入力フォームでの離脱率が最大70%にも達することをご存知でしょうか?
せっかく自社のサービスに興味を持ってくれたユーザーが、最後の入力フォームで離脱してしまうのは非常にもったいないことです。
そこで重要になるのがEFO(Entry Form Optimization)です。
この記事では、EFOの基本概念から具体的な施策、実際の成功事例まで詳しく解説します。
入力フォームの改善によってコンバージョン率を大幅に向上させたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
EFOの基本概念と重要性
EFO(Entry Form Optimization)とは、入力フォーム最適化を意味するWebマーケティング手法です。
会員登録や資料請求、商品購入などの入力フォームにおいて、ユーザーの操作性を改善し、途中離脱を防止してコンバージョン率を向上させることを目的としています。
EFOが注目される背景
現代のWebマーケティングにおいて、EFOが重要視される理由は明確です。
一般的な入力フォームでは、ユーザーの67%から70%が途中で離脱してしまうという統計データがあります。
つまり、せっかく流入したユーザーの約7割が、最終的なコンバージョンに至らずに離脱しているのです。
特にECサイトや会員登録サイトでは、入力フォームがコンバージョンの最終地点となるため、この離脱率の高さは深刻な問題となっています。
EFO対策の基本的な考え方
EFOは以下の3つの段階に分けて考えることができます。
段階 | 目的 | 主な施策 |
---|---|---|
入力前 | 入力開始率の向上 | 項目数の最小化、メリットの明示 |
入力中 | 入力継続率の向上 | 自動入力機能、エラー表示の改善 |
入力後 | 完了率の向上 | 確認画面の最適化、離脱防止 |
これらの段階を意識して総合的にアプローチすることで、効果的なEFO対策を実現できます。
EFOで解決できる主な課題
EFOを実施することで、入力フォームに関する様々な課題を解決できます。
ここでは、企業が抱える代表的な課題とその解決方法について詳しく説明します。
EFOで改善される離脱要因
ユーザーが入力フォームから離脱する主な理由は以下の通りです。
入力項目が多すぎる
必要以上に多い入力項目は、ユーザーにとって大きな負担となります。
特に個人情報の入力に慣れていないユーザーにとって、長いフォームは心理的なハードルが高く感じられます。
入力方法が分からない
入力例や説明が不十分だと、ユーザーはどのような形式で情報を入力すればよいか迷ってしまいます。
エラーメッセージが不親切
エラーが発生した際に、具体的な修正方法が示されないと、ユーザーは修正作業を諦めてしまう可能性があります。
EFO改善のメリット
EFOを適切に実施することで、以下のような効果が期待できます。
- コンバージョン率の向上:離脱率を下げることで、直接的にCVRが改善されます
- ユーザー体験の向上:ストレスのない入力体験により、ブランドイメージが向上します
- 運用効率の改善:正確な情報収集により、後続の営業活動が効率化されます
- 広告効果の最大化:同じ広告予算でより多くのコンバージョンを獲得できます
EFOの効果的な施策15選
ここでは、実際に効果が実証されているEFOの具体的な施策を15項目に分けて詳しく解説します。
EFO施策1:入力項目の最小限化
入力項目を必要最小限に絞ることは、最も基本的で効果的なEFO施策です。
以下の項目は削除を検討しましょう。
- ふりがな(自動生成可能な場合)
- メールアドレス確認欄
- FAX番号(必要性が低い場合)
- 詳細なアンケート項目
EFO施策2:入力支援機能の導入
ユーザーの入力負担を軽減するための機能を導入します。
- 郵便番号自動入力:郵便番号から住所を自動補完
- メールアドレス候補表示:@以降のドメインを予測表示
- フリガナ自動生成:漢字入力に連動したフリガナ生成
EFO施策3:リアルタイムバリデーション
入力中にリアルタイムでエラーチェックを行い、即座にフィードバックを提供します。
これにより、最後に一括でエラーが表示されるストレスを軽減できます。
EFO施策4:プログレスバーの設置
複数ページに渡るフォームでは、現在の進捗状況を可視化することが重要です。
「ステップ2/5」のような表示により、ユーザーは完了までの見通しを立てることができます。
EFO施策5:ステップフォームの活用
長いフォームを複数のステップに分割することで、一度に表示される項目数を減らし、心理的負担を軽減します。
EFO施策6:入力例の明示
各項目に具体的な入力例を表示することで、ユーザーが迷うことなく情報を入力できます。
- 電話番号:「例:090-1234-5678」
- 生年月日:「例:1990年4月15日」
EFO施策7:必須・任意の明確化
必須項目と任意項目を視覚的に区別し、ユーザーが優先すべき項目を理解できるようにします。
EFO施策8:セキュリティ表示の追加
SSL証明書の表示や個人情報保護方針へのリンクを設置し、ユーザーに安心感を提供します。
EFO施策9:レスポンシブ対応
スマートフォンやタブレットでも快適に入力できるよう、デバイスに応じた最適なレイアウトを提供します。
EFO施策10:自動保存機能
入力途中でブラウザを閉じてしまった場合でも、再訪問時に入力内容を復元できる機能です。
EFO施策11:離脱防止ポップアップ
ユーザーがページを離れようとした際に、確認ポップアップを表示して離脱を防止します。
EFO施策12:外部ID連携
FacebookやGoogleアカウントとの連携により、面倒な入力作業を省略できます。
EFO施策13:確認画面の最適化
