住宅ローン本審査に落ちたら違約金はどうなる?手付金や仲介手数料は戻ってくるの?

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「住宅ローンの本審査に落ちたらどうなるの?」

「手付金は戻ってくる?それとも違約金を払わないといけないの?」

せっかく理想の物件が見つかり、不動産会社と売買契約を結んだあとに住宅ローンの本審査で否決されたら…考えただけでも不安になりますよね。

実は、住宅ローンの本審査に落ちた場合、契約書に特別な条項がなければ数百万円の違約金が発生する可能性があるんです。

でも、ご安心ください。この記事では、住宅ローン本審査に落ちた場合の違約金問題から身を守る方法と、知っておくべき重要ポイントを徹底解説します。

「ローン特約」という救済措置について詳しく知りたい方はもちろん、これから住宅購入を検討している方は、トラブル回避のためにもぜひ最後までお読みください。

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住宅ローン本審査に落ちた場合のリスクとは?

特約がない場合の経済的損失

住宅ローンの本審査に落ちた場合、最も心配なのが「すでに支払った手付金はどうなるの?」「違約金は発生するの?」という点ではないでしょうか。

結論からいうと、住宅ローン特約がない場合、本審査に落ちて契約を解除すると以下の経済的負担が発生します:

  • 手付金の没収:すでに支払った手付金(売買金額の5~10%相当)は返還されません
  • 違約金の発生:物件価格の10~20%の違約金を支払う必要があります
  • 仲介手数料の支払い:不動産仲介会社への仲介手数料も支払う必要があります

これは買主にとって二重の打撃となります。「物件は手に入らない」+「大金を失う」という最悪の状況に陥ってしまうのです。

具体的な違約金の計算例

では、具体的な金額で考えてみましょう。例えば4,000万円のマンションを購入する場合:

  • 手付金(売買金額の5%):200万円
  • 違約金(売買金額の10%):400万円
  • 仲介手数料:約138.6万円(4,000万円×3%+6万円+消費税)

これらを合計すると、なんと738.6万円もの損失が発生することになります。住宅ローンが使えないというだけで、700万円以上のお金が飛んでいくのです。

こんな大金、簡単に諦められるわけがありません。そこで重要になるのが「住宅ローン特約」という救済策です。

住宅ローン特約とは?

住宅ローン特約の定義と役割

住宅ローン特約(融資特約、融資条項とも呼ばれる)とは、売買契約締結後に買主が住宅ローンの審査に落ちた場合に、無条件で契約を白紙解除できる特約のことです。

簡単に言えば「ローンが通らなかったら契約はなかったことにできる」という買主を守るための条項です。この特約があれば、住宅ローン本審査に落ちても:

  • 手付金は全額返還される
  • 違約金は発生しない
  • 仲介手数料も支払う必要がない
  • 契約は白紙解除となる

特に初めての住宅購入では、この特約の存在を知らずに契約してしまうケースもあるので要注意です。

特約に含まれるべき5つの重要事項

住宅ローン特約の内容は実は法律で厳密に定められているわけではありません。買主と売主の合意があれば、基本的にどのような内容でも良いのですが、あいまいにしておくとトラブルの元になります。

効力のある住宅ローン特約には、以下の5つの要素を明記すべきです

  1. 融資金額:希望借入額と、いくらを下回ったら解約するかという具体的な金額
    (例:「借入希望額3,500万円、融資額が3,300万円を下回る場合は契約解除できる」など)
  2. 住宅ローン特約の期限:いつまでに審査結果が出ていればいいのか
    (一般的には売買契約締結から1ヶ月程度が多い)
  3. 融資を申し込む予定の銀行:具体的な銀行名
    (「○○銀行」と具体的に、「○○銀行等」というあいまいな表現は避ける)
  4. 予定の金利条件:どの金利条件なら借り入れするのか
    (例:「金利1.1%未満で融資を受ける予定」など)
  5. 住宅ローン特約を使う場合の解除方法:解除するための具体的な手続き
    (誰に、どのように通知するか)

