Web制作やブログ運営をしていると、「画像要素にalt属性が指定されていません」というエラーメッセージに出くわすことがあります。このエラーは一見すると軽微なものに見えますが、実はSEOやアクセシビリティに大きな影響を与える重要な問題です。
この記事では、alt属性エラーの原因から具体的な対処法、そして効果的なalt属性の設定方法まで、初心者の方でも分かりやすく包括的に解説します。また、サイト表示速度の改善ポイントも併せてご紹介しますので、総合的なWebサイト最適化の参考にしてください。
目次
alt属性エラーが発生する理由とその影響
「画像要素にalt属性が指定されていません」エラーとは
このエラーメッセージは、HTMLのimg要素にalt属性が適切に設定されていない場合に表示されます。alt属性(Alternative Text)は、画像の代替テキストとして機能し、画像が表示されない場合や、視覚障害者向けのスクリーンリーダーで読み上げられる際に重要な役割を果たします。
エラーが発生する主な原因には以下があります:
- imgタグにalt属性が記述されていない
- 画像が正常にアップロードされていない
- 画像がライブラリから削除されている
- ファイルサイズや形式の制限に抵触している
alt属性エラーが与える影響
alt属性が適切に設定されていないことで生じる影響は想像以上に深刻です。まず、SEOの観点から見ると、検索エンジンは画像の内容を理解するためにalt属性を重要な情報源として利用します。適切なalt属性がない画像は、検索エンジンにとって「何の画像か分からない」状態になってしまいます。
また、アクセシビリティの面では、視覚障害者の方が利用するスクリーンリーダーがalt属性を読み上げることで、画像の内容を理解できるようになります。これがないと、重要な情報を伝えることができなくなってしまうんです。
さらに、通信環境が不安定な場合に画像が読み込めないときも、alt属性のテキストが表示されることで、ユーザーに画像の内容を伝えることができます。つまり、alt属性は「万能な情報伝達手段」として機能しているのです。
alt属性エラーの具体的な対処法
HTMLでの対処法
HTMLで直接画像を扱う場合の対処法は比較的シンプルです。基本的なHTMLの記述方法を確認してみましょう:
エラーが発生する記述例:
<img src="example.jpg">
正しい記述例:
<img src="example.jpg" alt="サンプル画像の説明">
この基本的な記述方法を理解しておけば、HTMLレベルでのalt属性エラーは簡単に解決できます。重要なのは、「alt=””」の部分を空白にせず、適切な説明文を記述することです。
WordPressでの対処法
WordPressユーザーの場合、より直感的に対処できます。以下の手順で設定を行います:
- WordPressの管理画面にログイン
- 左側メニューから「メディア」→「メディアライブラリ」を選択
- 該当する画像をクリック
- 「代替テキスト」または「Altテキスト」の欄に適切な説明を入力
- 「更新」ボタンをクリック
WordPressの場合、この設定を行うことで自動的に適切なalt属性が付与されます。特に初心者の方には、このWordPressの機能を活用することをおすすめします。
画像アップロード関連の問題への対処
画像が正常にアップロードされていない場合の対処法も重要です。よくある問題と解決策を整理してみましょう:
ファイルサイズが大きすぎる場合:
画像のファイルサイズを圧縮してください。オンラインの画像圧縮ツールを使用するか、画像編集ソフトで品質を調整することで解決できます。この作業は、サイト表示速度の改善にも直結します。
対応していないファイル形式の場合:
JPEG、PNG、GIF、WebPなどの一般的な形式に変換してください。WebP形式は特に圧縮効率が良く、表示速度向上に貢献します。
権限関連の問題:
WordPressの場合、ユーザー権限を確認し、必要に応じて管理者権限を付与してください。
効果的なalt属性の記述方法
基本的な記述のポイント
alt属性を効果的に活用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず最も重要なのは、「画像を見なくても内容が分かる」ような具体的な説明を心がけることです。
例えば、以下のような画像があったとします:
良い例:
<img src="apple.jpg" alt="木製のかごに入った3つの赤いりんご">
悪い例:
<img src="apple.jpg" alt="りんご">
良い例では、画像の具体的な状況が分かりますが、悪い例では情報が不十分です。このように、できるだけ具体的で分かりやすい説明を心がけることが大切です。
SEOを意識した記述方法
SEOの観点から見ると、alt属性は検索エンジンに画像の内容を伝える重要な手段です。ただし、キーワードの詰め込みすぎは逆効果になることもあります。
適切な例:
<img src="laptop.jpg" alt="デスクの上でプログラミング作業をする人の手とノートパソコン">
避けるべき例:
<img src="laptop.jpg" alt="ノートパソコン PC コンピューター デスクトップ 作業 仕事 プログラミング エンジニア IT 技術">
