- □ WebPフォーマットの導入
- □ 遅延読み込みの実装
- □ レスポンシブ画像の設定
- □ 重要画像のプリロード設定
- □ CDNの活用
継続的改善チェックリスト
- □ PageSpeed Insightsでの定期的な測定
- □ ユーザー行動データの分析
- □ 新しい最適化技術の情報収集
- □ 競合サイトとの比較分析
まとめ:画像最適化でWebサイトを劇的に高速化しよう
PageSpeed Insightsでの「画像を最適化する」警告は、単なる技術的な問題ではありません。ユーザー体験、SEO評価、そして最終的にはビジネス成果に直結する重要な課題です。
本記事で紹介した最適化手法を実践することで、確実にサイトの表示速度を改善できます。特に重要なポイントを再度まとめると:
- 適切な画像サイズ:不必要に大きな画像は使わない
- 最適なファイル形式:用途に応じた形式選択
- 効果的な圧縮:画質とファイルサイズのバランス
- 次世代フォーマット:WebPの積極的活用
- 読み込み最適化:遅延読み込みとプリロードの使い分け
これらの施策を組み合わせることで、PageSpeed Insightsのスコアを大幅に改善し、ユーザー満足度の向上、検索エンジン評価の向上、そしてコンバージョン率の向上を実現できます。
もし、これらの最適化を自社で実施するのが困難な場合は、私たちLandingHubがサポートいたします。技術的な最適化から戦略的なコンサルティングまで、ランディングページの成功に必要なすべてを提供しています。
表示速度の改善は、一度実施すれば長期間にわたって効果を発揮する投資です。ぜひ今すぐ取り組んで、あなたのWebサイトを次のレベルに押し上げましょう。
画像最適化に関するご質問や、より詳細なサポートが必要な場合は、LandingHubまでお気軽にお問い合わせください。あなたのWebサイトの成功を全力でサポートいたします。