これら5つの要素を明確に契約書に記載しておくことで、いざという時に「言った・言わない」のトラブルを避けることができます。

「面倒くさいな」と思うかもしれませんが、数百万円のリスクを回避するために必要な対策と考えましょう。

知っておくべき2種類の特約形態

住宅ローン特約には実は2種類あり、それぞれ解除の方法が異なります。どちらのタイプで契約したのかを知っておかないと、いざという時に特約が使えなくなるリスクがあります。

①解除権留保型

  • 期限までにローンが下りなかった場合、買主が契約を解除するかどうかを決められる
  • 一般的に多いタイプ
  • 「買主は~解除することができる」という文言で記載されることが多い
  • 買主から明確な意思表示(書面での通知)が必要
  • 期限を過ぎると特約による白紙解除はできなくなる

このタイプは、ローンの審査結果が出るギリギリになっても、買主側から「もう少し待ってほしい」と期間延長を要望することもできます。その場合は「期日延長合意書」を交わすことで対応可能です。

②解除条件型

  • 期限までにローンが下りなかった場合、自動的に契約が白紙解除となる
  • 買主からの解約の意思表示は不要
  • 期限延長したい場合は期日までに「売買契約変更合意書」が必要

このタイプは、特に何もしなくても期限までにローンが下りなければ自動的に契約が解除されます。ただし、審査が長引いていて「もう少し待ちたい」という場合は、期限内に「売買契約変更合意書」を結ばなければ、望まない契約解除になる可能性もあるので注意が必要です。

住宅ローン特約のメリット・デメリット

買主側から見たメリット

住宅ローン特約の最大のメリットは、言うまでもなく「住宅ローンが通らなかった場合に違約金などを払わずに契約を白紙解除できる」という点です。

前述のように、特約がなければ数百万円の違約金リスクがありますから、買主にとってはかなり大きな安心材料となります。住宅購入という人生最大級の買い物をする際のセーフティネットと言っても過言ではありません。

また、ローン特約があることで「もし審査に落ちたら…」という不安を抱えずに契約できるというメンタル面でのメリットもあります。

買主のデメリット

買主にとってのデメリットはほとんどありませんが、敢えて言うなら「特約の内容をしっかり把握しておかないと、いざ契約解除をするときに特約が適用されないリスク」があることでしょう。

実際、住宅ローン特約の内容をよく理解せず、特約が使えなかったというトラブル事例は少なくありません。適切に特約を結んだつもりでも、細かい記載内容によっては違約金を請求されるケースもあります。

売主側から見たメリット・デメリット

対して、売主サイドではどうでしょうか?

売主のメリット

残念ながら、住宅ローン特約は売主にとってのメリットはほぼありません。買主を保護するための特約なので当然と言えば当然です。

強いて言えば、「買主がローン特約を求めてくることが多いので、特約をつけることで円滑に契約に進める」というくらいでしょうか。

売主のデメリット

一方で、売主にとってのデメリットは以下のとおりです:

  • 買主がローン審査に落ちた場合、違約金や手付金をもらえずに契約が白紙解除される
  • 他の買主候補を見送った時間的・機会的損失が発生する
  • 再び物件を売り出す必要が生じ、売却までの時間が延びる

このように、住宅ローン特約は基本的に買主を守るためのもので、売主にとってはリスクを負う形になります。それでも一般的に特約がつけられるのは、買主保護の必要性が高いと社会的に認識されているからでしょう。

住宅ローン特約を結ぶ際の4つの注意点

「ローン特約さえあれば安心」と思いがちですが、実はそうではありません。特約の内容や運用方法によっては、いざという時に特約が適用されないリスクがあります。ここでは、住宅ローン特約を結ぶ際の4つの重要な注意点を解説します。

金融機関名の明記が絶対に必要な理由

最も重要なのが、ローンを申し込む金融機関名を具体的に記載することです。

「○○銀行等」「金融機関等」といったあいまいな表現では、「他の銀行でも審査を受けるべきだった」「もっと審査の通りやすい銀行を探すべきだった」など、「融資を受けるための十分な努力をしていない」と判断され、ローン特約が適用されないリスクがあります。

