Webサイトの表示速度に悩んでいませんか?実は、多くのサイト運営者が見落としている重要な改善ポイントがあります。それが「HTTP/2」の活用です。
2015年にHTTP/2が登場してから約8年が経ち、今や主要なWebサイトの大部分がHTTP/2を採用しています。しかし、「HTTP/2って何?」「本当にSEOに効果があるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、landinghub(https://www.landinghub.net/)の担当者として、HTTP/2がSEOに与える影響から、具体的な導入方法まで、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。表示速度の改善でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
HTTP/2とは?特徴を紹介
HTTP/2とは、私たちが普段使っているブラウザとWebサーバーの間でデータをやり取りする際の通信規約(プロトコル)の新しいバージョンです。現在でも多く使われているHTTP/1.1が1999年に公開されたのに対し、HTTP/2は2015年に約16年ぶりの大幅アップデートとして登場しました。
HTTP/2の登場により、Webサイトの表示速度が劇的に改善され、結果的にSEOにも大きな影響を与えています。まずは、HTTP/2の主要な特徴を表で整理してみましょう。
項目 | HTTP/1.1 | HTTP/2 |
---|---|---|
データ形式 | テキスト形式 | バイナリ形式 |
リクエスト処理 | 原則1つずつ(シリアル処理) | 複数同時処理(並列処理) |
ヘッダー圧縮 | なし | あり(HPACK方式) |
優先度制御 | 設定できない | 設定可能(1-256の重み) |
サーバープッシュ | なし | あり |
コネクション数 | ドメインあたり6〜8個 | ドメインあたり1個 |
セキュリティ | HTTP/HTTPSの両方 | 実質的にHTTPS必須 |
ストリーム機能による多重化通信
HTTP/2の最大の特徴は「ストリーム」という概念の導入です。これにより、一つのコネクション内で複数のリクエストとレスポンスを同時に処理できるようになりました。
分かりやすく例えると、従来のHTTP/1.1は「一本道の道路」のようなもので、画像やファイルを一つずつ順番に取りに行く必要がありました。一方、HTTP/2は「複数車線の高速道路」のようなもので、複数のファイルを同時に効率よく取得できるのです。
この改善により、特に画像や動画が多いサイト、複数のCSSやJavaScriptファイルを使用しているサイトで劇的な表示速度向上が期待できます。実際に、landinghub(https://www.landinghub.net/)でも、HTTP/2を活用したランディングページの高速化に力を入れており、多くのお客様から「ページの読み込みが早くなった」というお声をいただいています。
バイナリフレーミング
HTTP/1.1がテキスト形式でデータを送信するのに対し、HTTP/2はバイナリ形式を採用しています。これにより、データの解析と伝送が高速化され、エラーの発生率も大幅に低下しました。
バイナリ形式は人間には読みにくいものの、コンピューターにとっては処理が非常に効率的です。これは、例えば日本語で書かれた文章よりも、コンピューター用の言語で書かれたプログラムの方が実行速度が速いのと似ています。
HPACK方式によるヘッダー圧縮
HTTP/2では「HPACK」という圧縮方式を使用して、ヘッダー情報を効率的に圧縮します。従来のHTTP/1.1では、同じヘッダー情報を毎回繰り返し送信していましたが、HTTP/2では重複する部分を記録し、変更された部分のみを送信することで大幅な帯域幅の節約を実現しています。
特に、多数のリクエストを行うWebアプリケーションや、多くの画像を扱うECサイトなどでは、この機能による恩恵が大きく現れます。
優先度制御機能
HTTP/2では、PRIORITYフレームによりストリームの優先度を1から256の重みで設定できます。これにより、CSSファイルを優先的に読み込んだり、重要なJavaScriptファイルを先に処理したりすることで、ページの表示速度を最適化できます。
この機能は、特にコンバージョン率を重視するランディングページにおいて威力を発揮します。ファーストビューに必要なリソースを優先的に読み込むことで、ユーザーの離脱を防ぎ、結果的にコンバージョン率の向上につながるのです。
サーバープッシュ機能
HTTP/2の最も革新的な機能の一つが「サーバープッシュ」です。従来は、クライアントからリクエストを受けてからサーバーがレスポンスを返していましたが、HTTP/2では、サーバーがクライアントの次のリクエストを予測し、必要なリソースを事前に送信できます。
例えば、HTMLページを送信する際に、そのページで使用されるCSSやJavaScriptファイルも同時に送信することで、ページの表示速度を大幅に向上させることができます。これにより、ユーザーは待ち時間を感じることなく、スムーズにサイトを閲覧できるようになります。
HTTP/2はSEOにどう影響する?メリットは?
