Webサイトの表示速度を改善したいけれど、どこから手をつけていいかわからない。そんなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
表示速度の改善を語る上で、まず理解しておきたいのが「Time to First Byte(TTFB)」という指標です。この指標は、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから、サーバーが最初のデータを返すまでの時間を測定するもので、サイトの表示速度全体に大きな影響を与えます。
本記事では、LandingHub(https://www.landinghub.net/)の担当者として、TTFBの基本的な概念から改善方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。表示速度の改善は技術的な話になりがちですが、実際にはちょっとしたコツを知っているだけで大幅な改善が期待できるんです。
目次
TTFBとは何か?
Time to First Byte(TTFB)は、文字通り「最初の1バイトを受信するまでの時間」を意味します。もう少し詳しく説明すると、ユーザーがWebページにアクセスしてから、サーバーがそのリクエストに対してデータの最初の1バイトを返すまでにかかる時間のことです。
これは、Webサイトのパフォーマンスを測定する重要な指標の一つで、特にサーバーの応答性を示しています。TTFBが短いほど、サーバーの応答が速く、結果的にページの表示速度が向上します。
TTFBの重要性
なぜTTFBが重要なのでしょうか?それは、TTFBがページの表示速度全体に影響を与えるからです。
Googleの見解によると、TTFBはCore Web Vitals指標ではないものの、FCP(First Contentful Paint)やLCP(Largest Contentful Paint)といった重要な指標に影響を与えます。つまり、TTFBが改善されることで、これらの指標も同時に改善される可能性があるということです。
また、ページの表示速度が遅いと直帰率の増加につながることも知られています。ユーザーは待つことを嫌い、数秒の遅延でもサイトから離れてしまう可能性があります。
TTFBの目安となる数値
TTFBの評価基準は以下のようになっています:
- 0.8秒以下:良好
- 0.8秒~1.8秒:改善が必要
- 1.8秒より長い:不良
一般的に、TTFBが100ミリ秒未満であれば非常に優秀とされています。Google PageSpeed Insightsでは、サーバーの応答時間を200ミリ秒未満にすることを推奨しています。300~500ミリ秒は標準的な範囲ですが、600ミリ秒を超えている場合は、サーバー設定の見直しが必要かもしれません。
TTFBの仕組み
TTFBを理解するためには、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから最初のデータが返されるまでの流れを知る必要があります。この流れは大きく3つのステップに分けられます。
1. サーバーへのリクエスト
ユーザーがWebサイトにアクセスすると、ブラウザからサーバーにHTTPリクエストが送信されます。このステップでは、以下の処理が行われます:
- DNSルックアップ:ドメイン名をIPアドレスに変換
- TCP接続:サーバーとの接続を確立
- SSL/TLSネゴシエーション:暗号化通信の設定(HTTPS通信の場合)
これらの処理にかかる時間は、サーバーの場所、DNSの応答速度、ネットワークの品質などに影響を受けます。
2. サーバーでの処理
サーバーがリクエストを受信すると、そのリクエストを処理してレスポンスを生成します。この段階では、以下の処理が行われます:
- データベースへのアクセス:必要なデータの取得
- サーバーサイドスクリプトの実行:PHPやJavaScriptなどの処理
- HTMLの生成:レスポンスとして送信するHTMLの構築
- キャッシュの確認:既存のキャッシュデータの利用
サーバーの処理能力、データベースの最適化状況、コードの効率性などがこの段階の処理時間に影響します。
3. クライアントへのレスポンス
サーバーでの処理が完了すると、クライアント(ブラウザ)にレスポンスが送信されます。これが「最初の1バイト」となります。この段階では、サーバーとクライアントの両方のネットワーク速度が影響します。
興味深いことに、TTFBの測定には常にネットワークレイテンシが含まれています。これは、実際のWebサイトの利用環境を反映した、より実用的な指標といえるでしょう。
TTFBを測定する方法
TTFBを改善するためには、まず現在の状況を把握することが重要です。幸い、TTFBを測定するためのツールは数多く用意されています。
Google PageSpeed Insights
最も手軽にTTFBを確認できるのがGoogle PageSpeed Insightsです。URLを入力するだけで、サイトの速度を総合的に評価してくれます。
