画像の遅延読み込み(Lazy Loading)とは?表示速度を改善する実装方法とSEO効果

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Webサイトの表示速度に悩んでいませんか?特に画像が多いサイトでは、読み込み速度が遅くなってユーザーの離脱率が高くなってしまいがちです。

実際、サイトの表示速度が1秒遅くなると、コンバージョン率が7%低下するというデータもあります。これは、ECサイトやランディングページを運営する方にとって非常に深刻な問題ですよね。

そこで今回は、Webサイトの表示速度を劇的に改善する「画像の遅延読み込み」について、初心者の方でもわかりやすく詳しく解説します。この記事を読めば、あなたのサイトも高速化できるはずです。

目次

画像の遅延読み込み(Lazy Loading)とは?

画像の遅延読み込み(Lazy Loading)とは、Webページを表示する際に、画面に見えている部分(ファーストビュー)の画像だけを最初に読み込み、画面外の画像は必要になったタイミングで読み込む技術のことです。

通常、Webページを開くと、ページ内に含まれる全ての画像が一度に読み込まれます。しかし、ユーザーが実際に見るのは画面に表示されている部分だけですよね。スクロールしないと見えない画像まで最初から読み込むのは、正直言って無駄なんです。

遅延読み込みを導入することで、以下のような効果が期待できます:

  • 初期表示速度の大幅改善:必要な画像だけを読み込むため、ページの初期表示が高速化
  • データ通信量の削減:ユーザーが見ない画像は読み込まないため、通信量を節約
  • サーバー負荷の軽減:一度に大量の画像を配信する必要がないため、サーバーの負荷が分散
  • SEO効果の向上:表示速度の改善により、検索エンジンからの評価が向上

なぜ画像の遅延読み込みが重要なのか?

1. ユーザーエクスペリエンスの向上

現代のWebユーザーは非常にせっかちです。ページの読み込みが3秒以上かかると、約40%のユーザーが離脱すると言われています。特にスマートフォンユーザーは、より短い時間で判断を下す傾向があります。

画像の遅延読み込みを実装することで、ユーザーは「サクサク動く」と感じられるサイトを体験できます。これは、ユーザーの満足度向上に直結するんです。

2. SEO効果の向上

Googleは2010年から「サイト速度」を検索ランキングの要因として組み込んでいます。さらに、2021年6月からは「Core Web Vitals」という新しい指標も導入され、表示速度はSEOにおいてますます重要な要素となっています。

特に以下の指標で改善効果が期待できます:

  • LCP(Largest Contentful Paint):最大コンテンツの描画時間
  • FID(First Input Delay):初回入力遅延
  • CLS(Cumulative Layout Shift):累積レイアウト シフト

3. コンバージョン率の改善

Amazon社の調査によると、ページ表示速度が100ms改善されると、売上が1%向上するという結果が出ています。つまり、画像の遅延読み込みによる表示速度改善は、直接的に売上向上に繋がるということです。

これは、LandingHubのようなランディングページ作成ツールを使っている方にとって特に重要な要素ですね。

画像の遅延読み込みを実装する方法

画像の遅延読み込みを実装する方法は、大きく分けて以下の3つがあります:

1. HTML5のloading属性を使用する方法(推奨)

最も簡単で効果的な方法が、HTML5のloading属性を使用することです。これはブラウザがネイティブでサポートしている機能なので、追加のライブラリが不要で、とても軽量です。

基本的な実装方法

<img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明" width="800" height="600">

たったこれだけで、画像の遅延読み込みが実装できます。簡単すぎて拍子抜けするかもしれませんが、本当にこれだけなんです!

loading属性の値

loading属性には以下の値を指定できます:

  • lazy:遅延読み込みを行う(推奨)
  • eager:すぐに読み込む(デフォルト)
  • auto:ブラウザが最適な方法を選択

注意点

ファーストビューの画像にはloading="lazy"を設定しないでください。最初に表示される画像を遅延読み込みしてしまうと、逆に表示速度が遅くなる可能性があります。

また、widthheight属性を必ず指定しましょう。これらの属性がないと、画像が読み込まれる際にレイアウトがずれる「CLS(Cumulative Layout Shift)」という問題が発生します。

2. JavaScriptライブラリを使用する方法

より細かい制御が必要な場合や、古いブラウザをサポートする必要がある場合は、JavaScriptライブラリを使用します。

Lazy Load(jQuery不要)

最も人気のあるライブラリの一つです。軽量で使いやすく、多くの機能を提供しています。

実装手順

1. ライブラリの読み込み

<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/lazyload@2.0.0-rc.2/lazyload.min.js"></script>

