Facebook動画広告は、静止画広告と比較して3倍以上の申込数を獲得し、さらに1件獲得するための広告費用(CPA)を下げる効果があることが実証されています。
しかし、Facebook動画広告を始めようと考えている方の中には、「どんな種類があるのかわからない」「効果的な動画をどう作ればいいかわからない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Facebook動画広告の基本から応用まで、2025年最新の情報を踏まえて徹底解説します。これを読めば、今日からFacebook動画広告をスタートできる状態になります。
目次
Facebook動画広告とは?基本概要を解説
Facebook動画広告とは、Meta社(旧Facebook社)が提供する広告配信サービスです。Facebook、Instagram、Facebook Messenger、Audience Networkの4つのプラットフォームに動画形式で広告を配信できます。
最大の特徴は、実名登録制のSNSならではの高精度なターゲティング機能です。年齢・性別・地域・興味関心・行動データなどの詳細な情報を活用し、自社のターゲット層にピンポイントで広告を届けることができます。
また、動画広告は静止画広告と比較して情報量が5000倍多く、ユーザーの印象に1.7倍残りやすいという調査結果もあります。これにより、ブランドの認知度向上やコンバージョン率の改善が期待できます。
Facebook動画広告の種類と特徴を徹底比較
Facebook動画広告には、主に3つの種類があります。それぞれの特徴と規格を詳しく見ていきましょう。
Facebook動画広告の配信場所(フィード広告)
フィード広告は、Facebookのタイムライン上に表示される最も一般的な動画広告です。友人や知り合いの投稿と同じ形式で表示されるため、ユーザーに自然な形で広告を見せることができます。
フィード広告の特徴
- 通常の投稿と同様に「いいね」「コメント」「シェア」が可能
- シェア機能による拡散効果が期待できる
- タイムラインで自動再生される
フィード広告の入稿規格
- 動画の長さ:1秒~240分
- 推奨アスペクト比:4:5(モバイル推奨)、1:1、16:9
- ファイル容量:最大4GB
- 推奨解像度:1080×1350ピクセル(4:5の場合)
Facebook動画広告の配信場所(インストリーム広告)
インストリーム広告は、Facebookで動画を視聴している際に、再生前後や再生途中で流れる動画広告です。ユーザーが能動的に動画コンテンツを視聴している状況で配信されるため、注目度が高い特徴があります。
インストリーム広告の特徴
- 知名度の高いパブリッシャーやクリエイターの動画に配信
- 配信する動画コンテンツを選択可能
- 長時間視聴される傾向がある
インストリーム広告の入稿規格
- 動画の長さ:5秒~10分
- 推奨アスペクト比:16:9(推奨)、4:5、2:3、9:16、1.91:1
- ファイル容量:最大4GB
- 推奨解像度:1920×1080ピクセル(16:9の場合)
Facebook動画広告の配信場所(ストーリーズ広告)
ストーリーズ広告は、Facebookのストーリーズ機能に表示される動画広告です。スマートフォンの縦型フルスクリーンで表示されるため、高いインパクトと没入感を提供できます。
ストーリーズ広告の特徴
- 縦型フルスクリーンでの表示
- 高いインパクトと没入感
- アクションを促すのに適している
ストーリーズ広告の入稿規格
- 動画の長さ:1~120秒
- 推奨アスペクト比:9:16(推奨)、1.91:1、16:9、1:1、4:5、2:3
- ファイル容量:最大4GB
- 推奨解像度:1080×1920ピクセル(9:16の場合)
Facebook動画広告のメリット・デメリットを解説
Facebook動画広告のメリット
高精度なターゲティング機能
実名登録制のSNSならではの詳細なユーザー情報を活用し、年齢・性別・地域・学歴・職歴・興味関心・行動データなど、多様な条件でターゲティングが可能です。
自動再生による高い視認性
タイムラインに表示された動画は自動的に再生されるため、ユーザーがアクションを起こさなくても動画を視聴してもらえます。
拡散効果の期待
フィード広告にはシェア機能があり、魅力的なコンテンツは友人やフォロワーに拡散される可能性があります。
柔軟な予算設定
広告主が自由に予算を設定でき、少額からでもスタートできます。設定した予算を超えることはありません。
複数プラットフォームでの配信
Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkの4つのプラットフォームに同時配信が可能です。
Facebook動画広告のデメリット
若年層へのアプローチの限界
Facebookのメインユーザー層は30代以上のため、10代~20代前半の若年層にはアプローチしづらい傾向があります。
広告審査の厳格さ
Meta社の広告ポリシーに従った審査があり、違反すると配信停止になる可能性があります。
競合の激化
多くの企業が参入しているため、オークション形式の課金システムにおいて競合が激化しています。
Facebook動画広告の課金方式を理解しよう
Facebook動画広告には、主に3つの課金方式があります。
インプレッション課金(CPM)
動画広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。ブランドの認知度向上を目的とする場合に適しています。
料金相場:100~500円/1,000インプレッション
クリック課金(CPC)
動画広告がクリックされるごとに課金される方式です。Webサイトへの流入やエンゲージメント獲得を目的とする場合に適しています。
料金相場:100~200円/1クリック
ThruPlay課金
動画が15秒再生される(15秒未満の動画は視聴完了)ごとに課金される方式です。動画の視聴完了率を重視する場合に適しています。
Facebook動画広告の配信手順を5ステップで解説
ステップ1:Facebookアカウントの開設