このように、自然な文章で画像の内容を説明することが重要です。Googleも、キーワードの羅列はスパムと判断する可能性があると明言しています。
装飾画像の取り扱い
すべての画像にalt属性を記述する必要はありません。装飾目的の画像(線や背景など)は、内容的に意味を持たないため、alt属性を空白にすることが推奨されています。
装飾画像の正しい記述:
<img src="decoration.jpg" alt="">
重要なのは、「alt=””」と記述することです。「alt」自体を省略してしまうと、エラーの原因になってしまいます。
alt属性の設定状況を確認する方法
Chromeデベロッパーツールを使用した確認
自分のサイトのalt属性が適切に設定されているか確認する方法をご紹介します。最も基本的な方法は、Chromeブラウザの検証機能を使用することです。
確認手順:
- 確認したいページを開く
- 画像を右クリック→「検証」を選択
- 表示されたHTMLコードでalt属性の内容を確認
この方法なら、特別なツールを使わずに手軽に確認できます。
専用ツールを使用した確認
より効率的に確認したい場合は、Chrome拡張機能「Alt & Meta viewer」がおすすめです。このツールを使うと、ページ上の画像にマウスをホバーするだけで、alt属性の内容をポップアップで確認できます。
大量の画像を扱うサイトの場合、このようなツールを活用することで作業効率が大幅に改善されます。
alt属性とSEO効果の関係
画像検索での上位表示
適切なalt属性の設定は、Google画像検索での上位表示に大きく影響します。画像検索からの流入は、特に視覚的なコンテンツを扱うサイトにとって重要な集客チャネルになります。
Googleは画像の内容を理解するために、alt属性を重要な情報源として利用しています。そのため、適切なalt属性が設定されていない画像は、画像検索結果で上位表示される可能性が低くなってしまいます。
通常の検索結果への影響
alt属性は画像検索だけでなく、通常の検索結果にも影響を与えます。特に、画像がリンクになっている場合、alt属性がアンカーテキストの役割を果たします。
例えば、会社のロゴ画像にトップページへのリンクを設定している場合:
適切な例:
<a href="/"><img src="logo.jpg" alt="株式会社○○のトップページ"></a>
不適切な例:
<a href="/"><img src="logo.jpg" alt="会社ロゴ"></a>
このように、リンク先の内容を明確に示すalt属性を設定することで、SEO効果を最大化できます。
サイト表示速度とalt属性の関係
画像最適化による表示速度改善
alt属性の設定と併せて考慮すべきなのが、画像の表示速度です。いくら適切なalt属性を設定しても、画像の読み込みが遅ければユーザーエクスペリエンスは低下してしまいます。
画像の表示速度を改善するためのポイント:
- 適切なファイル形式の選択: 写真にはJPEG、図表にはPNG、アニメーションにはGIF、そして次世代形式としてWebPを活用
- 画像の圧縮: 品質を保ちながらファイルサイズを最小化
- 適切なサイズ設定: 表示サイズに合わせた画像サイズの調整
- 遅延読み込み(Lazy Loading): 画面に表示される際に画像を読み込む技術
CDNとキャッシュの活用
大量の画像を扱うサイトでは、CDN(Content Delivery Network)の活用も効果的です。CDNを使用することで、ユーザーの地理的位置に最も近いサーバーから画像を配信でき、表示速度の大幅な改善が期待できます。
また、適切なキャッシュ設定により、一度読み込んだ画像はブラウザに保存され、再訪問時の表示速度が向上します。
モバイル対応とalt属性
レスポンシブ画像の重要性
現在では、Webサイトのモバイル対応は必須となっています。画像においても、デバイスに応じた最適な表示が求められます。
レスポンシブ画像を実装する際のalt属性の考慮点:
- デバイスに関わらず同じalt属性が適用される
- 画像のサイズは変わっても、内容の説明は一貫している必要がある
- モバイルでは画像の詳細が見えにくい場合があるため、より具体的な説明が重要
AMP(Accelerated Mobile Pages)での対応
AMPページを作成する場合、alt属性の設定はさらに重要になります。AMPは表示速度の向上を目的としているため、画像の遅延読み込みが基本となります。この際、適切なalt属性があることで、画像が読み込まれるまでの間もユーザーに内容を伝えることができます。
アクセシビリティを考慮したalt属性設定
スクリーンリーダーへの配慮
alt属性は、視覚障害者の方が利用するスクリーンリーダーにとって重要な情報源です。適切なalt属性を設定することで、すべてのユーザーが平等に情報にアクセスできるようになります。
スクリーンリーダーを考慮したalt属性の記述ポイント:
- 自然な文章で記述: 機械的な読み上げでも理解しやすい表現を心がける
- 冗長な表現を避ける: 「〜の画像」「〜の写真」といった不要な説明は省略