2. HTMLマークアップ

<img class="lazyload" data-src="image.jpg" alt="画像の説明" width="800" height="600">

3. 初期化

<script>
  lazyload();
</script>

lazysizes(高機能)

lazysizesは、より高機能な遅延読み込みライブラリです。レスポンシブ画像や背景画像の遅延読み込みにも対応しています。

実装例
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/lazysizes@5.3.2/lazysizes.min.js"></script>

<img class="lazyload" data-src="image.jpg" alt="画像の説明" width="800" height="600">

3. Intersection Observer APIを使用する方法

より詳細な制御が必要な場合は、Intersection Observer APIを使用してカスタム実装することも可能です。

<script>
document.addEventListener("DOMContentLoaded", function() {
  const lazyImages = document.querySelectorAll("img.lazy");
  
  if ("IntersectionObserver" in window) {
    const imageObserver = new IntersectionObserver(function(entries, observer) {
      entries.forEach(function(entry) {
        if (entry.isIntersecting) {
          const image = entry.target;
          image.src = image.dataset.src;
          image.classList.remove("lazy");
          imageObserver.unobserve(image);
        }
      });
    });
    
    lazyImages.forEach(function(image) {
      imageObserver.observe(image);
    });
  }
});
</script>

WordPressでの画像の遅延読み込みの実装方法

WordPressを使用している場合は、より簡単に実装できます。

1. WordPress標準機能(バージョン5.5以降)

WordPress 5.5以降では、画像の遅延読み込みが標準機能として搭載されています。特別な設定は不要で、コンテンツエリア内の2番目以降の画像に自動的にloading="lazy"が付与されます。

2. プラグインを使用する方法

EWWW Image Optimizer

画像圧縮で有名なプラグインですが、遅延読み込み機能も搭載しています。

  1. プラグインをインストール・有効化
  2. 設定画面で「基本」タブを開く
  3. 「遅延読み込み」にチェックを入れる

Autoptimize

総合的なパフォーマンス最適化プラグインです。

  1. プラグインをインストール・有効化
  2. 設定画面で「Images」タブを開く
  3. 「Lazy-load images」にチェックを入れる

画像の遅延読み込みのメリット・デメリット

主なメリット

メリット項目具体的な効果改善数値のポイント
離脱率の改善初期表示速度の向上
ページ読み込み時間の短縮
離脱低下によるアクセスアップ
データ通信量の削減不要な画像読み込みを回避
サーバーコスト低下
サーバー費用の軽減
サーバー負荷の分散アクセスの集中にも対応できる流入の取りこぼし軽減
検索順位の向上Core Web Vitals改善
PageSpeed Insightsの評価向上
オーガニック流入増加
コンバージョン率向上表示速度改善による成約率UP売上・問い合わせ増加

主なデメリット(ミス設定がある場合も含む)

デメリット項目具体的な問題発生条件影響度対処難易度
画像読み込み遅延高速スクロール時の画像表示が遅くなる高速スクロール時★★★★★★☆☆☆☆
CLS(レイアウトシフト)画像読み込み時にページがズレるwidth/height属性未指定★★★★☆★☆☆☆☆
古いブラウザ非対応IE、古いSafariで機能しないloading属性使用時★★★☆☆★★★☆☆
JavaScript依存JSオフ環境で動作しないライブラリ使用時★★☆☆☆★★★☆☆
デバッグの複雑さ問題の特定が困難複雑な実装時★★★☆☆★★★★☆

実装時の注意点とベストプラクティス

1. ファーストビュー画像の扱い

ファーストビュー(画面に最初に表示される部分)の画像には遅延読み込みを適用しないでください。これらの画像は、ユーザーがページを開いた瞬間に見る重要な要素だからです。

逆に、遅延読み込みを適用すると表示が遅くなり、ユーザーエクスペリエンスが悪化します。

2. width・height属性の指定

CLS(Cumulative Layout Shift)を防ぐため、必ずwidthheight属性を指定しましょう。

<img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明" width="800" height="600">

CSSでサイズを指定する場合も同様です:

<img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明" style="width: 800px; height: 600px;">

3. alt属性の設定

SEO効果を最大化するため、必ずalt属性を設定しましょう。画像の内容を的確に説明することで、検索エンジンからの評価が向上します。

4. プレースホルダーの活用

画像が読み込まれるまでの間、プレースホルダーを表示することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

<img src="placeholder.jpg" data-src="actual-image.jpg" class="lazyload" alt="画像の説明" width="800" height="600">

decoding=”async”との組み合わせ

画像の遅延読み込みと併用できる技術として、decoding="async"があります。これは、画像のデコード処理を非同期で行うことで、ページのレンダリングをブロックしないようにする技術です。

<img src="image.jpg" loading="lazy" decoding="async" alt="画像の説明" width="800" height="600">

decoding属性の値

  • async:非同期でデコード(推奨)
  • sync:同期でデコード
  • auto:ブラウザが最適な方法を選択(デフォルト)

