First Contentful Paint(FCP)とは?仕組みから改善方法まで徹底解説

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First Contentful Paint(FCP)とは

First Contentful Paint(FCP)とは、ユーザーがページにアクセスしてから、ページ内の最初のコンテンツが画面に表示されるまでの時間を測定するWeb パフォーマンス指標の一つです。

これは、ユーザーが「あ、このページが読み込まれ始めた」と実際に感じる瞬間を数値化したものなんです。つまり、真っ白な画面から何かしらのコンテンツが表示される「最初の一歩」の時間を測っているということですね。

FCPは、GoogleのCore Web Vitalsの一部として、ユーザーエクスペリエンスの向上とSEOの観点から重要視されている指標です。特に、ユーザーが感じる「ページの読み込みの早さ」に直結する指標として、Webサイトの改善において欠かせない要素となっています。

FCPとLCPの違い

よく混同されがちなのが、FCPとLCP(Largest Contentful Paint)の違いです。簡単に説明すると:

  • FCP(First Contentful Paint):最初のコンテンツが表示されるまでの時間
  • LCP(Largest Contentful Paint):メインコンテンツ(最大の要素)が表示されるまでの時間

FCPはページの「読み込み開始」を、LCPはページの「実用的な表示完了」を測定していると考えると分かりやすいでしょう。

FCPの仕組み

FCPの計測対象となる要素

FCPが計測対象とする「コンテンツ」は、以下の要素が含まれます:

  • テキスト:あらゆるテキストコンテンツ(フォントが読み込まれていない場合も含む)
  • 画像:<img>タグで表示される画像
  • SVG要素:<svg>タグ内の要素
  • 背景画像以外の要素:CSSの背景画像は対象外
  • キャンバス要素:<canvas>タグの内容

重要なのは、これらの要素が「視覚的に認識できる状態」になった時点でFCPが記録されるということです。

FCPの測定タイミング

FCPは、次のような流れで測定されます:

  1. ユーザーがページのURLをクリックまたは入力
  2. ブラウザがHTMLの解析を開始
  3. DOM(Document Object Model)の構築が進む
  4. 最初のコンテンツが画面に描画される
  5. この時点でFCPが記録される

このプロセスでは、CSS の読み込みやJavaScriptの実行が大きく影響します。特に、レンダリングをブロックするリソースがあると、FCPの時間が長くなってしまいます。

FCPの理想的な時間

Googleが定めるFCPの評価基準は以下のとおりです:

  • 良好(Good):1.8秒以内
  • 改善が必要(Needs Improvement):1.8秒〜3.0秒
  • 不良(Poor):3.0秒以上

これは、ユーザーが「ページが読み込まれている」ことを感じるまでの時間として、心理的に許容できる範囲を基準にしています。

FCPの改善方法

FCPを改善するためには、ページの初期表示に影響する要素を最適化する必要があります。ここでは、具体的な改善方法を詳しく解説します。

1. レンダリングブロックリソースの最適化

最も効果的なFCP改善方法の一つが、レンダリングをブロックするリソースの最適化です。

CSSの最適化

CSSは通常、HTMLの<head>セクションで読み込まれ、レンダリングをブロックします。以下の方法で改善できます:

  • 重要なCSSのインライン化:Above the fold(ファーストビュー)に必要なCSSを<style>タグ内に直接記述
  • 非重要CSSの遅延読み込み:ファーストビューに不要なCSSを後から読み込む
  • CSSファイルの圧縮:不要な空白やコメントを削除してファイルサイズを縮小
  • 未使用CSSの削除:実際に使用していないCSSルールを削除

JavaScriptの最適化

JavaScriptもレンダリングをブロックする主要な要因です:

  • async属性の使用:<script async>でスクリプトを非同期読み込み
  • defer属性の使用:<script defer>でDOMの解析完了後に実行
  • 不要なJavaScriptの削除:使用していないライブラリやコードを削除
  • JavaScriptファイルの圧縮と最小化:ファイルサイズを可能な限り小さく

2. サーバー応答時間の改善

サーバーからの応答時間(TTFB:Time To First Byte)も FCPに大きく影響します。

サーバー側の最適化

  • 高性能サーバーの選択:処理能力の高いサーバーへの移行
  • データベースの最適化:クエリの最適化やインデックスの追加
  • サーバーキャッシュの活用:頻繁にアクセスされるデータをキャッシュ
  • CDNの活用:地理的に近いサーバーからコンテンツを配信

ネットワーク最適化

  • HTTP/2の活用:複数のリクエストを並列処理
  • 圧縮技術の活用:Gzip や Brotli でファイルサイズを削減
  • プリロードの活用:重要なリソースを事前に読み込み

