要点: 『無効な構成』は、スイッチコントロールで必須の操作が足りない状態です。まずはスイッチを追加し、移動と選択を割り当てます。レシピが干渉していれば一時停止します。
本記事はiOS/iPadOSの日本語UIを前提とします。対象はiOS 16/17/18系の画面名です。名称が異なる場合があります。
目次
先に結論:スイッチコントロール『無効な構成』の意味と今すぐ直す3手順
この警告は、使える入力が無い時に出ます。特に次の項目と選択が欠けると発生します。今すぐ直したい方は下の3手順だけ実行します。
- 設定パスは設定>アクセシビリティ>スイッチコントロールです。
- 合格条件は「移動」と「選択」の両立です。
- レシピが上書きする場合があります。
『無効な構成』とは何か:不足している“必須アクション”の定義
定義は簡単です。実行に必要な操作が未設定です。移動系が無いとカーソルが進みません。決定系が無いと選択できません。どちらかが欠けると無効になります。
- 移動の例:次の項目へ、前の項目へ
- 決定の例:選択、長押しの実行
- 自動選択も決定手段の一つです。
最短で直す:3ステップ(スイッチ追加→アクション割当→競合解除)
まずは最短の復旧です。時間は約5分です。下の順で実施します。途中で止めても端末は使えます。
- スイッチを追加:設定>アクセシビリティ>スイッチコントロール>スイッチ>新しいスイッチを追加
- アクション割当:一つに「次の項目」。もう一つに「選択」。単一運用は自動選択を使います。
- レシピを一時オフ:スイッチコントロール>レシピ>使用中のレシピをオフ
原因を特定:よくある誤設定と検出条件(未登録・未割当・レシピ競合)
原因は大きく三つです。スイッチ未登録。必須アクション未割当。レシピの上書きです。以下で切り分けます。
- スイッチ数がゼロなら必ず発生します。
- 移動か選択の欠落でも出ます。
- レシピがグローバル設定を上書きします。
最低限必要な構成:移動と選択の2大アクションを入れる
合格ラインは明確です。移動と選択の両方が要ります。単一スイッチなら自動選択を有効にします。複数スイッチなら役割を分けます。
- 単一スイッチ:次の項目+自動選択
- 二つのスイッチ:一つは移動。一つは選択。
- ポイント運用はメニュー表示を有効にします。
スキャン方式の選び方:項目スキャンとポイントスキャンの違い
方式で必要な操作が変わります。項目は選択だけで進めます。ポイントは座標を決めます。初心者は項目を推奨します。
- 項目スキャン:リストから選ぶ感覚です。
- ポイントスキャン:十字線で点を指定します。
- 精度が欲しい時はポイントを使います。
手順(5分版):正しい初期設定のやり方
ここは最短の完成形です。迷いを減らすために画面名を強調します。終わりでテストします。
- スイッチ追加:スイッチ>新しいスイッチ>外部/画面/カメラ
- 割り当て:一つを「次の項目」。もう一つを「選択」。
- 自動スキャン:スイッチコントロール>スキャンスタイル>自動にします。
- 速度:自動スキャン時間を2.0〜3.0秒で開始します。
- テスト:カーソルが進み、選択が決まるか確認します。
スイッチの追加と割り当て:次の項目へ/選択(Select)を必ず設定
割り当てが肝です。移動と選択の組み合わせで成立します。英語UIではSelectです。表記差に注意します。
- スイッチ>新しいスイッチ>外部/画面/カメラ
- アクション>次の項目へ を割り当て
- もう一つに アクション>選択 を割り当て
スキャン関連の基本設定:自動スキャン開始・速度・メニュー表示
自動スキャンにすると単一でも運用できます。速度はゆっくりで始めます。メニューは表示を推奨します。
- スキャンスタイル>自動 を選択します。
- 自動スキャン時間は2.0〜3.0秒です。
- メニュー>常に表示 を有効にします。
外部スイッチが反応しない時:接続・HID・Bluetoothの確認ポイント
外部機器は接続層で止まることがあります。下の三点で切り分けます。順番が重要です。
- ペアリングの有無を確認します。
- HIDとして認識されているかを見ます。
- 干渉する機能を一時停止します。
Bluetooth/HIDチェック:ペアリング、入力テスト、干渉機能の停止
基本は三手順です。まずは登録。次に動作の確認。最後に干渉の排除です。順に進めます。
- 設定>Bluetooth で機器を接続します。
- スイッチ>新しいスイッチ で入力を検出します。
- AssistiveTouch等は一時オフにします。
有線・USBアダプタ利用時の注意:電源供給と互換性