まず、個人のFacebookアカウントを作成します。実名登録が必要で、原則として1人1アカウントです。次に、広告運用に使用するFacebookページを作成します。
ステップ2:ビジネスマネージャーの設定
Facebook Business Managerにアクセスし、ビジネスアカウントを作成します。その後、広告アカウントを開設し、広告の管理を行える状態にします。
ステップ3:キャンペーンの作成
広告マネージャーで「作成」をクリックし、広告の目的を選択します。認知度アップ、トラフィック獲得、コンバージョンなど、目的に応じて設定しましょう。
ステップ4:ターゲット設定
年齢、性別、地域、興味関心などの詳細なターゲット設定を行います。予算と掲載期間も同時に設定します。
ステップ5:動画クリエイティブの設定
動画ファイルをアップロードし、メインテキスト、見出し、説明文を追加します。CTAボタンも設定し、プレビューで確認後に配信開始します。
Facebook動画広告で成果を出すための制作ポイント
冒頭3秒でユーザーを惹きつける
動画広告の成否は冒頭3秒で決まります。ユーザーは興味がなければすぐに離脱してしまうため、最初にインパクトのある内容を配置しましょう。
音声なしでも理解できるよう字幕を付ける
Facebook動画広告は初期設定で音声がオフになっています。電車内や静かな場所で視聴されることも多いため、字幕やテキストで内容が理解できるよう工夫しましょう。
15秒程度の短尺動画を心がける
長すぎる動画は途中で離脱される可能性が高まります。伝えたいメッセージを15秒程度に収め、最後まで視聴してもらえるよう意識しましょう。
スマートフォン視聴を前提とした制作
Facebookユーザーの多くがスマートフォンで利用しているため、縦型や正方形のアスペクト比を活用し、小さな画面でも見やすい動画を制作しましょう。
ターゲットに合わせたトーンを設定
ビジネスパーソンが多いFacebookの特性を活かし、信頼感のあるゴシック体や明朝体を使用し、公式感を演出することが効果的です。
Facebook動画広告の成功事例を3つ紹介
事例1:京都やまちや
健康食品を展開する京都やまちやは、香港での認知拡大を目的としてFacebook動画広告を活用しました。
冒頭で「191万袋販売」という実績をアピールし、商品の効果を画像とアニメーションで分かりやすく表現。25〜60歳をターゲットに設定し、過去の購入者に対するリターゲティングも実施しました。
結果:セールスコンバージョンが45%増加、カートへの追加が2.8倍に向上
事例2:Moonton(モバイル・レジェンド)
モバイルゲーム「モバイル・レジェンド: Bang Bang」のプロモーションで、海外インフルエンサーを起用した動画広告を制作しました。
インフルエンサーがゲームキャラクターを演じ、実際のゲーム攻撃が部屋の中で具現化される演出で、まだダウンロードしていないユーザーの興味を引きつけました。
結果:コンバージョン率が35%上昇、インストール単価が14%低下
事例3:Clubtails
缶カクテルブランドのClubtailsは、夏季のブランド認知向上を目的としてストーリーズ広告を配信しました。
複数人がカクテルを手に楽しく乾杯している雰囲気を演出し、暑い季節のお出かけやマリンスポーツでカクテルを飲みたくなるような印象を与える動画を制作しました。
結果:55歳以上の飲酒者における広告想起率が19ポイント向上、ブランド認知度が6ポイント上昇
Facebook動画広告の注意点とポリシー
広告審査について
Facebook動画広告は、Meta社の広告ポリシーに基づいて審査されます。通常24時間以内に結果が通知されますが、以下の点に注意が必要です。
- 不適切な割引キャンペーンの表示
- 誇張表現など過度な表記
- 効果効能をうたう表示
- 差別表現や成人コンテンツの含有
テキスト量の考慮
以前は画像・動画内のテキスト量を20%以下にする制限がありましたが、現在は撤廃されています。ただし、Facebook公式では20%未満に抑えることで高いパフォーマンスが出やすいとされています。
若年層へのアプローチ制限
Facebookのメインユーザー層は30代以上のため、10代~20代前半の若年層にアプローチする場合は、InstagramやTikTokなど他のプラットフォームとの併用を検討しましょう。
Facebook動画広告で効果を最大化するコツ
データ分析に基づく最適化
Facebook広告マネージャーの分析機能を活用し、CTR(クリック率)、CPM(インプレッション単価)、CPC(クリック単価)、コンバージョン率などのKPIを定期的にチェックしましょう。
A/Bテストの実施
異なるクリエイティブ、ターゲット設定、配信時間などでA/Bテストを実施し、最も効果的な組み合わせを見つけ出しましょう。
類似オーディエンスの活用
既存顧客と似通った属性のユーザーに広告を配信できる「類似オーディエンス」機能を活用し、新規顧客獲得を効率化しましょう。
季節性やトレンドの考慮
ターゲットユーザーの行動パターンや季節性を考慮し、配信タイミングを最適化することで、より高い効果を期待できます。
まとめ:Facebook動画広告で成功するための要点
Facebook動画広告は、高精度なターゲティング機能と動画の持つ訴求力を組み合わせた効果的な広告手法です。
成功のポイントは以下の通りです:
- 明確なターゲット設定:詳細なペルソナを設定し、適切なターゲティングを行う
- 冒頭3秒の重要性:最初の印象でユーザーを惹きつける
- 音声なし対応:字幕やテキストで内容を理解できるよう配慮
- 適切な動画長:15秒程度の短尺で最後まで視聴される動画を目指す
- 継続的な最適化:データ分析に基づく改善を繰り返す
2025年も動画広告市場は拡大が予想されており、早期の取り組みが競合優位性の確保につながります。本記事の内容を参考に、効果的なFacebook動画広告の運用を始めてみてください。
Facebook動画広告は、適切な戦略と継続的な最適化により、ブランド認知の向上からコンバージョン獲得まで、様々なマーケティング目標の達成に貢献できる強力なツールです。