Webサイトの表示速度を測定する際に、PageSpeed Insightsで「サポートを終了したAPIが使用されています」という警告が表示されて困っている方は多いのではないでしょうか。この警告は、サイトの速度に直接的な影響を与えるだけでなく、SEO評価にも関わる重要な問題です。
今回は、この警告の原因から具体的な対処法、そして表示速度改善の包括的な手法まで、初心者の方でも分かりやすく解説していきます。特に、LandingHubのような高速なランディングページ作成においても重要なポイントとなる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. 「サポートを終了したAPIが使用されています」警告とは?
PageSpeed Insightsで表示される「サポートを終了したAPIが使用されています」(Uses deprecated APIs)という警告は、あなたのWebサイトが将来的にサポートされなくなる古いAPI(Application Programming Interface)を使用していることを示しています。
この警告が表示される主な原因は以下の通りです:
- Unload Event Listenersの使用:最も一般的な原因で、「アンロード イベント リスナーは非推奨となり、削除されます」という警告が含まれます
- 古いJavaScriptAPIの使用:ブラウザメーカーが段階的に廃止を進めているAPI機能
- WordPressテーマやプラグインの影響:特にCocoonなどのテーマスキンが原因となることがあります
- サードパーティライブラリの問題:jQuery、Application Insightsなどの外部ライブラリ
実際の警告例を見てみると、「zbnr-hp.com 1st party – Unload event listeners are deprecated and will be removed.」といった形で表示されます。これは、該当サイトでアンロードイベントリスナーという古いAPIが使われているということを意味しています。
2. なぜこの警告が重要なのか?
「たかが警告でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、この警告を無視することはおすすめできません。その理由を詳しく説明します。
2-1. SEO評価への影響
GoogleのCore Web Vitals(CWV)は、検索順位の決定要因の一つとして採用されています。PageSpeed Insightsの警告は、直接的にはランキングに影響しないとされていますが、将来的にこれらのAPIが完全に削除された場合、サイトの動作に問題が生じる可能性があります。
Googleの調査によると、表示速度の遅延が以下のような離脱率の増加を引き起こすことが分かっています:
- 1秒から3秒への増加:離脱率32%増加
- 1秒から5秒への増加:離脱率90%増加
- 1秒から10秒への増加:離脱率123%増加
2-2. ユーザーエクスペリエンスへの影響
古いAPIの使用は、以下のような問題を引き起こす可能性があります:
- ブラウザキャッシュの効率低下:back/forward cache(bfcache)が正常に動作しない
- メモリ使用量の増加:不要なイベントリスナーがメモリを消費し続ける
- パフォーマンスの低下:特にモバイル端末での表示速度に影響
3. 具体的な対処方法
それでは、実際に「サポートを終了したAPIが使用されています」警告に対する具体的な対処方法を見ていきましょう。
3-1. Unload Event Listenersの解決方法
最も一般的な原因であるUnload Event Listenersの問題を解決する方法です。
WordPressサイトの場合
- テーマの確認:
- Cocoonなどのテーマスキンを「スキンなし」に変更してみる
- 子テーマを使用している場合は、親テーマに一時的に切り替えて確認
- プラグインの確認:
- 全プラグインを一時的に無効化
- 一つずつ有効化して原因を特定
- 特にキャッシュ系、SEO系プラグインが原因となることが多い
- JavaScript/jQueryの更新:
- 古いjQueryバージョンを最新版に更新
- カスタムJavaScriptコードの見直し
コード修正の場合
開発者向けの対処法として、以下のような修正が必要です:
// ❌ 古い書き方(非推奨)
window.addEventListener('unload', function() {
// 処理内容
});
// ✅ 新しい書き方(推奨)
window.addEventListener('beforeunload', function() {
// 処理内容
});
// または、visibilitychange イベントを使用
document.addEventListener('visibilitychange', function() {
if (document.visibilityState === 'hidden') {
// 処理内容
}
});
3-2. その他の非推奨API対応
Unload Event Listeners以外にも、以下のようなAPIが非推奨となっています:
- document.write():動的コンテンツ生成の代替手法を使用
- alert(), confirm(), prompt():モダンなモーダル実装への移行
- 古いGeolocation API:最新のGeolocation APIへの更新
4. PageSpeed Insightsの包括的な改善方法
「サポートを終了したAPIが使用されています」警告の解決だけでなく、全体的な表示速度改善も重要です。ここでは、PageSpeed Insightsのスコアを向上させる包括的な方法を紹介します。
4-1. Core Web Vitalsの改善
GoogleのCore Web Vitalsは、以下の3つの指標から構成されています:
LCP(Largest Contentful Paint)の改善
目標値:2.5秒以下
最も大きなコンテンツが表示されるまでの時間を短縮する方法:
- 画像の最適化:
- WebP、AVIF形式への変換
- 適切なサイズでの画像提供
- 遅延読み込み(lazy loading)の実装
- サーバーレスポンス時間の改善:
- CDN(Content Delivery Network)の活用
- サーバーキャッシュの最適化
- データベースクエリの最適化
FID(First Input Delay)の改善
目標値:100ミリ秒以下
ユーザーの最初の操作への応答時間を短縮:
- JavaScriptの最適化:
- 不要なJavaScriptの削除
- コード分割(code splitting)の実装
- Web Workersの活用
- メインスレッドの負荷軽減:
