PageSpeed Insightsで「[aria-hidden=”true”] 要素にフォーカス可能な子要素が含まれています」という警告が表示されて困っていませんか?この問題は、アクセシビリティ(ユーザー補助)の観点から指摘される重要な項目の一つです。
今回は、この問題の根本的な原因から具体的な解決方法まで、初心者の方でも分かりやすく徹底解説します。実際のコード例も交えながら、実践的な対処法をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
aria-hidden属性とは?基本から理解しよう
まず、aria-hidden
属性について基本的な理解を深めましょう。
aria-hidden属性の役割
aria-hidden
は、スクリーンリーダーなどの支援技術に対して、特定の要素を読み上げるかどうかを制御するHTML属性です。
- aria-hidden=”true” :スクリーンリーダーで読み上げをスキップ
- aria-hidden=”false” :スクリーンリーダーで読み上げを実行(デフォルト)
この属性は、主に装飾的な要素(アイコンフォントなど)の読み上げを防ぐために使用されます。例えば、FontAwesomeアイコンがいちいち読み上げられると、視覚障害のあるユーザーにとって非常に煩わしいですよね。
具体的な使用例
Copy<!-- 装飾的なアイコン(読み上げ不要) -->
<i class="fa fa-star" aria-hidden="true"></i>
<!-- 意味のあるアイコン(読み上げ必要)-->
<i class="fa fa-download" aria-label="ダウンロード"></i>
問題の本質:なぜこの警告が表示されるのか
PageSpeed Insightsでこの警告が表示される理由は、アクセシビリティの矛盾にあります。
問題の構造
- aria-hidden=”true” が設定された要素内に
- フォーカス可能な子要素(リンク、ボタン、フォーム要素など)が存在する
- →スクリーンリーダーでは読み上げされないのに、キーボード操作でフォーカスできてしまう
これは、視覚障害のあるユーザーにとって非常に困惑する状況です。なぜなら、存在することが分からない要素にフォーカスが当たってしまうからです。
実際の問題例
Copy<!-- 問題のあるコード例 -->
<div class="breadcrumb" aria-hidden="true">
<a href="/">ホーム</a> <!-- フォーカス可能だが読み上げされない -->
<a href="/category/">カテゴリ</a>
</div>
上記のコードでは、パンくずリスト全体にaria-hidden="true"
が設定されているため、スクリーンリーダーでは読み上げされません。しかし、内部のリンクにはTabキーでフォーカスを当てることができます。
具体的な対処法:5つのアプローチ
1. 要素の分離(最も推奨される方法)
フォーカス可能な要素とaria-hidden=”true”が必要な要素を分離します。
Copy<!-- 修正前 -->
<ol class="breadcrumb fa fa-folder-open-o" aria-hidden="true">
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li><a href="/category/">カテゴリ</a></li>
</ol>
<!-- 修正後 -->
<i class="fa fa-folder-open-o" aria-hidden="true"></i>
<ol class="breadcrumb">
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li><a href="/category/">カテゴリ</a></li>
</ol>
2. CSSによる視覚的な隠し方
フォーカス可能な要素をCSSで非表示にします。
Copy<div aria-hidden="true">
<a href="/" style="display:none">リンク</a>
</div>
3. tabindex=”-1″の使用
フォーカスを無効にします。
Copy<div aria-hidden="true">
<button tabindex="-1">ボタン</button>
</div>
4. disabled属性の使用
フォーム要素の場合は、disabled属性を使用します。
Copy<input disabled aria-hidden="true" />
5. 適切な構造化
最も根本的な解決方法は、HTML構造を見直すことです。
Copy<!-- 改善されたパンくずリスト -->
<nav aria-label="パンくずリスト">
<ol class="breadcrumb">
<li>
<i class="fa fa-home" aria-hidden="true"></i>
<a href="/">ホーム</a>
</li>
<li>
<i class="fa fa-folder" aria-hidden="true"></i>
<a href="/category/">カテゴリ</a>
</li>
</ol>
</nav>
よくある問題パターンと解決策
FontAwesome使用時の問題
FontAwesome4では、アイコンに自動的にaria-hidden="true"
が付与されませんが、FontAwesome5以降では自動付与されます。
Copy<!-- FontAwesome4(手動で追加が必要) -->
<i class="fa fa-star" aria-hidden="true"></i>
<!-- FontAwesome5以降(自動付与) -->
<i class="fas fa-star"></i>
ナビゲーションメニューの問題
ハンバーガーメニューなどでよく発生する問題です。
Copy<!-- 問題のあるコード -->
<div class="mobile-menu" aria-hidden="true">
<ul>
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li><a href="/about/">会社概要</a></li>
</ul>
</div>
<!-- 修正後 -->
<div class="mobile-menu" style="display:none">
<ul>
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li><a href="/about/">会社概要</a></li>
</ul>
</div>
PageSpeed Insightsでの確認方法
修正後は、必ずPageSpeed Insightsで確認しましょう。
確認手順
- PageSpeed Insightsにアクセス
- 修正したページのURLを入力
- 「分析」ボタンをクリック
- 「ユーザー補助」の項目をチェック
合格の目安
修正が正しく行われると、以下のメッセージが表示されます:
[aria-hidden=”true”] 要素にフォーカス可能な子要素は含まれていません
LandingHubでの表示速度最適化
ウェブサイトのアクセシビリティ改善と同時に、表示速度の最適化も重要です。LandingHubでは、このような技術的な最適化を含む包括的なランディングページ制作サービスを提供しています。
LandingHubの特徴
- PageSpeed Insights対応:アクセシビリティ要件も含む完全最適化
- SEO対策:検索エンジンからの流入最大化
- レスポンシブデザイン:すべてのデバイスで最適な表示
- コンバージョン最適化:成果につながるデザイン設計
特に、今回のようなaria-hidden属性の適切な実装は、SEOとアクセシビリティの両方に影響する重要な要素です。LandingHubなら、こうした技術的な詳細まで考慮した高品質なランディングページを制作できます。
よくある質問(FAQ)
Q1: aria-hidden=”true”を削除するだけではダメですか?
