
「住宅ローンを返済中だけど、会社を辞めようと思っている…」
「転職を考えているけど、住宅ローンへの影響が心配…」
「定年退職後の住宅ローン返済はどうすればいいの?」
こういった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンの返済中に退職や転職を考えると、様々な不安が頭をよぎりますよね。返済が滞ってしまうのではないか、金融機関から何か言われるのではないか…。
結論から言うと、住宅ローンの返済中に退職すること自体は基本的に問題ありません。ただし、収入が減少して返済が困難になるケースや、金融機関への報告義務など、いくつか注意すべきポイントがあります。
この記事では、住宅ローンの返済中に退職した場合のリスクや対処法、また審査中の退職が与える影響についても詳しく解説します。これから退職や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
退職と住宅ローンの基本的な関係
まず最初に押さえておきたいのが、退職・転職と住宅ローンの基本的な関係です。
住宅ローンと退職の関係を考えるときには、大きく分けて2つのタイミングがあります:
- 住宅ローン審査中・融資実行前の退職:審査への影響が大きい
- 住宅ローン契約後・返済中の退職:基本的に問題ないが注意点あり
特に重要なのは、住宅ローンの審査において、金融機関が最も重視するのは「返済能力」と「返済の安定性」だという点です。住宅ローンは数千万円という高額な借入で、返済期間も20〜35年と長期にわたります。
そのため、金融機関としては「この人は長期間にわたって安定して返済できるか?」という視点で審査を行うのです。
国土交通省の「令和4年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、住宅ローンの審査で考慮される上位項目には、完済時年齢(98.5%)、健康状態(96.6%)、借入時年齢(96.0%)、年収(94.0%)に次いで、勤続年数(93.6%)が含まれています。
つまり、勤続年数は審査において非常に重要な要素なんですね。
住宅ローンの返済中に退職しても問題ない?
結論から言うと、住宅ローンの返済中に退職や転職すること自体は、基本的に問題ありません。
住宅ローン契約が成立し、返済を開始した後は、勤務先が変わったとしても、毎月の返済を続けられる限り、契約に影響はありません。
とはいえ、退職や転職によって収入が減少し、返済が困難になる可能性があるケースは要注意です。
返済中の退職による主なリスク
住宅ローン返済中の退職による主なリスクとしては、以下のようなものが考えられます。
- 収入減少による返済困難:特に再就職までに時間がかかる場合
- 延滞による信用情報への影響:返済が遅れると個人信用情報に記録される
- 最悪の場合、競売による住宅喪失:長期滞納すると自宅を失うリスクも
- 住宅ローン控除手続きの変更:年末調整から確定申告に切り替える必要がある
退職を銀行に報告する必要はあるのか?
住宅ローン返済中の退職・転職について、金融機関への報告義務があるかどうかは、契約内容によって異なります。
契約約款に「勤務先の変更は報告が必要」と記載がある場合は、金融機関に報告する義務があります。記載がない場合でも、金融機関との信頼関係を築くためにも、自主的に報告するのが良いでしょう。
「契約約款に『勤務先の変更は報告が必要』と記載がある場合は、伝えなければなりません。契約約款に記載がない場合も、自主的に伝えるほうがよいでしょう。金融機関との信頼関係を継続するためです。」
また、金融機関が退職の事実を把握しても、住宅ローンの返済を継続している限り、基本的に返済条件の変更は求められません。
退職後も住宅ローン返済は継続できるのか?