有線は電力と相性の影響を受けます。セルフパワーの確認を行います。アダプタの仕様も確認します。
- 電源付きハブを使うと安定します。
- 公式対応のアダプタを使います。
- 別端末での再現も試します。
レシピが原因のとき:対象アプリ・優先順位・無効化のコツ
レシピは便利ですが、上書きします。選択が外れていると失敗します。まずは一時オフで検証します。
- 対象アプリの指定を確認します。
- 選択が入っているか見ます。
- 検証はレシピを切って行います。
レシピの基本:グローバル設定との関係と競合の見つけ方
レシピはアプリ内で優先します。グローバルを置き換える場合があります。症状が特定アプリのみなら要確認です。
- 対象アプリを明記します。
- アクション一覧で欠落を探します。
- 戻す時はレシピを無効にします。
一時的にレシピを無効化して検証する手順
無効化は安全です。切るだけで動作が戻ることがあります。下の順で行います。
- スイッチコントロール>レシピ
- 使用中のレシピ>オフ
- 項目スキャンで移動と選択を確認します。
操作不能になった時の緊急回復:オフに戻す安全な方法
誤設定で動かない時は退避します。安全な順番を固定します。焦らず実行します。
- アクセシビリティショートカットを優先します。
- Siriの音声でオフにします。
- 最後に強制再起動を使います。
アクセシビリティショートカット/Siri/強制再起動の優先順
推奨順は以下です。最初は副作用が少ない方法です。最後は最終手段です。
- サイドボタン3回でショートカット
- 「スイッチコントロールをオフ」でSiri
- 機種別の強制再起動を実行
iOS 16/17/18の画面差:設定パス・用語の違い早見表
画面名は少し変わります。迷いを防ぐために対比します。概念は同じです。
項目 | iOS 16/17 | iOS 18 | 備考 |
---|---|---|---|
設定パス | 設定>アクセシビリティ>スイッチコントロール | 同様 | 階層名は同一です |
選択 | 選択 | 選択 | 英語UIは Select |
次の項目 | 次の項目へ | 次の項目 | 表記差のみ |
日本語/英語UIの用語対訳(例:選択=Select)
混同を避けるための要点です。日本語と英語の対比を示します。
日本語 | 英語 |
---|---|
選択 | Select |
次の項目へ | Move to Next Item |
ポイントスキャン | Point Scanning |
項目スキャン | Item Scanning |
再発防止:チェックリストと設定バックアップの作り方
直った後が大事です。再発は防げます。チェックと保存で安定します。
- 移動と選択が必ずあること
- 自動スキャンと速度が適正であること
- レシピを切っても動くこと
- ショートカットで退避できること
“合格ライン”チェック:最低限の割り当てと動作テスト
ここを満たせば安心です。下の項目を順に見ます。合格なら保存へ進みます。
- 移動系と選択系が入っている
- 自動スキャンで選択が動く
- レシピなしでも同様に動く
- 外部スイッチで入力が取れる
設定バックアップ:スクショ位置・メモテンプレ・復元手順
設定は画像で残せます。復元は簡単です。共有にも便利です。
- スクショ箇所:スイッチ一覧、アクション一覧
- メモ:機器名、割り当て、速度値
- 復元:画像を見て同じに設定します。
レベル別の最適化:初心者/中級/上級でやることを分ける
到達目標を分けると失敗が減ります。段階に合わせて調整します。無理はしません。
- 初心者:単一スイッチ+自動選択
- 中級:二つのスイッチ+レシピ
- 上級:MDM配布と検証の手順化
初心者向け:単一スイッチ最小構成の型
最小で動かします。移動は自動化します。決定は自動選択です。
- スキャンスタイル>自動
- スイッチ:次の項目
- 自動選択をオン
中級向け:複数スイッチ+レシピで効率アップ
操作を分担します。メニューで速度を上げます。アプリ別に最適化します。
- スイッチA:次の項目
- スイッチB:選択
- レシピ:アプリ別に設定します。
上級向け:MDM配布・検証・ロールバック
組織運用は再現性が要です。配布前に検証を行います。戻せる形で管理します。
- プロファイルの差分を記録します。
- テスト端末で検証します。
- ロールバック手順を用意します。
FAQ:よくある質問と短答(80〜150字)
ここでは検索の疑問に短く答えます。設定パスも明記します。環境差がある点に注意します。
『無効な構成』の原因は何ですか?