3. フォントの最適化

カスタムフォントは FCP に大きな影響を与える可能性があります。

フォント読み込みの最適化

  • font-display: swapの使用:システムフォントで一時表示し、カスタムフォントが読み込まれたら切り替え
  • フォントのプリロード:<link rel=”preload”>で重要なフォントを事前読み込み
  • フォントファイルの最適化:WOFF2形式の使用やサブセット化
  • フォントフォールバックの設定:カスタムフォントが読み込まれない場合の代替フォント指定

4. 画像の最適化

画像はページの大部分を占めることが多く、FCP改善において重要な要素です。

画像フォーマットの最適化

  • WebP形式の使用:従来のJPEGやPNGより高い圧縮率を実現
  • AVIF形式の活用:WebPよりもさらに高い圧縮率(対応ブラウザでのみ)
  • 適切なファイル形式の選択:写真はJPEG、イラストはPNG、アニメーションはGIF

画像サイズの最適化

  • レスポンシブ画像の実装:デバイスに応じた適切なサイズの画像を配信
  • 画像の圧縮:品質を保ちながらファイルサイズを削減
  • 遅延読み込み:ファーストビューに不要な画像の読み込みを遅延

5. 技術的な最適化手法

プリロードとプリフェッチの活用

  • preload:現在のページで必要なリソースを優先的に読み込み
  • prefetch:次のページで使用される可能性のあるリソースを事前読み込み
  • preconnect:外部ドメインへの接続を事前に確立

リソースの最適化

  • HTTPリクエストの削減:ファイルの統合やインライン化
  • キャッシュの活用:ブラウザキャッシュの適切な設定
  • 不要なリソースの削除:使用していないCSS、JavaScript、画像の削除

LandingHubでのFCP最適化

ランディングページ制作において、FCPの最適化は非常に重要です。LandingHubでは、以下の点に特に注意してFCPの改善を図っています:

  • 軽量なコード設計:必要最小限のCSS・JavaScriptでページを構築
  • 画像の最適化:WebP形式での配信と適切な圧縮
  • CDN活用:世界中のユーザーに高速でコンテンツを配信
  • サーバーレスポンス最適化:高速サーバーでのホスティング

これらの最適化により、LandingHubで制作されたランディングページは、優れたFCPスコアを実現し、ユーザーの離脱率を大幅に削減することができます。

FCPの測定ツール

FCPを正確に測定し、改善効果を確認するためには、適切なツールを使用することが重要です。

1. PageSpeed Insights

Googleが提供する無料ツールで、最も一般的に使用されています。

使用方法

  1. PageSpeed Insightsにアクセス
  2. 測定したいページのURLを入力
  3. 「分析」ボタンをクリック
  4. 結果画面でFCPのスコアを確認

PageSpeed Insightsの特徴

  • 実データと実験室データの両方を提供
  • 具体的な改善提案を表示
  • モバイルとデスクトップの両方をテスト可能
  • Core Web Vitalsの全指標を確認可能

2. Lighthouse

Chrome Developer Toolsに統合されているオープンソースツールです。

使用方法

  1. Chrome ブラウザで測定したいページを開く
  2. F12キーでDeveloper Toolsを開く
  3. 「Lighthouse」タブを選択
  4. 「Generate report」をクリック

Lighthouseの特徴

  • 詳細なパフォーマンス分析
  • アクセシビリティやSEOのスコアも同時に確認
  • カスタマイズ可能な測定条件
  • CI/CDパイプラインへの組み込みが可能

3. Web Vitals Chrome 拡張機能

リアルタイムでWeb Vitalsを監視できる便利な拡張機能です。

特徴

  • リアルタイム監視
  • シンプルで使いやすいインターフェース
  • 全Core Web Vitals指標を表示
  • ページを開くだけで自動測定

4. GTmetrix

詳細なパフォーマンス分析を提供するサードパーティツールです。

特徴

  • 詳細なウォーターフォール分析
  • 複数の地域からのテスト
  • 履歴管理機能
  • 比較機能

5. WebPageTest

高度なカスタマイズが可能なパフォーマンステストツールです。

特徴

  • 複数回実行による平均値取得
  • 多様なブラウザとデバイスでのテスト
  • ネットワーク条件の細かい設定
  • 詳細なフィルムストリップ表示

FCPとSEOの関係

FCPは、Googleの検索順位決定要因の一つであるCore Web Vitalsに含まれる重要な指標です。

ページエクスペリエンスアルゴリズム

2021年6月、Googleは「ページエクスペリエンスアルゴリズム」を導入しました。このアルゴリズムでは、以下の要素が評価されます:

  • Core Web Vitals(LCP、FID、CLS)
  • モバイルフレンドリー
  • セーフブラウジング
  • HTTPS
  • 押し付けがましいインタースティシャルがないこと

FCPは直接的にはCore Web Vitalsに含まれませんが、LCP(Largest Contentful Paint)と密接に関連しており、間接的にSEOに影響を与えます。

ユーザーエクスペリエンスとSEO

FCPの改善は、以下のようにSEOに好影響を与えます:

  • 直帰率の低下:ページの読み込みが速いと、ユーザーが離脱しにくくなる
  • 滞在時間の向上:快適な閲覧体験により、ユーザーがページに長く滞在
  • コンバージョン率の向上:ユーザーが求める情報に素早くアクセス可能
  • モバイルSEOの改善:特にモバイル環境での表示速度向上

FCPの改善事例

事例1:ECサイトでのFCP改善

あるECサイトでは、以下の改善により FCPを3.2秒から1.5秒に短縮しました:

  • 画像の最適化:WebP形式への変換で40%のファイルサイズ削減
  • Critical CSSの実装:ファーストビューに必要なCSSのインライン化
  • JavaScriptの最適化:不要なライブラリの削除と遅延読み込み
  • CDNの導入:世界中のユーザーに高速でコンテンツを配信

結果として、コンバージョン率が15%向上し、直帰率が20%改善しました。

事例2:ニュースサイトでのFCP改善

あるニュースサイトでは、以下の改善により FCPを2.8秒から1.2秒に短縮:

  • AMP(Accelerated Mobile Pages)の導入:モバイル環境での高速表示
  • フォント最適化:font-display: swapの使用でテキストの即座表示
  • サーバーサイドレンダリング:初期表示の高速化
  • 画像遅延読み込み:ファーストビュー外の画像読み込みを遅延

この改善により、ページビューが30%増加し、ユーザーの滞在時間が大幅に向上しました。

モバイルでのFCP最適化

モバイル環境では、デスクトップ以上にFCPの最適化が重要です。

モバイル特有の課題

  • ネットワーク速度の制限:3G/4G環境での読み込み速度
  • デバイスの処理能力:低スペック端末での表示速度
  • バッテリーの消費:効率的な処理による電池消費の抑制
  • 画面サイズの制限:小さな画面での効果的な表示

モバイル最適化の手法

  • レスポンシブ画像の実装:デバイスに応じた画像サイズの配信
  • タッチ操作の最適化:タップ可能な要素の適切なサイズ設定
  • Progressive Web App(PWA)の活用:アプリライクな体験の提供
  • Service Workerの活用:オフライン機能とキャッシュ最適化

FCP改善のベストプラクティス

継続的な監視と改善

FCPの改善は一度行って終わりではありません。継続的な監視と改善が必要です:

  • 定期的な測定:月次または週次での FCP測定
  • A/Bテスト:改善施策の効果測定
  • リアルユーザーモニタリング(RUM):実際のユーザー体験の測定
  • 競合分析:競合他社との比較分析

チーム全体での取り組み

FCPの改善は技術的な施策だけでなく、チーム全体での取り組みが重要です:

  • デザイナー:軽量なデザインの心がけ
  • 開発者:効率的なコードの実装
  • コンテンツ担当者:適切な画像サイズと形式の選択
  • マーケター:ユーザー体験を重視したコンテンツ設計

まとめ

First Contentful Paint(FCP)は、ユーザーがページにアクセスしてから最初のコンテンツが表示されるまでの時間を測定する重要な指標です。FCPの改善は、ユーザーエクスペリエンスの向上だけでなく、SEOの観点からも非常に重要です。

FCPを改善するためには、以下の点を重点的に取り組む必要があります:

  • レンダリングブロックリソースの最適化
  • サーバー応答時間の改善
  • フォントの最適化
  • 画像の最適化
  • 技術的な最適化手法の実装

これらの改善を継続的に行うことで、ユーザーにとって快適な Webサイトを提供し、ビジネスの成果につなげることができます。

もし、あなたのWebサイトやランディングページでFCPの改善でお困りの場合は、LandingHubにぜひご相談ください。豊富な経験と専門知識を活かして、最適なソリューションを提供いたします。表示速度の改善は、単なる技術的な問題ではなく、ユーザーとのファーストコンタクトを成功させるための重要な要素なのです。

FCPの改善は、技術的な専門知識が必要な場合もありますが、基本的な概念を理解し、適切なツールを使用することで、誰でも取り組むことができます。ユーザーの満足度向上と、ビジネスの成功のために、ぜひFCPの改善に取り組んでみてください。

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