退職後も住宅ローンの返済は基本的に継続できます。重要なのは、毎月の返済を滞りなく続けられるかどうかです。
退職後すぐに再就職する場合や、十分な貯蓄がある場合は特に問題ありませんが、無職期間が長くなる場合は注意が必要です。
特に以下のようなケースでは、返済計画をしっかり立てておくことが重要です:
- 転職までに時間がかかりそうな場合
- 収入が大幅に減少する転職の場合
- フリーランスや自営業に転身する場合
- 定年退職を迎える場合
「住宅ローンの返済が滞った場合、遅延損害金が発生したり信用情報機関に事故情報が登録されたりというリスクがあります。さらに支払えない状況が続けば、最終的に自宅を失うことにもつながります。そのため、返済計画を明確にしてから退職することが大切です。」
住宅ローン返済中の退職に関する対処法
ここからは、住宅ローン返済中に退職する場合の具体的な対処法について解説します。
返済計画を見直す
退職や転職によって収入が変わる場合は、住宅ローンの返済計画を見直すことが重要です。具体的には以下のような方法があります:
1. 繰り上げ返済で毎月の負担を減らす
退職金やまとまった貯蓄がある場合は、「返済額軽減型」の繰り上げ返済を検討しましょう。これにより、毎月の返済額を減らすことができます。
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります:
- 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする方法
- 返済額軽減型:返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす方法
収入が減少する退職の場合は、「返済額軽減型」を選ぶのが一般的です。
「繰り上げ返済の方法には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、前者は返済期間を短縮し、後者は毎月の返済額を減らします。金利を抑える効果は期間短縮型のほうが大きいものの、定年退職後は収入減を見込まなければなりません。したがって、返済額軽減型を選択し、毎月の返済額を減らしてもよいでしょう。」
2. 返済期間の延長を相談する
金融機関によっては、返済期間の延長に応じてくれる場合があります。例えば、残り10年の返済期間を15年に延長することで、毎月の返済額を減らすことができます。
ただし、返済期間が延長されると総支払額(特に金利部分)が増加するため、総合的に検討する必要があります。
3. 借り換えを検討する
退職前に住宅ローンの借り換えを検討するのも一つの方法です。現在より金利の低い住宅ローンに借り換えることで、毎月の返済額を減らせる可能性があります。
「具体的に返済計画を見直す際は、退職前に住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。借り換えとは、現在のローンから、別のローンへ切り換える手続きです。借り換えのタイミングによっては金利負担を軽減できるというメリットがあります。」
住宅ローン控除の手続きを忘れずに
退職すると、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の手続き方法が変わることも忘れないようにしましょう。
通常、2年目以降の住宅ローン控除は勤務先の年末調整で手続きが可能ですが、退職して年末までに再就職していない場合は、確定申告で手続きする必要があります。
「基本的に住宅ローン控除は、勤務先の年末調整で手続きを行えます(ただし1年目を除く)。住宅ローン控除とは、マイホーム購入に伴うローンの一部が所得税から差し引かれる制度です。しかし退職後、年末までに再就職していない場合は、年末調整を受けられません。そのようなケースで住宅ローン控除を受けるには、翌年、自分で確定申告を行う必要があります。」
また、退職した年度に年末調整を受けていない場合は、確定申告によって所得税の還付を受けられる可能性もあります。
早めに金融機関に相談する
返済が厳しくなると感じたら、早めに金融機関に相談することが非常に重要です。金融機関に相談すれば、以下のような対応をしてもらえる可能性があります:
- 返済プランの見直し:返済期間の延長や月々の返済額の軽減
- 一時的な返済猶予:一定期間の返済を猶予してもらう
- その他の支援策の提案:状況に応じた解決策を提案してもらえる
「一般的に金融機関は、返済プランの見直しに柔軟に対応してくれます。退職によって返済が困難になった場合は、早めの相談が大切です。返済期間の延長や月々の返済額の軽減、一時的な返済猶予など、契約者の状況を踏まえた提案をしてもらえるでしょう。」
自宅を手放す必要がある場合も、自己破産や任意売却という選択を含め、引越し費用や生活設計の支援を受けられるかもしれません。
相談なしで滞納すると起こること
金融機関に相談せずに滞納を続けると、非常に深刻な事態に発展する可能性があります:
- 遅延損害金の発生:通常の金利よりも高い遅延損害金が課される
- 信用情報機関への事故情報登録:将来的な借入が困難になる
- 残債の一括返済請求:滞納が続くと、残りの借入金全額の一括返済を求められる
- 競売による住宅喪失:一括返済できない場合、自宅が競売にかけられる
- 残債が残るリスク:競売で得られた金額が借入残高より少ない場合、差額の返済義務が残る
「金融機関に相談せずに滞納を続けると、残債の一括返済を求められます。それでも返済できなければ、競売によって自宅を失うことになるでしょう。さらに、自宅の売却代金が残債を下回るとローンが残ります。そのローンについても返済しなければなりません。したがって、金融機関への相談は素早く行うのがベストです。」
「住宅ローンの支払いが滞ると、およそ10ヶ月程度で立ち退きをしなければいけない状態になってしまいます。強制的に立ち退きせざるを得ない状況になれば、引っ越し費用を工面することもできないまま、家を出ていかなければいけなくなるでしょう。」
このような事態を避けるためにも、返済が厳しくなったと感じたら、すぐに金融機関に相談することが重要です。
定年退職時の住宅ローン対応
定年退職を控えている方や、定年退職後も住宅ローンの返済が残っている方は、どのように対応すべきでしょうか?