必須操作の不足が原因です。移動か選択が欠けると発生します。設定>アクセシビリティ>スイッチコントロールでスイッチを追加し、次の項目と選択を割り当ててください。iOSの表記差に注意します。
今すぐ直す最短手順は?
三手順で直せます。スイッチを追加。次の項目と選択を割り当て。レシピを一時オフ。場所は設定>アクセシビリティ>スイッチコントロールです。単一運用は自動選択を使います。
必須アクションは何を設定すべき?
基本は移動と選択です。移動は次の項目。決定は選択です。単一なら自動選択を併用します。設定>アクセシビリティ>スイッチコントロール>アクションで確認します。
外部スイッチが認識されない時の対処法は?
まずBluetoothの接続確認です。次にスイッチ>新しいスイッチで入力検出を行います。AssistiveTouchなどの干渉を一時オフにし、再ペアリングも試します。機器の電池も確認します。
操作不能になった場合のオフ方法は?
サイドボタン三回のショートカットが最優先です。難しい場合はSiriに「スイッチコントロールをオフ」と伝えます。最終手段は機種別の強制再起動です。順番を守ると安全です。
レシピ設定で注意すべき点は?
レシピは上書きします。選択が抜けると失敗します。検証は一時オフで行い、対象アプリとアクションの有無を確認します。設定>アクセシビリティ>スイッチコントロール>レシピで操作します。
症状別の自己診断フロー(はい/いいえで進む)
最短ルートへ導きます。各問いに答えて進みます。結果で対処が決まります。
- 緊急回復は可能ですか? はい→次。いいえ→ショートカットかSiri。
- 移動と選択は割当済みですか? はい→次。いいえ→割当を追加。
- スキャン方式は選択済みですか? はい→次。いいえ→項目を選択。
- 外部スイッチは入力しますか? はい→次。いいえ→BT/HIDを再確認。
- レシピを切っても再現しますか? はい→OS差へ。いいえ→レシピ修正。
事例で理解:よくある誤設定の修正例
実際の改善例です。自分の状況に近い例を探します。短時間で再現します。
- 単一スイッチで選択が欠落→自動選択で解決
- 二つのスイッチが両方移動→一方を選択へ
- 特定アプリのみ発生→レシピで選択を追加
比較の要点:方式と割り当ての最小構成
方式やスイッチ数で最小構成は変わります。表で確認します。迷いを無くします。
条件 | 推奨 | 代替 | 注意 |
---|---|---|---|
単一スイッチ | 次の項目+自動選択 | メニューから選択 | 速度は遅めで開始 |
二つのスイッチ | 次の項目+選択 | 前の項目+選択 | 重複割当は避ける |
項目スキャン | 選択を必ず設定 | 自動選択 | メニュー表示を有効 |
ポイントスキャン | メニュー呼出の設定 | 十字線速度調整 | 精度は要練習 |
まとめ: スイッチコントロールの『無効な構成』は、移動と選択が揃えば消えます。最短復旧は「スイッチ追加→割当→レシピ停止」です。再発防止はチェックと保存です。主な画面は設定>アクセシビリティ>スイッチコントロールです。
関連情報として「スイッチコントロールの基本設定」「アクセシビリティショートカットの使い方」「AssistiveTouchの設定と注意点」も参照すると理解が深まります。