ページスピードの改善に取り組む中で、PageSpeed Insightsの「レンダリングを妨げるリソースの除外」という項目に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
今回は、Webサイトの表示速度を劇的に改善する「レンダリングを妨げるリソースの除外」について、初心者の方でも理解できるように詳しく解説していきます。
目次
1. レンダリングを妨げるリソースの除外とは
レンダリングの基本概念
レンダリングとは、WebブラウザがHTMLやCSS、JavaScriptなどのコードを読み取って、私たちが見ているWebページの形に変換する処理のことです。
たとえば、あなたがレストランでメニューを見るとき、文字だけでなく写真や装飾も含めて「美味しそう」と判断しますよね。同じように、Webブラウザも様々な要素を組み合わせて、見やすく美しいWebページを作り上げているのです。
レンダリングを妨げるリソースとは
レンダリングを妨げるリソースとは、Webページの表示を遅らせる原因となるファイルやコードのことを指します。
具体的には以下のような要素が該当します:
- CSS(スタイルシート): ページのデザインや装飾を定義するファイル
- JavaScript: ページに動きや機能を追加するプログラム
- 外部フォント: Google FontsなどのWebフォント
- 第三者のスクリプト: 広告やアクセス解析ツールなど
これらが適切に最適化されていないと、ページの読み込みが遅くなり、ユーザーの離脱率が高くなってしまいます。
PageSpeed Insightsでの表示
GoogleのPageSpeed Insightsでサイトを分析すると、「改善できる項目」に「レンダリングを妨げるリソースの除外」が表示されることがあります。
この項目が表示された場合、そのサイトには表示速度を改善する余地があることを意味しています。適切な対策を行うことで、サイトの表示速度を大幅に改善することができます。
2. 初心者でも分かる基本概念
なぜレンダリングが重要なのか
現在のWebサイトでは、3秒以内にページが表示されないと、約53%のユーザーが離脱すると言われています。
特にモバイルユーザーにとっては、表示速度は非常に重要な要素です。遅いサイトは:
- ユーザー体験の悪化: 待ち時間によるストレス
- コンバージョン率の低下: 購入や問い合わせの機会損失
- SEO順位の低下: Googleの検索結果に悪影響
といった悪影響をもたらします。
レンダリングプロセスの理解
Webページが表示されるまでの基本的な流れを理解することが重要です:
- HTML解析: ブラウザがHTMLファイルを読み込む
- CSS読み込み: スタイル情報を取得する
- JavaScript実行: 動的機能を処理する
- レンダリング: 画面に表示する
この過程で、CSSやJavaScriptが適切に最適化されていないと、レンダリングが遅くなってしまうのです。
ファーストペイントの概念
ファーストペイントとは、ユーザーが最初にページの内容を見ることができるタイミングのことです。
ユーザーがWebサイトを開いたとき、ページ全体の読み込みが完了していなくても、最初に見える部分(ファーストビュー)が素早く表示されれば、体感的に「速い」と感じます。
これが「レンダリングを妨げるリソースの除外」において重要な考え方となります。
3. 「レンダリングを妨げるリソースの除外」の具体的な対策方法
CSS最適化の基本戦略
CSSの最適化は、レンダリング速度改善の要となります。以下の手法を組み合わせることで、大幅な改善が期待できます。
1. クリティカルCSSのインライン化
クリティカルCSSとは、ファーストビューの表示に必要最小限のCSSのことです。
Copy<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
/* ファーストビューに必要なCSSを直接記述 */
body { font-family: Arial, sans-serif; margin: 0; }
.header { background: #333; color: white; padding: 20px; }
.hero { height: 400px; background: #f0f0f0; }
</style>
</head>
<body>
<!-- ページ内容 -->
</body>
</html>
このように、HTMLファイル内に直接CSSを記述することで、外部ファイルの読み込み時間を短縮できます。
2. 非同期CSS読み込み
ファーストビューに必要でないCSSは、非同期で読み込むことで レンダリングを妨げないようにします。
Copy<link rel="preload" href="styles.css" as="style" onload="this.onload=null;this.rel='stylesheet'">
<noscript><link rel="stylesheet" href="styles.css"></noscript>
この方法により、ページの表示を妨げることなく、必要なスタイルを読み込むことができます。
3. CSS圧縮とミニファイ
CSSファイルから不要な空白や改行を取り除き、ファイルサイズを軽量化します。
Copy/* 最適化前 */
body {
font-family: Arial, sans-serif;
margin: 0;
padding: 0;
}
/* 最適化後 */
body{font-family:Arial,sans-serif;margin:0;padding:0}
JavaScript最適化の戦略
JavaScriptの最適化も、レンダリング速度向上に欠かせません。
1. async属性の活用
Copy<script src="analytics.js" async></script>
async