- 長時間実行されるタスクの分割
- 非同期処理の活用
CLS(Cumulative Layout Shift)の改善
目標値:0.1以下
レイアウトの予期しない変更を防止:
- 要素サイズの事前指定:
- 画像・動画にwidth/height属性を設定
- 広告スペースの事前確保
- フォント読み込みの最適化:
- font-display: swap; の使用
- Webフォントの事前読み込み
4-2. 画像・動画の最適化
サイトの表示速度に最も影響を与える要素の一つが画像・動画です。特に、元記事で言及されている「アニメーションコンテンツでの動画フォーマットの使用」についても詳しく解説します。
画像最適化の基本
- 適切なフォーマットの選択:
- WebP:圧縮率が高く、多くのブラウザで対応
- AVIF:次世代画像フォーマット、さらに高い圧縮率
- JPEG:写真に適している
- PNG:透明度が必要な場合
- レスポンシブ画像の実装:
- srcset属性を使用したデバイス別最適化
- picture要素による条件分岐
動画・アニメーションの最適化
PageSpeed Insightsで「アニメーションコンテンツでの動画フォーマットの使用」が指摘される場合の対処法:
- 最適なフォーマットの選択:
- MP4:広範囲なブラウザサポート
- WebM:高い圧縮率、Chrome・Firefoxで対応
- GIFからの移行:MP4やWebMの方が大幅にファイルサイズが小さい
- 動画の最適化技術:
- 音声トラックの削除(装飾用動画の場合)
- 適切なビットレート設定
- 動画の圧縮
- 配信方法の最適化:
- ストリーミング配信の活用
- CDNを通じた配信
- 遅延読み込みの実装
4-3. キャッシュの最適化
表示速度改善において、キャッシュの設定は非常に重要です。
ブラウザキャッシュの設定
# Apache .htaccess例
ExpiresActive On
ExpiresByType text/css "access plus 1 year"
ExpiresByType application/javascript "access plus 1 year"
ExpiresByType image/png "access plus 1 year"
ExpiresByType image/jpg "access plus 1 year"
ExpiresByType image/jpeg "access plus 1 year"
ExpiresByType image/gif "access plus 1 year"
ExpiresByType image/svg+xml "access plus 1 year"
CDNの活用
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を使用することで、以下のメリットが得られます:
- 世界各地のサーバーからコンテンツを配信
- オリジンサーバーへの負荷軽減
- TTFB(Time To First Byte)の改善
4-4. JavaScript・CSSの最適化
コードの最適化は、表示速度改善において重要な要素です。
ファイルサイズの削減
- Minification(圧縮):
- 不要な空白、改行、コメントの削除
- 変数名の短縮
- Gzip圧縮の有効化:
- サーバー側でのファイル圧縮
- 最大90%のファイルサイズ削減が可能
読み込み順序の最適化
- Critical CSS:
- 最初に表示される部分のCSSを優先読み込み
- 残りのCSSは遅延読み込み
- JavaScriptの非同期読み込み:
- async/defer属性の活用
- レンダリングをブロックしない読み込み
5. LandingHubを活用した高速サイト構築
ここまで様々な改善方法を紹介してきましたが、「自分で全部やるのは大変…」と感じる方も多いでしょう。そんな時に活用いただきたいのが、LandingHubです。
5-1. LandingHubの表示速度最適化機能
LandingHubは、表示速度の最適化を標準機能として提供しています:
- 自動画像最適化:アップロードした画像を自動的にWebP形式に変換
- CDN配信:世界各地のサーバーから高速配信
- モダンなコード生成:非推奨APIを使用しない最新のコード
- キャッシュ最適化:適切なキャッシュヘッダーの自動設定
5-2. 非推奨API問題の回避
LandingHubで作成されるランディングページは、以下の特徴により非推奨API問題を回避できます:
- 最新のWeb標準に準拠したコード生成
- 定期的なシステムアップデートによる最新技術への対応
- PageSpeed Insightsで高スコアを獲得しやすい構造
6. 継続的な改善とモニタリング
表示速度の改善は一度やって終わりではありません。継続的な改善とモニタリングが重要です。
6-1. 定期的な計測の実施
以下の頻度で表示速度を計測することをおすすめします:
- 月1回:PageSpeed Insightsでの全体チェック
- コンテンツ更新時:新しい画像・動画追加後の確認
- システム更新時:WordPressやプラグインの更新後
6-2. 改善の優先順位づけ
PageSpeed Insightsの改善提案には優先順位があります:
- 高優先度:Core Web Vitalsに直接影響する項目
- 中優先度:ユーザーエクスペリエンス改善につながる項目
- 低優先度:技術的負債の解消
6-3. 新しい技術への対応
Web技術は日々進化しています。以下のような新しい技術にも注目しましょう:
- HTTP/3:次世代通信プロトコル
- Service Worker:オフライン対応とキャッシュ最適化
- WebAssembly:高速な計算処理
7. まとめ
「サポートを終了したAPIが使用されています」という警告は、単なる技術的な問題ではなく、サイトの将来性とユーザーエクスペリエンスに関わる重要な問題です。
特に重要なポイントをまとめると:
- Unload Event Listenersが最も一般的な原因
- WordPressのテーマ・プラグインが原因となることが多い
- 将来的なブラウザ対応を考慮した修正が必要
- 表示速度改善は継続的な取り組みが重要
もし「自分で対応するのは難しい」と感じる場合は、LandingHubのような最適化されたプラットフォームを活用することも一つの解決策です。最新の技術と最適化されたコードにより、PageSpeed Insightsで高スコアを獲得できるランディングページを簡単に作成できます。
表示速度の改善は、SEO効果だけでなく、ユーザーの満足度向上、コンバージョン率の改善にも直結します。ぜひ今回紹介した方法を参考に、あなたのサイトの表示速度改善に取り組んでみてください。
継続的な改善により、競合他社よりも優れたユーザーエクスペリエンスを提供し、ビジネスの成功につなげていきましょう。