- 文脈を考慮: 周囲のテキストとの関連性を意識した説明
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)への準拠
国際的なアクセシビリティ基準であるWCAGでは、alt属性の適切な使用が推奨されています。特に、公的機関や大企業のWebサイトでは、アクセシビリティへの配慮が法的に求められる場合もあります。
WCAG基準に準拠したalt属性の設定により、より多くのユーザーにとって利用しやすいWebサイトを構築できます。
CMS別のalt属性設定方法
WordPressでの効率的な設定
WordPressユーザーの場合、より効率的にalt属性を管理する方法があります。
メディアライブラリでの一括設定:
- WordPress管理画面から「メディア」→「メディアライブラリ」を選択
- 「リスト表示」に切り替え
- 各画像の「代替テキスト」欄を一括で編集
プラグインの活用:
「SEO Friendly Images」や「Auto Alt Text」などのプラグインを使用することで、自動的にalt属性を生成・管理することも可能です。ただし、自動生成された内容は必ず確認・修正することをおすすめします。
その他CMSでの設定
Wix:
画像を選択→「設定」→「SEO(Google)」タブ→「代替テキスト」欄に入力
Shopify:
商品画像の場合:商品管理→画像→「代替テキスト」欄に入力
その他画像の場合:「ファイル」→該当画像→「代替テキスト」欄に入力
Squarespace:
画像ブロックを選択→「デザイン」タブ→「代替テキスト」欄に入力
alt属性設定の自動化と効率化
AIを活用した自動生成
最近では、AI技術を活用してalt属性を自動生成するサービスも登場しています。これらのサービスは、画像の内容を分析して適切な説明文を生成します。
ただし、AI生成の結果は必ず人間が確認・修正することが重要です。特に、専門的な内容や企業固有の情報が含まれる画像では、手動での調整が必要になります。
開発者向けの自動化ツール
Web開発者の場合、以下のようなツールを活用することで、alt属性の設定を効率化できます:
- Lighthouse: Googleが提供する監査ツール。alt属性の不備を自動で検出
- axe-core: アクセシビリティテストツール。alt属性の適切性を評価
- Pa11y: コマンドラインから実行できるアクセシビリティテストツール
よくある間違いと対処法
alt属性とtitle属性の混同
よくある間違いとして、alt属性とtitle属性を混同してしまうケースがあります。この2つは似ているようで、実は全く異なる役割を持っています。
alt属性: 画像の代替テキスト(画像が表示されない場合に表示)
title属性: 補足情報(マウスホバー時にツールチップで表示)
混同を避けるため、それぞれの役割を明確に理解しておきましょう。
過度な最適化
SEO効果を期待しすぎて、alt属性にキーワードを詰め込みすぎる間違いも多く見られます。これは逆効果になる可能性があります。
悪い例:
<img src="coffee.jpg" alt="コーヒー 珈琲 coffee カフェ 喫茶店 ドリンク 飲み物 カフェイン 美味しい おしゃれ">
良い例:
<img src="coffee.jpg" alt="白いカップに入ったコーヒーとクッキー">
自然で分かりやすい説明を心がけることが重要です。
alt属性設定のチェックリスト
最後に、alt属性を設定する際のチェックリストをご紹介します。これらの項目を確認することで、適切なalt属性の設定が可能になります。
基本チェック項目
- □ すべての画像にalt属性が設定されているか
- □ 装飾画像は適切に「alt=””」が設定されているか
- □ 画像の内容が具体的に説明されているか
- □ キーワードの詰め込みすぎになっていないか
- □ 自然な文章で記述されているか
SEO観点のチェック項目
- □ 重要なキーワードが適切に含まれているか
- □ 画像とコンテンツの関連性が明確か
- □ 画像リンクのalt属性がリンク先を適切に説明しているか
- □ 重複したalt属性がないか
アクセシビリティ観点のチェック項目
- □ スクリーンリーダーで読み上げても理解できる内容か
- □ 画像なしでも情報が伝わる説明になっているか
- □ 不要な「画像」「写真」などの表現が含まれていないか
まとめ:alt属性を活用したWebサイト最適化
「画像要素にalt属性が指定されていません」というエラーは、単なる技術的な問題ではありません。適切なalt属性の設定は、SEO効果の向上、アクセシビリティの改善、そしてユーザーエクスペリエンスの向上に直結する重要な要素です。
特に、これからWebサイトを成長させていきたい企業や個人の方にとって、基本的なSEO対策としてalt属性の設定は欠かせません。今回ご紹介した方法を参考に、ぜひ自分のサイトの画像を見直してみてください。
また、画像の最適化と併せて、サイト全体の表示速度改善も重要です。高速で使いやすいWebサイトを構築したい方は、LandingHubのような専門的なサービスの活用も検討してみてください。プロフェッショナルなサポートにより、より効果的なWebサイト運営が可能になります。