確認画面では修正しやすいレイアウトにし、必要に応じて確認画面自体をスキップする選択肢も提供します。
EFO施策14:完了画面の工夫
入力完了後の画面で、次のアクションを明確に示し、継続的なエンゲージメントを促進します。
EFO施策15:A/Bテストの実施
異なるフォームデザインや機能を比較検証し、データに基づいた最適化を継続的に行います。
EFOの成功事例と改善効果
実際の企業でのEFO導入事例を通じて、具体的な改善効果を確認してみましょう。
EFO成功事例1:スマートフォン対応による改善
企業:東急カード株式会社
課題:スマートフォンでの入力時の操作性が悪く、途中離脱が多発
施策:スマートフォンに最適化したレイアウトへの変更
具体的な改善内容は以下の通りです。
- 注釈や記入例の整理により、入力項目の幅を拡大
- タップしやすいボタンサイズへの変更
- 女性ユーザーが多いことを考慮した暖色系デザインの採用
結果:申し込み率が6.9%改善
EFO成功事例2:入力履歴の活用
課題:リピートユーザーの再入力負担が大きい
施策:過去の入力履歴を自動反映する機能の導入
この機能により、再来訪ユーザーは一度入力した情報を再利用でき、入力時間を大幅に短縮できました。
結果:コンバージョン率が約17%改善
EFO成功事例3:AI-OCR技術の活用
課題:本人確認書類の手入力による負担とミス
施策:運転免許証やマイナンバーカードの自動読み取り機能
AI-OCR技術により、書類をスマートフォンで撮影するだけで、氏名・住所・生年月日などの情報が自動入力されるようになりました。
結果:CV率が6.1%改善、入力ミスの大幅削減
EFO成功事例4:ボタンデザインの最適化
課題:誤操作による前ページへの戻りが多発
施策:ボタンデザインとサイズの最適化
- 「次へ進む」ボタンを大きく目立つデザインに変更
- 「戻る」ボタンをリンク表示に変更し、誤操作を防止
結果:CV率が5.0%改善
EFO成功事例5:項目順序の最適化
課題:入力開始率が低い
施策:入力難易度の低い項目を上部に配置
- 名前、性別、生年月日など反射的に入力できる項目を上部に移動
- メールアドレスやクーポン番号など準備が必要な項目を下部に配置
結果:CV率が2.9%改善
これらの事例から分かるように、EFOは比較的小さな変更でも大きな効果をもたらすことができる施策です。
EFOツールの選び方と比較
EFOを効率的に実施するためのツール選択について、主要な製品の特徴と選定ポイントを解説します。
主要なEFOツール比較
ツール名 | 特徴 | 適用対象 | 料金目安 |
---|---|---|---|
フォームアシスト | 国内初のEFOサービス、豊富な機能 | 全般 | 要問い合わせ |
EFO CUBE | 入力補助とデータ解析に強み | 全般 | 月額50,000円~ |
Gyro-n EFO | SEO会社発のEFOツール | 中小企業向け | 月額10,000円~ |
KAIZEN UX | UX専門企業のコンサル付き | 大企業向け | 要問い合わせ |
EFOツール選定のポイント
1. 機能の充実度
必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。
- 入力支援機能(自動入力、候補表示等)
- 分析機能(離脱率、項目別分析等)
- A/Bテスト機能
- レポート機能
2. 導入の容易さ
既存のWebサイトへの導入が簡単かどうかも重要な判断基準です。
タグ一つで導入できるものから、詳細なカスタマイズが可能なものまで様々です。
3. サポート体制
導入後のサポートや改善提案の有無も考慮すべき要素です。
特にEFOの知識が少ない場合は、コンサルティング機能があるツールを選ぶことをお勧めします。
4. コストパフォーマンス
月額費用だけでなく、期待される改善効果を考慮した費用対効果を検討しましょう。
EFOツールの効果測定
EFOツールを導入した後は、以下の指標で効果を測定することが重要です。
- 入力開始率:フォームページ訪問者のうち、入力を開始した人の割合
- 項目別離脱率:各入力項目での離脱状況
- 完了率:入力を開始した人のうち、最後まで完了した人の割合
- エラー発生率:入力エラーの発生頻度
これらの数値を継続的にモニタリングし、さらなる改善施策を検討することが成功の鍵となります。
まとめ:EFOで実現するコンバージョン率向上
EFO(Entry Form Optimization)は、入力フォームの最適化を通じてコンバージョン率を劇的に改善できる重要なマーケティング施策です。
一般的な入力フォームでは約70%のユーザーが途中離脱してしまうという現実を考えると、EFOの重要性は明らかです。
EFO実施の主なメリット
- 即効性のある改善効果:比較的短期間で結果が現れる
- コストパフォーマンスの高さ:大規模な投資なしに大きな効果が期待できる
- 継続的な改善:A/Bテストにより持続的な最適化が可能
成功のポイント
- ユーザー視点での改善:技術的な観点だけでなく、ユーザーの心理を理解した改善
- データに基づく判断:感覚ではなく、具体的な数値データに基づいた施策実施
- 継続的な最適化:一度改善したら終わりではなく、継続的な検証と改善
EFOは、SEOやLPOと並んでWebマーケティングにおける重要な施策の一つです。
まだ取り組んでいない企業は、まず基本的な項目から始めて、徐々に高度な機能を導入していくことをお勧めします。
適切なEFO施策により、既存の流入数を変えることなく、コンバージョン数を大幅に増加させることが可能になるでしょう。
入力フォームの改善は、ユーザーにとっても企業にとってもメリットの大きい取り組みです。
ぜひ今回紹介した施策や事例を参考に、自社の入力フォーム最適化に取り組んでみてください。