TTFBは「実際のユーザー環境で評価する」セクションで確認できます。このツールの良いところは、実際のユーザーデータに基づいた測定結果を提供してくれることです。
Chrome DevTools
より詳細な分析を行いたい場合は、Chrome DevToolsを使用することをお勧めします。以下の手順で確認できます:
- Chromeで対象のサイトを開く
- F12キーを押してDevToolsを開く
- 「Network」タブを選択
- ページを再読み込み
- 最初のリクエストを選択して「Timing」タブを確認
DevToolsでは、TTFBだけでなく、DNSルックアップ、接続時間、SSL時間なども個別に確認できるため、どの部分に問題があるかを特定しやすくなります。
その他の測定ツール
以下のような専門的な測定ツールも活用できます:
- WebPageTest:世界各地からのテストが可能
- Pingdom:「Wait」として表示される
- GTmetrix:総合的な速度分析
- KeyCDN Performance Test:複数地点からの同時測定
これらのツールを使い分けることで、より正確な現状把握ができます。
TTFBの改善方法
ここからは、実際にTTFBを改善するための具体的な方法をご紹介します。改善方法は大きく「ネットワークの最適化」と「サーバーの最適化」に分けられます。
ネットワークの最適化
1. 複数ページのリダイレクトを避ける
リダイレクトは便利な機能ですが、その分だけ通信回数が増えるため、TTFBが長くなる原因となります。
特に注意したいのがトレイリングスラッシュ(URLの最後のスラッシュ)です。例えば、「https://example.com/page」にアクセスしたときに「https://example.com/page/」にリダイレクトされる場合、この1回のリダイレクトだけで数百ミリ秒のロスが発生することがあります。
対策として、以下のことを心がけましょう:
- 不要なリダイレクトを削除する
- 複数回のリダイレクトは避ける
- URLの統一ルールを決めて徹底する
2. HTTP/2またはHTTP/3を使用する
HTTP/2は2015年にリリースされた新しい通信プロトコルで、従来のHTTP/1.1と比べて大幅な性能向上を実現しています。主な改善点は以下の通りです:
- リクエストの多重化
- ヘッダー圧縮
- サーバープッシュ
さらに最新のHTTP/3では、より高速な通信が可能になっています。多くのレンタルサーバーでこれらの新しいプロトコルがサポートされているので、設定を確認してみてください。
3. 外部リソースへの事前接続
WebページではJavaScriptやWebフォントなど、外部のリソースを読み込むことが多くあります。これらのリソースへの接続を事前に行うことで、実際にリソースが必要になったときの読み込み時間を短縮できます。
具体的には、HTMLの<head>セクションに以下のようなタグを追加します:
<link rel="preconnect" href="https://fonts.googleapis.com">
<link rel="dns-prefetch" href="https://analytics.google.com">
これにより、DNSルックアップやTCP接続を先行して行うことができます。
4. CDNの活用
CDN(Content Delivery Network)は、世界各地に分散したサーバーネットワークを利用して、ユーザーから最も近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みです。
CDNを利用することで、物理的な距離による遅延を大幅に削減できます。特に以下のような場合には効果的です:
- 海外からのアクセスが多い
- 画像や動画などのメディアファイルが多い
- アクセス集中時の負荷分散が必要
サーバーの最適化
1. 高速なサーバーの選択
サーバーの選択は、TTFBに最も大きな影響を与える要因の一つです。共用サーバーと専用サーバーでは、TTFBに大きな違いが出ることがあります。
サーバー選択時のポイント:
- SSDの使用
- 十分なメモリ容量
- 高速なCPU
- 最新のサーバーソフトウェア
- 国内データセンターの利用
LandingHub(https://www.landinghub.net/)のような最適化サービスを導入することで、既存のサーバーでも大幅な改善が期待できます。
2. キャッシュの活用
キャッシュは、一度生成したデータを一時的に保存しておく仕組みです。同じデータが再度必要になったときに、保存済みのデータを使用することで、処理時間を大幅に短縮できます。
キャッシュの種類:
- ブラウザキャッシュ:ユーザーのブラウザにデータを保存
- サーバーキャッシュ:サーバー側でHTMLを事前生成
- データベースキャッシュ:データベースクエリの結果を保存
- オブジェクトキャッシュ:プログラムの実行結果を保存
適切にキャッシュを設定することで、TTFBを90%以上改善できることもあります。
3. データベースの最適化