効果測定の方法

遅延読み込みの効果を測定するには、以下のツールを使用しましょう:

1. PageSpeed Insights

PageSpeed Insightsは、Googleが提供する無料のサイト速度測定ツールです。「オフスクリーン画像の遅延読み込み」という項目で、改善効果を確認できます。

2. Chrome DevTools

Chrome DevToolsのNetworkタブで、画像の読み込みタイミングを詳細に確認できます。

  1. F12キーでDevToolsを開く
  2. 「Network」タブを選択
  3. ページをリロードして、画像の読み込み順序を確認

3. Lighthouse

Chrome DevToolsに搭載されているLighthouseでも、詳細なパフォーマンス分析が可能です。

よくある問題とトラブルシューティング

1. 画像が表示されない

原因: JavaScriptライブラリが正しく読み込まれていない、または初期化されていない

解決方法:

  • ライブラリのCDNリンクが正しいか確認
  • 初期化スクリプトが正しく配置されているか確認
  • JavaScriptエラーがないかDevToolsで確認

2. 遅延読み込みが動作しない

原因: ブラウザがloading属性をサポートしていない

解決方法: JavaScriptライブラリをフォールバックとして使用

<script>
if ('loading' in HTMLImageElement.prototype) {
  // loading属性がサポートされている場合
  const images = document.querySelectorAll('img[loading="lazy"]');
  images.forEach(img => {
    img.src = img.dataset.src || img.src;
  });
} else {
  // フォールバック:JavaScriptライブラリを使用
  const script = document.createElement('script');
  script.src = 'https://cdn.jsdelivr.net/npm/lazysizes@5.3.2/lazysizes.min.js';
  document.head.appendChild(script);
}
</script>

3. レイアウトがズレる

原因: widthheight属性が設定されていない

解決方法: 画像の実際のサイズをwidthheight属性で指定

さらなる表示速度改善のテクニック

画像の遅延読み込みと組み合わせることで、さらに効果的な表示速度改善が可能です。

1. 画像フォーマットの最適化

WebPやAVIFなどの次世代画像フォーマットを使用することで、ファイルサイズを大幅に削減できます。

<picture>
  <source srcset="image.avif" type="image/avif">
  <source srcset="image.webp" type="image/webp">
  <img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明" width="800" height="600">
</picture>

2. 画像圧縮

TinyPNGやImageOptimなどのツールを使用して、画像ファイルサイズを削減しましょう。

3. CDNの活用

CloudflareやAmazon CloudFrontなどのCDNを活用することで、画像の配信速度をさらに向上させることができます。

4. レスポンシブ画像

srcset属性を使用して、デバイスに応じた最適なサイズの画像を配信しましょう。

<img src="image-800.jpg" 
     srcset="image-400.jpg 400w, image-800.jpg 800w, image-1200.jpg 1200w"
     sizes="(max-width: 400px) 400px, (max-width: 800px) 800px, 1200px"
     loading="lazy" 
     alt="画像の説明">

LandingHubでの活用方法

LandingHubのようなランディングページ作成ツールを使用している場合、画像の遅延読み込みは特に重要な機能です。

コンバージョン率向上への効果

ランディングページでは、ファーストビューの表示速度が直接コンバージョン率に影響します。表示速度が1秒改善されると、コンバージョン率が2%向上するという調査結果もあります。

モバイルユーザーへの配慮

モバイルユーザーは通信環境が不安定な場合があります。遅延読み込みを実装することで、データ通信量を削減し、モバイルユーザーのユーザビリティを向上させることができます。

まとめ:画像の遅延読み込みで競合に差をつけよう

画像の遅延読み込みは、Webサイトのパフォーマンス向上において最も効果的で実装しやすい技術の一つです。

この記事で紹介した内容をまとめると:

  • HTML5のloading="lazy"属性が最も簡単で効果的
  • ファーストビュー画像には適用しないことが重要
  • widthheight属性を必ず指定してCLSを防ぐ
  • WordPressでは標準機能またはプラグインで簡単実装
  • 効果測定にはPageSpeed Insightsを活用

実装は意外と簡単で、効果は絶大です。特に画像が多いサイトを運営している方は、今すぐ実装することをお勧めします。

表示速度の改善は、ユーザーエクスペリエンスの向上、SEO効果の向上、そして最終的にはコンバージョン率の向上に直結します。競合他社に差をつけるためにも、ぜひ今日から始めてみてください。

また、LandingHubのようなランディングページ作成ツールを使用している場合は、ツールの機能と組み合わせることで、さらに効果的な高速化が可能です。

あなたのWebサイトも、画像の遅延読み込みで「サクサク動くサイト」に変身させましょう!

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