実際に過去の判例では、金融機関名の記載が不十分だったためにローン特約の適用が認められなかったケースもあります。

融資を希望する金融機関が複数ある場合は、「○○銀行またはXX銀行」というように明記し、「これらの銀行でローンが通らなかった場合に契約解除できる」ということを明確にしておきましょう。

期限切れによる特約無効のリスク

住宅ローン特約には有効期限があり、この期間を過ぎると特約は適用されなくなります。一般的には売買契約締結から1ヶ月程度が期限とされることが多いようです。

この期限は、単に買主が手続きを始める期限ではなく、解除の意思表示が売主に到達する期限であることを覚えておきましょう。書面を送付する場合、到達までに数日かかることもあります。

渋谷専門家も次のように警告しています:

「ローン特約の期限は売買契約から1か月程のことが多く、本審査自体は2週間程かかる場合もあるため、のんびりしているとあっという間に期限は迎えてしまいます。」

審査結果が出るのが期限ギリギリになりそうな場合は、早めに不動産会社や売主に相談し、必要に応じて期限延長の手続きをしておくことをおすすめします。

融資金額の明記がないと起こる問題

希望する融資金額を明確に記載していないと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。

例えば、希望の融資金額が3,000万円だったにも関わらず、審査結果が2,500万円だった場合、「融資は下りている」と判断され、住宅ローン特約による契約解除が認められないというケースも。

このようなトラブルを避けるため、契約書には以下のような記載をしておくとよいでしょう:

「買主は○○銀行に△△△△万円の住宅ローンを申し込む予定であり、この金額が満額融資されない場合には本契約を解除できるものとする」

現実的には、少額の減額なら許容できるケースも多いと思いますので、「希望融資額の○%以上の融資が得られない場合」といった条件にすることもあります。重要なのは、どういう条件なら解除できるのかを明確にしておくことです。

契約解除手続きの正しい方法

いざローン審査に落ちて契約を解除する場合、正しい手続きを踏まないとローン特約が適用されない可能性があります。特に「解除権留保型」の特約の場合は注意が必要です。

契約解除の手続きで押さえるべきポイントは次の2点です:

①売主と仲介業者の両方に連絡する

「仲介業者に伝えておけば大丈夫だろう」と思いがちですが、実際には売主に直接意思表示が届く必要があります。万が一、仲介業者が売主への連絡を忘れたり、期限を過ぎてしまったりすると、あなたが不利益を被ることになります。

確実を期すなら、仲介業者への連絡と並行して、売主にも直接解除の意思表示をしましょう。

②書面で伝達する

電話やメールではなく、書面で解除の意思表示を行うことが重要です。「言った・言わない」のトラブルを避けるためです。

可能であれば「内容証明郵便」など、配達記録の残る方法で送付すると、確実に届いたという証拠が残ります。

解除の書面には、以下の内容を明記しましょう:

  • 契約日と物件名
  • 住宅ローン特約に基づいて契約を解除する旨
  • ローン審査に落ちた銀行名と審査結果
  • 手付金の返還を請求する旨
  • 日付と署名・捺印

こんな場合は特約が適用されないケースも

住宅ローン特約があっても、すべてのケースで必ず適用されるわけではありません。自分の行動によって特約が適用されなくなる可能性もあるので注意が必要です。

特約が適用されない典型的なケースとして、渋谷専門家は次のように説明しています:

「売買契約締結後に自己都合で会社を辞めて住宅ローンが通らなくなった、キャッシングやカーローンを組み、申込金額の一部が否決された場合などは、買主が自己都合により故意に融資の承認を妨げる行為をしたと見なされ、ローン特約に基づく売買契約の解除権の行使はできなくなります。

つまり、契約後に以下のようなことをすると、特約が適用されない可能性があるということです:

  • 転職や退職など、収入状況を著しく変える行為
  • 他のローンやクレジットカードの作成・利用
  • 審査に必要な書類の提出を怠る
  • 必要な審査手続きを進めない

住宅ローン審査中は、現状維持を心がけ、新たな借り入れや転職などは極力避けるようにしましょう。

住宅ローン本審査と違約金に関するよくある質問

ここでは、住宅ローン本審査に落ちた場合の違約金に関するよくある質問にお答えします。

Q1. 事前審査は通ったのに本審査で落ちることはあるの?

