母子家庭が住宅ローン審査に通らない理由と対策方法

5 min 6 views

母子家庭やシングルマザーの方が住宅ローンを組む際、「審査に通らないのではないか」という不安を抱えることが多いようです。

しかし、実際には母子家庭というだけで審査に不利になることはありません。

この記事では母子家庭が住宅ローン審査に通らない本当の理由と、審査に通過するためのポイントを詳しく解説します。

住宅ローンを簡単に比較してあなたにぴったりの金利の安い銀行が探せる!

モゲチェックだけの優遇金利でお得に借りよう!

↓↓↓↓↓

母子家庭でも住宅ローンは組める?

結論から言えば、母子家庭であることを理由に住宅ローン審査が通りにくいということはありません

厚生労働省の令和3年度「全国ひとり親世帯等調査」によると、母子家庭の持ち家率は15.9%で、一定数の母子家庭が持ち家に住んでいることがわかります。

現在では女性が仕事を持つことは珍しくなく、女性向けの住宅ローンプランや特典・保険を提供している金融機関も増えています。母子家庭だからといって住宅ローンが組めない状況ではないのです。

ただし、一人で家計を支えるという状況から、収入面や返済計画で厳しい審査があることは事実です。審査において重要なのは「返済能力」であり、これは母子家庭かどうかではなく、安定した収入があるかどうかが重視されます。

住宅ローン審査で重視される項目

国土交通省「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、住宅ローン審査で重視される主な項目は以下の通りです。

項目割合
完済時年齢98.7%
健康状態97.9%
借入時年齢97.2%
担保評価98.1%
勤続年数93.2%
連帯保証93.1%
返済負担率92.9%
雇用形態71.6%

注目すべきは「家族構成」が重視項目として挙げる金融機関は約29.9%にとどまっており、母子家庭であることが直接的に審査結果に大きく影響することはないということです。

つまり、住宅ローン審査で最も重要なのは「返済能力があるか」「どのように返済していくか」という点です。

母子家庭が住宅ローン審査に通らない本当の理由

母子家庭が住宅ローン審査に通らない主な理由は、「母子家庭だから」ではなく、以下のような要因が考えられます。

1. 収入が不足している

一般的に住宅ローンの審査では年収200〜300万円が最低ラインとされ、大手銀行では年収400万円以上を条件としているところもあります。

母子家庭では一人で子育てと仕事を両立させるため、十分な収入を得るのが難しい場合があります。

2. 雇用形態が不安定

正社員ではなく、パートやアルバイトなど非正規雇用の場合、収入の安定性が低いと判断されることがあります。

厚生労働省の調査によると、母子世帯の母の就業状況は「正規の職員・従業員」が44.2%、「パート・アルバイト等」が43.8%となっています。

3. 勤続年数が短い

転職回数が多かったり、勤続年数が短いと、収入の安定性が低いと見なされることがあります。

多くの金融機関では勤続年数1〜3年以上を条件としています。

4. 他の借入が多い

クレジットカードのローンやカーローン、教育ローンなど他の借入が多いと、住宅ローンの返済能力に疑問が生じます。

5. 返済計画に無理がある

収入に対して借入額が多すぎると、返済が難しいと判断されることがあります。

6. 不動産会社や担当者のノウハウ不足

一部の不動産会社では、シングル家庭向けのローン対応に積極的でなかったり、ノウハウが不足していることもあります。

その結果、適切な対応ができず、審査に落ちてしまうケースもあります。

母子家庭が住宅ローン審査に通過するための年収の目安

母子家庭やシングルマザーが住宅ローンの審査に通過するためには、安定した収入が必要です。

最低必要年収

  • 一般的には年収200〜300万円が最低ライン
  • 大手銀行では年収400万円以上を条件としていることが多い
  • 一部のネット銀行では年収100万円台でも組める場合がある

借入額の目安

  • 年収の6〜7倍が目安(例:年収400万円なら2,800万円程度)
  • 返済負担率は年収の20〜30%以内が理想
  • 手取り年収の20%程度までに抑えるとさらに安心

例えば、年収400万円、返済負担率30%で計算すると

  • 年間返済額:400万円×30%=120万円
  • 月々の返済額:120万円÷12=10万円
  • 35年ローンの場合の借入限度額:120万円×35年=4,200万円

ただし、実際には他のローンの返済額も合算されるため、住宅ローン以外の借入がある場合は、その分を差し引く必要があります。

審査に通りやすくするための6つのポイント

母子家庭が住宅ローン審査に通過しやすくするための重要なポイントは以下の通りです:

1. 無理のない返済計画を立てる

長期間の返済を確実に行うためには、無理のない返済計画が不可欠です。突然の出費やライフプランの変化も考慮し、余裕を持った計画を立てましょう。マイホーム購入後の固定資産税や修繕費なども計算に入れることが重要です。

2. 返済負担率を適切に設定する

返済負担率は手取り年収の20%程度に抑えることをおすすめします。これにより、毎月の返済が生活を圧迫せず、貯蓄も可能になります。

例:手取り年収250万円、返済負担率20%の場合

  • 年間返済額:50万円
  • 月々の返済額:約4.2万円

3. 他の借入を返済する

住宅ローン審査前に、クレジットカードのローンやカーローンなど、他の借入をできるだけ返済しておきましょう。過去の延滞があると、約5年間記録が残るため注意が必要です。