退職金での繰り上げ返済を検討
定年退職時に受け取る退職金を使って、住宅ローンの繰り上げ返済(一部または全額)を行うという選択肢があります。
繰り上げ返済のメリットとしては、以下のようなものがあります:
- 心理的な安心感:老後の住宅ローン返済の心配から解放される
- 金利の節約:将来支払うはずだった金利分を節約できる
「定年退職時に住宅ローンを繰り上げ返済(一括返済)すると心理的な安心感を得られます。返済によるストレスとプレッシャーから解放されるからです。定年後に受け取る年金や他の収入を返済に回す必要がありません。このように住宅ローンの一括返済は、「負債がなくなる」という金銭的なメリットだけでなく、心理的な安定につながります。」
一方で、以下のようなデメリットも考慮する必要があります:
- 老後資金の不足リスク:退職金は老後の生活資金や急な出費への備えでもある
- 団体信用生命保険(団信)の終了:一括返済すると団信も終了し、保障がなくなる
- 手数料の発生:繰り上げ返済時に手数料がかかる場合がある
- 住宅ローン控除の喪失:繰り上げ返済により住宅ローン控除が受けられなくなる可能性
「定年退職時に受け取る退職金は、老後生活に備えるための大切なお金です。繰り上げ返済によって退職金を住宅ローンに充てた場合、老後の生活費のほか、必要な医療費や介護費、車の買い替え、家のリフォームなど、急な出費に対応できないリスクがあります。老後に安心した生活を送るためには、急な出費への備えを含めて「繰り上げ返済するかどうか」を慎重に考えることが重要です。」
リバースモーゲージという選択肢
定年退職後に住宅ローンの返済が厳しい場合や、資金が必要な場合は「リバースモーゲージ」という選択肢もあります。
リバースモーゲージは「逆住宅ローン」とも呼ばれ、自宅を担保にお金を借り、契約者が生きている間は利息の支払いのみで自宅を使用できる金融商品です。契約者が亡くなった際に、自宅を売却して元金の返済をします。
このメリットは、住み慣れた家に住み続けながら資金を調達できることです。ただし、相続人に家を残せなくなるというデメリットもあるので、家族とよく相談した上で検討するべきでしょう。
リースバックという方法
リースバックは、現在の住宅を売却し、そのまま賃貸として住み続ける方法です。
「リースバックは、現在住んでいる自宅を売却して、その自宅に賃貸として住み続ける方法です。いずれの方法も「老後もその家に住み続けられる」という点が大きなメリットです。また、自宅を担保にしたり売却したりすることによって多額の資金を入手できる可能性があります。」
このメリットは、住宅を売却することで大きな資金を得られること、そして住み慣れた家に住み続けられることです。一方、家賃を支払い続ける必要があるというデメリットもあります。
住宅ローン審査中・融資実行前の退職が与える影響
ここまでは主に住宅ローン返済中の退職について説明してきましたが、住宅ローン審査中や融資実行前に退職すると、どのような影響があるのでしょうか?