A. はい、十分にあり得ます。事前審査(仮審査)では簡易的な審査のみが行われ、本審査では詳細な収入証明書類や物件の担保評価なども含めた厳密な審査が行われます。事前審査通過は融資確定ではなく、あくまで「融資の可能性がある」という意味合いに過ぎません。

Q2. 住宅ローン特約は必ず付けられるもの?

A. 基本的には買主からの要望があれば付けられることが多いですが、法律で強制されているわけではありません。ただし、不動産会社や不動産仲介会社が仲介しているローンを利用する場合は、「金銭賃貸のあっせん」という条項でローン特約を定めることが不動産会社に義務付けられています。一方、買主が自分でローン先を選ぶ場合は、買主が希望してローン特約を入れてもらう必要があります。

Q3. ローン特約の期限延長はいつでもできるの?

A. いいえ、基本的に期限内に売主の同意を得る必要があります。期限が過ぎてからの延長は原則としてできません。期限が迫っているのにまだ審査結果が出ていない場合は、早めに不動産会社や売主に相談しましょう。

Q4. 融資額が希望より少なかった場合も契約解除できる?

A. 特約に「融資額がいくらを下回る場合に解除できる」と明記されていれば可能です。明記されていない場合、一部でも融資が下りれば特約適用は難しくなる可能性があります。

Q5. 住宅ローン特約に関するトラブルはよくあるの?

A. はい、残念ながらよくあります。契約書の記載内容が不明確だったり、解除手続きが適切に行われなかったりすることで、特約が適用されず違約金を請求されるケースが少なくありません。裁判になるケースもあるので、特約内容はプロに確認してもらうのがベストです。

まとめ:住宅ローン本審査落ちても安心できるようにするには

ここまで、住宅ローン本審査に落ちた場合の違約金問題と、それを回避するためのローン特約について詳しく解説してきました。最後に、重要ポイントをまとめておきましょう。

住宅ローン本審査落ちの違約金リスク

住宅ローンの本審査に落ちた場合、ローン特約がなければ手付金没収・違約金・仲介手数料の支払いが必要となり、4,000万円の物件なら700万円以上の損失が発生する可能性があります。

住宅ローン特約で守られること

適切に住宅ローン特約を結んでおけば、本審査に落ちた場合でも、以下が保証されます:

  • 手付金の全額返還
  • 違約金なしでの契約解除
  • 仲介手数料の免除

特約を結ぶ際の4つの重要ポイント

  1. 金融機関名の具体的記載:「○○銀行」と明記し、あいまいな表現は避ける
  2. 期限の厳守:特約の期限を把握し、必要に応じて延長手続きを行う
  3. 融資金額の明記:希望融資額と、それを下回る場合の対応を明確にする
  4. 解除手続きの把握:売主・仲介業者両方への書面による通知方法を確認

特約が適用されないケース

以下の場合は、特約があっても適用されない可能性があります:

  • 契約後の退職や転職
  • 他のローン・クレジットの新規契約
  • 審査に必要な手続きを怠った場合
  • 期限を過ぎた解除申請

住宅購入は人生最大の買い物の一つです。特に初めての購入では、不安や緊張もあると思いますが、この記事を参考に、しっかりとした知識を持って契約に臨んでください。

「安全のために」と思って、住宅ローン特約の細かい内容までチェックすることで、万が一の場合にも安心できる体制を整えておきましょう。あなたの住宅購入が、トラブルなく、スムーズに進むことを願っています。

住宅ローン審査管理人

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住宅ローンの審査事情についてアンケートデータなどを元にリアルな情報を発信していきます。

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