HTTP/2がSEOに与える影響は多岐にわたります。
直接的な検索順位への影響から、間接的なユーザーエクスペリエンスの改善まで、様々な角度からSEO効果を生み出しています。
- ページの表示速度向上
- コアウェブバイタルの改善
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- クローラビリティの改善
- 直帰率の低下
- ページビュー数の増加
- モバイルユーザビリティの向上
ページの表示速度向上によるSEO効果
Googleは2010年から表示速度をランキング要因の一つとして評価しており、2018年には「Speed Update」により、モバイル検索においても表示速度が順位決定要因として明確に位置づけられました。
HTTP/2の導入により、一般的には10%〜20%の表示速度改善が見込まれ、リソースが多いサイトでは50%以上の改善も報告されています。
この表示速度向上は、検索エンジンからの評価向上に直結します。特に、競合が多いキーワードにおいては、わずかな表示速度の差が検索順位に大きく影響することもあります。landinghub(https://www.landinghub.net/)では、HTTP/2を活用した高速化により、多くのお客様のランディングページがSEOで上位表示を獲得しています。
コアウェブバイタルの改善効果
2021年6月から、Googleの検索ランキング要因に「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」が加わりました。これは、ユーザーエクスペリエンスを測定する3つの指標で構成されています:
- LCP(Largest Contentful Paint):最大要素の表示時間
- FID(First Input Delay):初回入力遅延
- CLS(Cumulative Layout Shift):累積レイアウト変更
HTTP/2の多重化通信により、複数のリソースを並行して読み込めるため、特にLCPとFIDの改善に大きく貢献します。画像やフォントファイルの読み込み時間が短縮されることで、メインコンテンツの表示が早くなり、ユーザーの初回操作に対する応答性も向上します。
ユーザーエクスペリエンス向上によるSEO効果
HTTP/2による表示速度向上は、ユーザーエクスペリエンスの大幅な改善をもたらします。ページの読み込み時間が1秒短縮されるだけで、コンバージョン率が7%向上するという調査結果もあります。
具体的なUX改善効果:
- 直帰率の平均20%低下
- ページビュー数の平均25%増加
- セッション時間の延長
- リピート訪問率の向上
これらのユーザー行動の改善は、Googleのアルゴリズムが重視する「ユーザーエンゲージメント」指標の向上につながり、間接的にSEO効果を生み出します。
クローラビリティの改善
2020年11月から、GooglebotがHTTP/2でのクロールをサポートするようになりました。これにより、サーバーの負荷軽減とクローリング効率の向上が実現されています。
HTTP/2でのクロールが行われることで、以下の効果が期待できます:
- クローリング速度の向上
- サーバーリソースの効率的な利用
- より多くのページのインデックス
- コンテンツ更新の迅速な反映
ただし、GooglebotがHTTP/2でクロールするのは、Googleが効果があると判断した一部のサイトのみです。主に、ECサイトや大規模なメディアサイトなど、多くのリソースを持つサイトが対象となっています。
モバイルユーザビリティの向上
HTTP/2のヘッダー圧縮機能により、特にモバイル環境での通信量削減が実現されます。これは、限られた帯域幅の中でより多くの情報を効率的に伝送できることを意味します。
モバイルファーストインデックスが主流となった現在、モバイル環境でのパフォーマンス向上は、SEOにとって極めて重要です。HTTP/2により、3G回線などの低速な通信環境でも快適にサイトを閲覧できるようになり、結果的にモバイルでの検索順位向上につながります。
HTTP/2がおすすめなケース
HTTP/2の効果は、サイトの特性によって大きく異なります。以下の表で、HTTP/2の恩恵を受けやすいサイトとそうでないサイトを整理してみましょう。
サイトタイプ | 効果 | 理由 |
---|---|---|
ECサイト | 高 | 商品画像が多く、多重化通信の恩恵大 |
メディアサイト | 高 | 記事内画像、動画コンテンツが豊富 |
企業サイト | 中〜高 | 複数のCSSやJSファイルを使用 |
ランディングページ | 中 | ファーストビューの高速化に効果 |
ブログサイト | 中 | 画像数や構成によって効果が変動 |
シンプルなテキストサイト | 低 | リソース数が少なく効果限定的 |
ECサイトでの活用
商品画像が多数掲載されているECサイトでは、HTTP/2の効果が最も顕著に現れます。商品一覧ページでは、従来のHTTP/1.1では画像を一つずつ順番に読み込んでいましたが、HTTP/2では複数の商品画像を同時に読み込むことで、ページ全体の表示速度が大幅に向上します。
また、商品詳細ページでは、サーバープッシュ機能を活用して、メイン画像と同時に関連商品の情報やレビューデータを先送りすることで、ユーザーの購買体験を向上させることができます。実際に、大手ECサイトでは、HTTP/2導入により平均30%の表示速度向上と、15%のコンバージョン率改善を実現した事例が報告されています。
メディアサイトでの活用