動的なWebサイトでは、データベースへのアクセスが処理時間の大部分を占めることがあります。データベースの最適化により、TTFBを大幅に改善できます。
主な最適化方法:
- インデックスの最適化:検索速度の向上
- クエリの最適化:不要な処理の削減
- 正規化の見直し:データ構造の最適化
- 接続プールの活用:接続オーバーヘッドの削減
4. プレミアムDNSの利用
DNS(Domain Name System)は、ドメイン名をIPアドレスに変換するシステムです。プレミアムDNSプロバイダーを利用することで、DNS解決時間を短縮できます。
プレミアムDNSの利点:
- 世界各地にサーバーを配置
- 高い可用性
- セキュリティ機能の充実
- 詳細な統計データ
代表的なプレミアムDNSサービスには、Amazon Route 53、Cloudflare DNS、Google Cloud DNSなどがあります。
5. PHPのバージョンアップ
WordPressなどのCMSを使用している場合、PHPのバージョンアップは簡単で効果的な改善方法です。
新しいバージョンのPHPでは、以下の改善が期待できます:
- 実行速度の向上
- メモリ使用量の削減
- セキュリティの強化
- 新機能の活用
WordPressの公式サイトでは、PHP7.4以上の使用が推奨されています。古いバージョンを使用している場合は、ぜひアップデートを検討してください。
LandingHubを活用した表示速度改善
これまで様々な改善方法をご紹介してきましたが、技術的な知識が必要だったり、実装に時間がかかったりするものも多くあります。
そこでおすすめしたいのが、LandingHub(https://www.landinghub.net/)です。LandingHubは、タグを1つ追加するだけで、Webサイトの表示速度を大幅に改善できるサービスです。
LandingHubの特徴
- 簡単導入:HTMLタグを1つ追加するだけ
- 自動最適化:画像や動画を自動的に最適化
- 特許技術:特許取得済みの技術を活用
- リアルタイム処理:複数のサーバーで負荷分散
LandingHubを導入することで、これまでご紹介したような技術的な知識がなくても、専門的な最適化を実現できます。実際に、導入企業では大幅なTTFB改善とCVR向上を実現しています。
改善効果を測定する方法
改善施策を実施した後は、その効果を測定することが重要です。継続的な改善を行うために、以下のような測定を定期的に実施することをお勧めします。
継続的な測定
- 週次測定:Google PageSpeed Insightsで定期チェック
- 月次測定:複数のツールで詳細分析
- 改善後測定:施策実施前後の比較
- 競合比較:同業他社との比較分析
改善効果の記録
改善効果を記録することで、どの施策が最も効果的だったかを把握できます。以下の項目を記録することをお勧めします:
- 改善前後のTTFB値
- 実施した施策の内容
- 改善にかかった時間とコスト
- 副次的な効果(CVR向上など)
よくある質問と回答
Q: TTFBとページ読み込み速度の違いは何ですか?
A: TTFBはサーバーの応答時間を測定する指標であり、ページ読み込み速度とは異なります。TTFBは応答性の測定値で、ページ全体の読み込み完了時間とは別物です。ただし、TTFBが改善されることで、ページ読み込み速度全体も向上することが期待できます。
Q: モバイルサイトでもTTFBは重要ですか?
A: はい、モバイルサイトでもTTFBは重要です。むしろ、モバイル環境では通信速度が不安定になることが多いため、サーバーの応答速度がより重要になります。モバイルファーストインデックスを採用しているGoogleにとっても、モバイルでの表示速度は重要な評価要素です。
Q: TTFBの改善にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 改善方法によって異なります。キャッシュの設定やCDNの導入などは比較的短時間で効果が現れますが、サーバーの変更やデータベースの最適化は時間がかかることがあります。LandingHubのようなサービスを利用すれば、タグの追加だけで即座に改善効果を得ることができます。
まとめ
TTFBは、Webサイトの表示速度を改善する上で非常に重要な指標です。サーバーの応答時間を示すこの指標を改善することで、FCP、LCP、CVRなど、様々な指標の改善が期待できます。
改善方法は多岐にわたりますが、重要なのは現状を正確に把握し、効果的な施策を優先度を付けて実施することです。技術的な知識が必要な改善もありますが、LandingHub(https://www.landinghub.net/)のようなサービスを活用することで、専門知識がなくても大幅な改善を実現できます。
表示速度の改善は、一度実施すれば終わりではありません。継続的な測定と改善を行うことで、ユーザーにとって快適なWebサイトを提供し続けることができます。
まずは現在のTTFBを測定することから始めて、できるところから改善に取り組んでみてください。きっと大きな効果を実感できるはずです。