4. 自己資金・頭金を多めに準備する

頭金を多く用意することで、借入額を減らし、審査が通りやすくなります。一般的に住宅購入価格の10〜20%程度が頭金の目安です。例えば3,800万円の住宅購入なら、380〜760万円の頭金が理想的です。

5. 親子リレーローンや収入合算を検討する

親子リレーローンは、親が主債務者、子が連帯債務者となり、親子二世代で返済するローンです。また、両親との収入合算も借入可能額を増やす方法として検討できます。

6. 女性向け住宅ローンや専門家のサポートを活用する

女性向けの優遇措置がある住宅ローンを選んだり、母子家庭の住宅ローン審査に詳しい専門家のサポートを受けることも有効です。

母子家庭におすすめの住宅ローン

母子家庭やシングルマザーの方におすすめの住宅ローンを紹介します:

1. フラット35

最長35年間の全期間固定金利型で、毎月の返済額が一定なのが最大の特徴です。将来的な金利変動リスクを避けられるため、安定した家計管理が可能になります。

  • 子育て支援型は通常より金利が年0.25%引き下げられる
  • 対象地域の地方公共団体と住宅金融支援機構が提携している必要あり
  • 勤続年数の条件がないため、転職後でも申し込み可能

2. 親子リレーローン

親子2世代にわたって住宅ローンを契約するローンです。

  • 1人で住宅ローンを組むよりも借入額の上限が増える
  • 借入期間を長くできる
  • 団体信用保険は子どものみ加入のケースが多い

3. 女性向け住宅ローン

女性にやさしい特典付きの住宅ローンもあります。例えば:

りそな銀行「凛next」

  • 金利の優遇:年▲2.005%(最大)
  • 「就業不能時あんしん保険」に保険料無料で加入可能
  • 3大疾病保障特約の金利の上乗せ幅が0.15%
  • 一部繰上返済手数料無料

三井住友信託銀行「ジュニさぽ」

  • 「子どもの誕生」「子どもの6歳の誕生日」「子どもの15歳の誕生日」のイベント時に住宅ローンの金利を優遇(1年間年0.1%)
  • 出産お祝いクーポン付き

7. 母子家庭が利用できる支援制度と優遇措置

母子家庭やシングルマザーの方は、住宅ローン以外にも以下のような支援制度や優遇措置を活用できます:

1. 母子父子寡婦福祉資金貸付制度

20歳未満の子どもがいる配偶者のいない家庭が受けられる貸付制度です。

項目概要
限度額150万円(特別:200万円)
据置期間6ヵ月
償還期間6年以内(特別:7年以内)
利率保証人有:無利子、保証人なし:年1.0%

住宅資金のほか、修学・就職・生活資金などの借入も可能です。

2. ひとり親控除

所得税の所得控除の一つで、ひとり親に該当すると35万円の所得控除が受けられます。以下の3つの要件を全て満たす必要があります:

  1. 事実上婚姻関係と同じ事情だと認められる一定の人がいない
  2. 生計を一にする子どもがいる(子どもの総所得金額が48万円以下)
  3. 合計所得金額が500万円以下

3. 寡婦控除

納税者本人が「寡婦」に該当する場合、27万円の所得控除が受けられます。寡婦とは、以下のいずれかに当てはまる人をいいます:

  1. 夫と離婚した後、再婚しておらず、扶養親族がおり、合計所得金額が500万円以下
  2. 夫と死別した後、再婚していない人、もしくは夫の生死が不明な一定の人で、合計所得金額が500万円以下

※ひとり親控除と寡婦控除は併用できません。どちらか一方を選択する必要があります。

4. 児童扶養手当

ひとり親家庭の生活の安定と自立を助け、子どもの福祉の増進を図ることを目的とした手当です。住宅購入後も受給資格に変わりはなく、継続して受け取ることができます。

8. よくある質問

Q

児童手当や児童扶養手当は住宅ローンの収入として合算できますか?

A

金融機関によって扱いが異なります。審査を受ける金融機関に事前に確認することをお勧めします。

Q

妊娠中でも住宅ローンを組めますか?

A

組むことは可能ですが、妊娠中は特有の病気や流産・早産などのリスクがあるため、団体信用生命保険に加入できない可能性があり、審査が厳しくなる傾向があります。また、産休・育休後に仕事に復帰できるかどうかの不確実性も審査に影響します。

Q

母子家庭で住宅ローンを組むと児童扶養手当に影響しますか?

A

住宅を購入すること自体は児童扶養手当の受給資格に影響しません。ただし、両親や兄弟姉妹と同居し、一人でも収入基準額を超える人がいる場合には支給されない可能性があるため注意が必要です。

Q

住宅ローン審査に通るために最低限必要な年収はいくらですか?

A

一般的には年収200〜300万円が最低ラインとされていますが、金融機関によっては年収100万円台でも組める場合があります。ただし、借入額は収入に見合った適切な金額に設定する必要があります。

Q

勤続年数が短いと住宅ローンは組めませんか?

A

多くの金融機関では勤続年数1〜3年以上を条件としていますが、フラット35は勤続年数の条件がないため、転職後でも申し込み可能です。同じ職種での転職であれば、前職の勤続年数と合算して判断されることもあります。

住宅ローン審査管理人

住宅ローン審査管理人

住宅ローンの審査事情についてアンケートデータなどを元にリアルな情報を発信していきます。

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です