「Largest Contentful Paint の画像が遅延読み込みされています」と表示された場合の改善策・対策は？

Webサイトの表示速度改善に取り組んでいる方なら、「Largest Contentful Paint の画像が遅延読み込みされています」という警告を一度は見たことがあるはずです。この警告は、サイトのパフォーマンスを測定するLighthouseやPageSpeed Insightsでよく表示される項目で、多くのWebサイト運営者を悩ませています。

この記事では、この警告の意味から具体的な改善方法まで、初心者の方でも理解しやすいよう詳しく解説していきます。特に、サイトの表示速度向上に深く関わるこの問題について、実践的な解決策を中心にお伝えします。

Largest Contentful Paint（LCP）とは何か

まず、「Largest Contentful Paint の画像が遅延読み込みされています」という警告を理解するために、Largest Contentful Paint（LCP）について説明しましょう。

LCPは、ページの読み込みを開始してから、最も大きなコンテンツ要素（通常は画像やテキストブロック）がビューポート内に表示されるまでの時間を測定する指標です。これは、Googleが重要視するCore Web Vitalsの一つで、ユーザーがページの主要コンテンツを実際に見ることができるまでの時間を表します。

LCPの対象となる要素

LCPの計算対象となる要素は以下の通りです：

画像要素（<img>タグ）
背景画像を持つ要素（CSS url()関数で読み込まれたもの）
テキストブロック要素
動画要素（<video>タグ）

多くの場合、ヒーロー画像やメインビジュアルといった大きな画像がLCP要素となることが多いですね。

理想的なLCPの数値

Googleが定める理想的なLCPの数値は以下の通りです：

良好： 2.5秒未満
改善が必要： 2.5秒～4.0秒
悪い： 4.0秒以上

「Largest Contentful Paint の画像が遅延読み込みされています」の意味

この警告が表示される理由は、実は少し複雑です。近年のWebサイトでは、ページの読み込み速度を向上させるために「遅延読み込み（Lazy Loading）」という技術が広く使われています。

遅延読み込みの仕組み

遅延読み込みは、画像が実際に表示される必要がある時まで読み込みを遅らせる技術です。具体的には、ユーザーがスクロールして画像が見える範囲に来るまで、画像の読み込みを行わないようにします。これにより、初期のページ読み込み速度を大幅に改善できます。

HTMLでは、以下のような記述で遅延読み込みを実装できます：

<img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明">

問題が発生する理由

しかし、ここで問題が発生します。LCP要素（通常はファーストビューに表示される最も大きなコンテンツ）に対して遅延読み込みを適用すると、本来すぐに表示されるべき重要なコンテンツが遅れて表示されることになります。

つまり、「全体的な表示速度を上げるための技術」が、「最も重要な要素の表示」を遅らせてしまうという矛盾が起きているのです。これがLighthouseが警告を出す理由なんですね。

なぜこの問題が発生するのか

WordPressテーマやテンプレートの自動設定

多くのWordPressテーマやブログテンプレートでは、サイト全体の表示速度を向上させるために、すべての画像に自動的に遅延読み込みを適用しています。これは一般的には良い設定なのですが、ファーストビューの重要な画像にまで適用されてしまうことで、LCPの警告が発生します。

プラグインによる一律適用

画像最適化プラグインなども、設定によってはすべての画像に遅延読み込みを適用することがあります。これも同様の問題を引き起こす原因となります。

具体的な改善方法

それでは、この問題を解決する具体的な方法を見ていきましょう。

1. JavaScriptを使用した解決方法

最も効果的で汎用性の高い解決方法は、JavaScriptを使用してファーストビューの最初の画像のみ遅延読み込みを無効にすることです。

<script>
window.addEventListener('DOMContentLoaded', function() {
    // ページ内の最初のloading="lazy"属性を持つimg要素を取得
    var firstLazyImage = document.querySelector('img[loading="lazy"]');
    
    if (firstLazyImage) {
        // 最初の画像のloading属性をeagerに変更
        firstLazyImage.setAttribute('loading', 'eager');
    }
});
</script>

このコードを、サイトのテンプレートの</body>タグの直前に追加することで、ファーストビューの最初の画像のみ即座に読み込まれるようになります。

2. HTMLの直接編集による解決

LCP要素となる画像が特定できている場合は、そのimg要素のloading属性を直接変更する方法もあります：

<!-- 遅延読み込みを適用しない（即座に読み込む） -->
<img src="hero-image.jpg" loading="eager" alt="ヒーロー画像">

<!-- または loading 属性を省略（デフォルトでeager） -->
<img src="hero-image.jpg" alt="ヒーロー画像">

3. CSSを使用した最適化

画像の読み込みをさらに最適化するために、CSSのprefetchやpreloadを活用することも有効です：

<!-- HTMLの<head>内に記述 -->
<link rel="preload" href="hero-image.jpg" as="image">

この設定により、重要な画像を優先的に読み込むことができます。

4. WordPressでの対応方法

WordPressをご利用の場合は、以下のような方法で対応できます：

functions.phpでの対応

function optimize_lcp_images() {
    ?>
    <script>
    document.addEventListener('DOMContentLoaded', function() {
        var firstLazyImage = document.querySelector('img[loading="lazy"]');
        if (firstLazyImage) {
            firstLazyImage.setAttribute('loading', 'eager');
        }
    });
    </script>
    <?php
}
add_action('wp_footer', 'optimize_lcp_images');

