TBTはSEOにどう影響する?SEOにも最適なTBTの対策も公開

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TBT(Total Blocking Time:合計ブロッキング時間)とは、ユーザーがWebページにアクセスしてから実際に操作が可能になるまでの「ブロックされている時間」の合計を測定する重要な指標です。

具体的には、First Contentful Paint(FCP:最初のコンテンツ表示)からTime to Interactive(TTI:操作可能時間)までの間で、メインスレッドが50ミリ秒以上ブロックされているタスクの合計時間を指します。PageSpeed Insightsなどのツールでミリ秒単位で計測され、200ミリ秒以下が良好、600ミリ秒を超えると不良と判定されます。

TBTはSEOにどのように影響するか?

影響項目詳細内容
ユーザーエクスペリエンスページの応答性とインタラクティブ性に直接影響
直帰率TBTが長いとユーザーがストレスを感じ離脱率が上昇
Core Web VitalsINP(Interaction to Next Paint)スコアに相関関係
検索順位間接的にSEOランキング要因として作用

ユーザーエクスペリエンスへの直接的影響

TBTの悪化は、ユーザーがボタンをクリックしてもページが反応しない、リンクをタップしても遷移しないといった状況を生み出します。

このような体験は、せっかくサイトに訪れたユーザーにとって大きなストレスとなり、サイトの使い勝手を著しく損ないます。特にモバイルユーザーにとっては、タッチ操作に対する即座の反応が期待されるため、TBTの悪化がより深刻な問題となります。

直帰率とコンバージョンへの影響

TBTが長い状況では、ユーザーは「サイトが重い」「反応が悪い」と感じ、他の競合サイトへ移動する可能性が高くなります。

これにより直帰率が上昇し、結果的にコンバージョン率の低下にもつながります。eコマースサイトの場合、商品ページでの操作遅延は直接的に売上機会の損失となるため、特に注意が必要です。

Core Web VitalsのINPとの相関関係

2024年3月にFID(First Input Delay)から変更されたINP(Interaction to Next Paint)は、ユーザーのすべてのインタラクションに対する応答速度を測定します。

TBTはこのINPスコアと強い相関関係にあり、TBTの改善がそのままINPの向上につながります。Core Web Vitalsは検索ランキング要因の一つであるため、TBTの最適化は間接的にSEO効果をもたらします。

検索順位への間接的影響

Googleは公式に「優れたページエクスペリエンスが関連性の高い優れたコンテンツに勝ることはない」と発表していますが、同レベルのコンテンツを提供する競合サイトが複数ある場合、TBTを含むページエクスペリエンスが順位決定の重要な要因となります。

特に競争の激しいキーワードでは、技術的なSEO要素としてTBTの最適化が差別化要因となる可能性があります。

SEOにも最適なTBTの対策

対策項目効果レベル
JavaScript最適化
サードパーティスクリプト削減
HTML軽量化
メインスレッド負荷軽減
ネットワークリクエスト最適化

JavaScript最適化による根本改善

JavaScriptの最適化は、TBT改善において最も効果的な手法の一つです。まず、使用していないJavaScriptコードの削除から始めましょう。多くのサイトでは、過去の機能追加の際に導入されたものの、現在は使用されていないスクリプトが残っている場合があります。これらの不要なコードを特定・削除することで、ブラウザの処理負荷を大幅に軽減できます。

また、JavaScriptの非同期読み込み(async属性)や遅延読み込み(defer属性)を適切に設定することで、メインスレッドのブロック時間を短縮できます。特に初回表示に必要のないスクリプトについては、ユーザーの操作が発生した際に動的に読み込む手法も有効です。

サードパーティスクリプトの戦略的削減

Google Analytics、Facebook Pixel、Twitter埋め込みウィジェット、チャットボットなど、現代のWebサイトには多数のサードパーティスクリプトが導入されています。これらのスクリプトは外部サーバーからの読み込みが必要なため、TBTの悪化要因となりやすいのが特徴です。

対策としては、まず現在使用中のサードパーティツールを全て洗い出し、それぞれの必要性を再評価することが重要です。使用頻度の低いツールや効果測定が困難なツールについては、思い切って削除することをお勧めします。必要なツールについても、遅延読み込みや条件付き読み込みを設定し、初回表示に与える影響を最小限に抑えましょう。

HTML構造の軽量化とDOM最適化

HTMLの階層構造が深すぎる場合や、DOMエレメント数が過大な場合、ブラウザの描画処理に時間がかかり、TBTの悪化につながります。PageSpeed Insightsで「過大なDOMサイズの回避」という警告が表示される場合は、HTML構造の見直しが必要です。

具体的には、不要なdivタグの削除、CSS GridやFlexboxを活用したシンプルなレイアウト設計、コンテンツの要素数削減などが効果的です。特にモバイルページでは、PC版とは異なるシンプルなHTML構造を採用することで、大幅なTBT改善を実現できます。

メインスレッド処理の分散と軽減

メインスレッドで長時間実行されるタスクを分割することで、TBTを効果的に改善できます。Web Workerを活用して、重い計算処理やデータ処理をメインスレッドから分離する手法が特に有効です。また、requestIdleCallbackやsetTimeoutを使用して、処理を細切れにし、ブラウザに他の処理を実行する余裕を与えることも重要です。

さらに、CSSの最適化も見逃せません。クリティカルCSS(初回表示に必要なスタイル)をHTML内にインライン化し、非クリティカルCSSを遅延読み込みすることで、初回描画までの時間を短縮できます。

ネットワークリクエストの最適化

画像、CSS、JavaScriptファイルなどのリソースを1つのファイルに結合し、HTTPリクエスト数を削減することで、TBTの改善につながります。また、CDN(Content Delivery Network)の活用により、静的リソースの配信速度を向上させることも効果的です。

画像については、次世代フォーマット(WebP、AVIF)の採用や適切な圧縮設定により、転送データ量を大幅に削減できます。特にファーストビューに表示される画像については、preloadタグを使用した優先読み込み設定も検討しましょう。

まとめ

TBTの改善は、単なる技術的な数値向上にとどまらず、ユーザーエクスペリエンスの根本的な改善とSEO効果の両方をもたらす重要な施策です。特に競争の激しい業界や検索結果において、同レベルのコンテンツを提供する競合が多い場合には、TBTをはじめとするCore Web Vitalsの最適化が差別化要因として機能します。

JavaScript最適化、サードパーティスクリプトの削減、HTML軽量化、メインスレッド負荷軽減といった具体的な対策を段階的に実施することで、確実にTBTスコアを改善できます。重要なのは、これらの施策を一度に実施するのではなく、現在のサイト状況を適切に分析し、最も効果の高い改善策から優先的に取り組むことです。

弊社LandingHubでは、このようなページスピード改善に関する専門的なサポートを提供しております。TBTの診断から具体的な改善実装まで、技術的な知識が必要な部分についても包括的にサポートいたします。サイトのパフォーマンス向上をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

最終的に、TBT改善は短期的な技術対応ではなく、長期的なサイト運営戦略の一環として捉えることが重要です。ユーザーファーストの視点を持ちながら、継続的な監視と改善を行うことで、SEO効果とユーザー満足度の両方を向上させることができるでしょう。

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