属性を付与することで、JavaScriptを非同期で読み込み、HTMLの解析を妨げません。
2. defer属性の活用
Copy<script src="main.js" defer></script>
defer
属性により、HTMLの解析完了後にJavaScriptを実行するため、レンダリングを妨げません。
3. 不要なJavaScriptの削除
使用していないJavaScriptやプラグインは、思い切って削除することも重要です。
- 未使用のjQueryプラグイン
- 不要なアニメーション効果
- 使われていない機能のスクリプト
Google Fontsの最適化
Google Fontsも適切に最適化することで、レンダリング速度を改善できます。
1. フォントの事前読み込み
Copy<link rel="preload" href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Roboto:wght@300;400;700&display=swap" as="style">
2. font-displayの活用
Copy@font-face {
font-family: 'Roboto';
font-display: swap;
/* フォントが読み込まれるまで代替フォントを表示 */
}
4. 「レンダリングを妨げるリソースの除外」の改善手順
ステップ1: 現状分析
まず、PageSpeed Insightsでサイトの現状を把握しましょう。
- PageSpeed Insightsにアクセス
- 分析したいURLを入力
- 「改善できる項目」を確認
- 「レンダリングを妨げるリソースの除外」の詳細を確認
ステップ2: 重要度の判定
レンダリングを妨げるリソースを以下の基準で分類します:
- 高優先度: ファーストビューの表示に必要
- 中優先度: ユーザー操作に関わる機能
- 低優先度: 装飾的な要素や分析ツール
ステップ3: 実装と検証
- 高優先度のリソース: インライン化
- 中優先度のリソース: 非同期読み込み
- 低優先度のリソース: 遅延読み込み
各変更後は、必ずPageSpeed Insightsで効果を確認しましょう。
ステップ4: 継続的な監視
サイトの表示速度は、コンテンツの追加や更新により変化します。定期的な監視と改善が重要です。
5. 効果的なツールとサービス
分析ツール
PageSpeed Insights
Googleが提供する無料の分析ツールです。具体的な改善案も提示してくれるため、初心者にも分かりやすいのが特徴です。
Chrome DevTools
より詳細な分析が可能で、リソースの読み込み状況を視覚的に確認できます。
最適化ツール
Critical Path CSS Generator
ファーストビューに必要なCSSを自動抽出するツールです。手動での作業時間を大幅に短縮できます。
loadCSS
古いブラウザでも安全にCSSを非同期読み込みできるライブラリです。
表示速度改善サービス
LandingHub(ランディングハブ)
当社でも導入をおすすめしているLandingHubは、HTMLタグを1つ設置するだけで、サイトの表示速度を劇的に改善できる革新的なサービスです。
LandingHubの特徴:
- 簡単導入: HTMLタグ1つの設置だけで完了
- 自動最適化: 画像・動画の圧縮を自動実行
- 実績豊富: 400社以上の導入実績
- 大幅改善: ページ容量を95%以上圧縮することも可能
特に、技術的な知識がない方でも手軽に高い効果を得られるため、多くの企業様に選ばれています。
実際に、株式会社ポーラ様では、ECサイトBIDISHにLandingHubを導入した結果、ページ容量が47.10MBから2.19MBに95.35%圧縮され、大幅な表示速度改善を実現しました。
WordPress向けプラグイン
Autoptimize + Async JavaScript
WordPressユーザーにとって最も手軽な解決策の一つです。
設定手順:
- プラグインをインストール・有効化
- 「Optimize JavaScript Code」にチェック
- 「Optimize CSS Code」にチェック
- 「Enable Async JavaScript」にチェック
WP Rocket
有料プラグインですが、より高度な最適化が可能です。
主な機能:
- JavaScript/CSSの最適化
- 遅延読み込み
- データベース最適化
- キャッシュ機能
6. まとめ
「レンダリングを妨げるリソースの除外」は、Webサイトの表示速度を改善する上で非常に重要な要素です。
重要なポイント
- ファーストビューの表示速度が最重要
- CSS、JavaScriptの適切な最適化
- 継続的な監視と改善
- 専門的なツールの活用
実践的なアプローチ
- 初心者の方: プラグインやサービスの活用から始める
- 技術に詳しい方: 手動での最適化を段階的に実施
- 企業サイト: 専門サービスの導入を検討
効果的な改善方法
表示速度の改善には、技術的な知識と継続的な取り組みが必要です。特に初心者の方には、LandingHubのような専門サービスの活用をおすすめします。
HTMLタグ1つの設置で大幅な改善が期待でき、専門知識がなくても確実に効果を得ることができます。
最後に
Webサイトの表示速度は、ユーザーエクスペリエンスとビジネス成果に直結する重要な要素です。「レンダリングを妨げるリソースの除外」を適切に実施することで、離脱率の改善、コンバージョン率の向上、SEO順位の改善といった多くのメリットを享受できます。
まずは現状の分析から始めて、段階的に改善を進めていきましょう。技術的な部分で困った場合は、専門のサービスやツールを活用することも有効な選択肢です。
表示速度の改善は一朝一夕では完成しませんが、継続的な取り組みにより、必ず成果を実感できるはずです。ぜひ、今回ご紹介した方法を参考に、サイトの表示速度向上に取り組んでみてください。