プラグインでの対応

一部のパフォーマンス最適化プラグインでは、LCP画像の遅延読み込みを自動的に除外する機能を提供しています。WP RocketやPerfmattersなどのプラグインでは、このような設定が可能です。

画像最適化の重要性

遅延読み込みの設定を調整するだけでなく、画像自体の最適化も重要です。

画像ファイルサイズの最適化

LCP要素となる画像のファイルサイズを20～30KB程度に抑えることで、遅延読み込みの警告を回避できる場合があります。これは、画像の読み込み時間が短縮されることで、遅延読み込みの影響が小さくなるためです。

次世代フォーマットの活用

WebPやAVIFなどの次世代画像フォーマットを使用することで、画質を保ちながらファイルサイズを大幅に削減できます。

適切なサイズでの配信

デバイスの画面サイズに応じて、適切なサイズの画像を配信することも重要です。responsive imagesの実装により、モバイル端末には小さな画像を、デスクトップには大きな画像を配信できます。

サーバーサイドでの最適化

画像の最適化だけでなく、サーバーサイドでの最適化も重要です。

CDNの活用

CDN（Content Delivery Network）を使用することで、世界中のユーザーに高速で画像を配信できます。特に、画像最適化機能を持つCDNを選択することで、自動的に最適化された画像を配信できます。

キャッシュの設定

適切なキャッシュ設定により、一度読み込まれた画像は次回以降高速に表示されます。

Gzip/Brotli圧縮

サーバーレベルでの圧縮設定により、全体的な読み込み速度を向上させることができます。

LandingHubを活用した表示速度改善

ここで、表示速度の改善について一つご提案があります。LandingHubは、高速表示に特化したランディングページ作成サービスです。

LandingHubの特徴：

最初から表示速度を重視した設計
画像最適化機能の標準搭載
CDNによる高速配信
モバイルフレンドリーな設計

特に、LCPの最適化については、システム側で自動的に処理されるため、今回のような「遅延読み込みの警告」に悩まされることなく、高速なランディングページを作成できます。

測定と検証の方法

改善施策を実施した後は、必ず効果を測定することが重要です。

PageSpeed Insightsでの測定

Googleが提供するPageSpeed Insightsは、LCPの数値を測定するのに最適なツールです。モバイルとデスクトップの両方で測定し、継続的に改善状況を確認しましょう。

Lighthouse での検証

Chrome DevToolsのLighthouse機能を使用することで、より詳細な分析が可能です。実際にどの要素がLCPとなっているかも確認できます。

Google Search Consoleの活用

Google Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」では、サイト全体のLCPの状況を確認できます。どのページに問題があるかを特定するのに役立ちます。

よくある問題と解決策

改善したのに別の警告が出る場合

遅延読み込みの警告を解決したものの、今度は「最大コンテンツの描画」で別の警告が出ることがあります。これは、Lighthouseの検証アルゴリズムが非常に厳しいためで、完璧なスコアを目指すよりも、実際のユーザー体験の向上を重視することが大切です。

複数の画像が同時にLCP要素となる場合

デバイスによって異なる画像がLCP要素となる場合は、メディアクエリを使用して、それぞれに適した最適化を行う必要があります。

動的コンテンツでの対応

JavaScriptで動的に生成されるコンテンツの場合は、コンテンツの生成後にLCP最適化のスクリプトを実行するようにタイミングを調整する必要があります。

将来を見据えた対策

新しい技術の活用

Web技術は日々進化しており、新しい最適化手法も続々と登場しています。Service WorkerやWebAssemblyなどの技術を活用することで、さらなる高速化が期待できます。

継続的な監視と改善

Webサイトの表示速度は、コンテンツの追加やシステムの変更によって変化します。定期的な監視と継続的な改善が重要です。

まとめ

「Largest Contentful Paint の画像が遅延読み込みされています」という警告は、一見すると複雑な問題のように見えますが、適切な知識と対策により確実に改善できます。

重要なポイントをまとめると：

ファーストビューの重要な画像には遅延読み込みを適用しない
JavaScriptを使用した自動化により、効率的に対応できる
画像最適化と合わせて総合的にアプローチする
定期的な測定と改善を継続する

表示速度の改善は、ユーザー体験の向上だけでなく、SEOにも大きく影響します。今回ご紹介した方法を参考に、ぜひサイトの高速化に取り組んでみてください。

もし、これらの技術的な対応が難しい場合は、LandingHubのような、最初から高速化に特化したプラットフォームの活用も検討してみてください。技術的な複雑さを気にすることなく、高速なWebサイトを作成できるでしょう。

Webサイトの表示速度改善は、継続的な取り組みが重要です。今回の内容を参考に、ユーザーにとって快適なWebサイトを作り上げていってくださいね。