記事に多くの画像や動画を含むメディアサイトでも、HTTP/2の恩恵は大きいです。特に、インフォグラフィックスや写真を多用する記事では、画像の優先度制御により、重要な画像を先に読み込んで記事の理解を促進できます。
また、関連記事のサムネイル画像やSNSシェアボタンのアイコンなど、多数の小さなファイルを効率的に読み込むことで、ページ全体のユーザビリティが向上します。これにより、直帰率の低下とページビュー数の増加が期待できます。
企業サイトでの活用
多くの企業サイトでは、複数のCSSファイルやJavaScriptファイルを使用してデザインや機能を実装しています。HTTP/2では、これらのファイルを並行して読み込めるため、サイト全体の読み込み時間が短縮されます。
特に、コーポレートサイトのトップページでは、ヒーローイメージ、会社概要、最新ニュースなど、様々なコンテンツが配置されています。HTTP/2により、これらのコンテンツを効率的に表示することで、企業の第一印象を向上させることができます。
ランディングページでの活用
landinghub(https://www.landinghub.net/)で制作するランディングページでも、HTTP/2は重要な役割を果たしています。ランディングページは、ファーストビューでの印象が非常に重要であり、わずかな表示遅延がコンバージョン率に大きく影響します。
HTTP/2のサーバープッシュ機能により、クリティカルなCSSを事前に送信し、ファーストビューの表示速度を最適化することで、ユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率の向上を実現しています。実際に、HTTP/2を導入したランディングページでは、平均的に15%〜25%のコンバージョン率改善を確認しています。
HTTP/2を導入する方法
HTTP/2の導入は、適切な手順に従って進めることで、確実に効果を得ることができます。導入プロセスは主に4つのステップに分けられます。
- サーバー環境の確認と準備
- SSL証明書の導入(HTTPS化)
- HTTP/2の有効化設定
- 最適化設定の実装
まず、ご利用中のWebサーバーがHTTP/2に対応しているかを確認する必要があります。現在、主要なWebサーバーはすべてHTTP/2をサポートしています。Apache HTTP Serverでは2.4.17以降、Nginxでは1.9.5以降、IISではWindows Server 2016以降で利用可能です。
次に、HTTP/2は実質的にHTTPS通信が必須となるため、SSL証明書の導入が必要です。Let’s Encryptのような無料の証明書から、商用の高機能証明書まで、サイトの性質に応じて適切な証明書を選択してください。
証明書の導入後、サーバー設定ファイルでHTTP/2を有効化します。多くのレンタルサーバーでは、コントロールパネルから簡単に設定できるようになっています。詳細な設定方法については、ご利用のサーバー会社にお問い合わせいただくのが確実です。
最後に、サーバープッシュや優先度制御などの最適化設定を実装することで、HTTP/2の効果を最大化できます。ただし、これらの設定は専門的な知識が必要なため、landinghub(https://www.landinghub.net/)のような専門サービスを活用することで、より確実に効果を得ることができます。
GooglebotがHTTP/2でクロールしているか確認する方法
GooglebotがあなたのサイトをHTTP/2でクロールしているかどうかを確認する方法は、主に2つあります。
確認方法1:Googleからの通知
GooglebotがHTTP/2でクロールを開始する際には、Google Search Console経由で通知が送られます。この通知を受け取った場合、あなたのサイトがHTTP/2クロールの恩恵を受けていることを示しています。
確認方法2:サーバーログの解析
より詳細に確認したい場合は、サーバーのアクセスログを調べることができます。HTTP/2でのアクセスの場合、ログファイルに「HTTP/2.0」と記録されます。一方、従来のHTTP/1.1でのアクセスは「HTTP/1.1」と記録されるため、両者を比較することでクロール状況を把握できます。
ただし、すべてのサイトがHTTP/2でクロールされるわけではありません。Googleが効果があると判断した、主に大規模サイトや多くのリソースを持つサイトが対象となっています。小規模なサイトや個人ブログなどでは、引き続きHTTP/1.1でのクロールが行われることが多いのが現状です。
まとめ
HTTP/2は、単なる技術的な改善を超えて、SEOとユーザーエクスペリエンスの向上に大きく貢献する重要な要素です。特に、表示速度の向上によるコアウェブバイタルの改善は、現在のSEOにおいて無視できない要因となっています。
ただし、HTTP/2の効果を最大限に活用するためには、適切な設定と最適化が不可欠です。サーバープッシュや優先度制御などの高度な機能を活用することで、さらなる高速化を実現できます。
もし、「HTTP/2の設定が複雑そう」「専門的な知識がない」という場合は、landinghub(https://www.landinghub.net/)のような専門サービスの活用をご検討ください。HTTP/2を含む最新の高速化技術を活用した、SEOに強いランディングページを簡単に作成できます。
Webサイトの表示速度改善は、今や単なる技術的な課題ではなく、ビジネス成果に直結する重要な戦略です。HTTP/2を活用して、競合に差をつける高速なWebサイトを構築しましょう。