A1: 装飾的な要素(アイコンフォントなど)の場合、削除するとスクリーンリーダーで不要な読み上げが発生してしまいます。適切な要素分離が重要です。
Q2: すべてのアイコンにaria-hidden=”true”を付ける必要がありますか?
A2: いいえ。装飾的なアイコンにのみ必要です。情報を伝える意味のあるアイコンには、代わりにaria-label
を使用しましょう。
Q3: この問題はSEOに影響しますか?
A3: 直接的なSEO影響は限定的ですが、アクセシビリティの改善はユーザー体験の向上につながり、間接的にSEO効果があります。
Q4: モバイルとデスクトップで対処法は異なりますか?
A4: 基本的な対処法は同じですが、レスポンシブデザインの場合、メディアクエリを使った条件分岐が必要な場合があります。
アクセシビリティの重要性
法的な観点
日本でも障害者差別解消法により、ウェブアクセシビリティの重要性が高まっています。特に公共機関や大企業では、アクセシビリティ対応が法的義務となる場合があります。
ビジネス上のメリット
- ユーザー体験の向上
- SEO効果の向上
- ブランドイメージの向上
- 法的リスクの回避
より高度な対処法
JavaScript を使用した動的制御
Copy// メニューの開閉に応じてaria-hiddenを動的に切り替え
function toggleMenu() {
const menu = document.getElementById('mobile-menu');
const isHidden = menu.getAttribute('aria-hidden') === 'true';
if (isHidden) {
menu.setAttribute('aria-hidden', 'false');
menu.style.display = 'block';
} else {
menu.setAttribute('aria-hidden', 'true');
menu.style.display = 'none';
}
}
CSS での適切な実装
Copy/* スクリーンリーダー向けのテキスト(視覚的に隠す) */
.sr-only {
position: absolute;
width: 1px;
height: 1px;
padding: 0;
margin: -1px;
overflow: hidden;
clip: rect(0, 0, 0, 0);
white-space: nowrap;
border: 0;
}
/* aria-hidden="true"の要素からフォーカスを除外 */
[aria-hidden="true"] * {
visibility: hidden;
}
実践的なチェックリスト
修正作業を効率的に進めるために、以下のチェックリストを活用してください:
事前チェック
- PageSpeed Insightsで現在の状況を確認
- 問題となっている要素を特定
- フォーカス可能な子要素の種類を確認
- 修正方法を決定
修正作業
- HTMLの構造を見直し
- aria-hidden属性の適切な配置
- CSSでの視覚的な調整
- JavaScriptでの動的制御(必要に応じて)
修正後の確認
- PageSpeed Insightsで再テスト
- キーボード操作でのフォーカス確認
- スクリーンリーダーでの読み上げテスト
- 各デバイスでの表示確認
まとめ
「[aria-hidden=”true”] 要素にフォーカス可能な子要素が含まれています」という問題は、ウェブアクセシビリティの重要な課題です。この問題の解決は、単にPageSpeed Insightsの警告を消すだけでなく、すべてのユーザーにとって使いやすいウェブサイトを作ることにつながります。
重要なポイント
- 要素の分離が最も効果的な解決方法
- 装飾的な要素と機能的な要素を明確に区別
- アクセシビリティは法的義務でもありビジネスメリットでもある
- 継続的な改善が重要
表示速度の最適化やアクセシビリティ対応を含む包括的なウェブサイト制作をお考えの方は、LandingHubのような専門サービスの活用も検討してみてください。技術的な詳細から戦略的な設計まで、トータルでサポートしてくれます。
ウェブアクセシビリティの改善は、一度に完璧にする必要はありません。少しずつでも改善を続けることで、より多くのユーザーにとって使いやすいウェブサイトになります。今回の記事を参考に、ぜひ実践してみてくださいね!