審査中の退職は審査落ちのリスクが高い
住宅ローンの審査中に退職すると、ほぼ確実に審査落ちとなります。なぜなら、審査申込時の情報(特に収入や勤務先情報)が変わってしまうからです。
金融機関は「この人は安定した収入があるか?」「将来も安定して返済できるか?」という視点で審査しています。そんな中で退職してしまうと「今後の収入が不安定」と判断され、審査に通らなくなってしまうんですね。
「住宅ローン審査中の退職は、審査に影響する可能性が高いといえます。金融機関は申し込み時の情報、特に返済能力をもとに融資を決定するため、勤務状況の変更は審査落ちの原因になりかねません。」
融資承認後・融資実行前の退職も危険
すでに審査に通過していても、実際に融資が実行される前に退職した場合、融資承認が取り消されるリスクがあります。
「また、住宅ローンの審査に通過したものの、融資を受ける前に退職した場合は契約取り消しのリスクがあります。その際は違約金が発生する可能性もあります。ただし会社都合の退職や倒産に関しては、違約金が免除されるかもしれませんので、詳しくは金融機関に確認しましょう。」
「審査が通ったから大丈夫!」と思って退職するのは非常に危険です。実は住宅ローンは「要物契約」と呼ばれるもので、実際にお金が振り込まれるまでは正式に契約が成立していません。
そのため、融資実行前に退職すると、審査時の情報と大きく異なるとして、融資承認が取り消されてしまう可能性が高いのです。
健康保険証で退職・転職はバレる
「退職したことを言わなければバレないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、それは非常に危険です。
住宅ローンの審査では、本人確認書類として健康保険証の提出が求められます。この健康保険証には「資格取得日」が記載されており、これが入社日と一致することが多いのです。
「住宅ローンの審査中に退職すると、健康保険証が変更されるため金融機関に情報が伝わります。一般的に金融機関は、融資実行日に健康保険証を確認するからです。したがって、審査中に退職する場合は速やかに金融機関に伝えましょう。」
つまり、健康保険証を提出した時点で、あなたの勤続年数や退職・転職の履歴は金融機関に明らかになります。虚偽の申告をすると、不正として扱われる可能性がありますので、絶対に避けましょう。
審査と融資実行のタイムラグに注意
住宅ローンの審査完了(融資承認)から実際の融資実行までにはタイムラグがあります。
このタイムラグは、一般的には3日〜1週間程度ですが、新築物件の場合など、状況によっては数ヶ月にわたることもあります。
「一般的に住宅ローンの本審査が完了してから実際に融資実行日までは、3日~1週間程度必要となります。本審査が終わると「すぐにお金が振り込まれる」と思われがちな住宅ローンでは、このタイムラグの間に転職をして失敗してしまうケースも実際にあるのです。」
「審査が通ったから大丈夫」と思って、この期間中に退職や転職をしてしまうと、融資取消になるリスクが高いので注意が必要です。
例外的に審査が通りやすいケース
住宅ローン審査において退職・転職は基本的に不利に働きますが、状況によっては審査に通りやすいケースもあります。
グループ会社間の出向や異動
転職と一言で言っても、グループ会社間の出向や異動の場合は、住宅ローン審査に影響が少ないケースが多いです。
出向は一般的に部署間の異動と見なされ、勤続年数も継続して計算されることが多いため、審査において特に不利に働くことはないでしょう。
ただし、出向によって年収が大幅に減少する場合は、借入金額と年収のバランスが崩れて審査に影響する可能性があるので注意が必要です。
同業界でのキャリアアップ転職
同じ業界内での転職、特に収入がアップするようなキャリアアップの転職の場合は、勤続年数が短くても審査に通りやすいケースがあります。
例えば、IT企業AからIT企業Bへの転職で、役職や年収がアップするような場合です。このような転職は「キャリアアップのための計画的な転職」と見なされ、安定性を欠くとは判断されにくいのです。
「おなじ業界で転職したうえで収入アップしている、いわゆるキャリアアップの場合は、勤続年数が短くても悪い印象を与えにくいと考えられるのです。住宅ローンの審査でマイナス要因となりやすい転職とは違い、キャリアアップや引き抜きなどが多い同業界への転職は、審査を通過できる可能性が高くなります。」
一方、全く異なる業界への転職や、何度も転職を繰り返しているケースは、収入の安定性に欠けると判断される可能性が高くなります。
勤続年数を問わない住宅ローン商品
転職後すぐに住宅ローンを組みたい場合は、勤続年数を問わない住宅ローン商品を選択する方法もあります。
例えば、以下のような住宅ローン商品があります:
- フラット35:審査基準が比較的緩やかで、転職後でも申し込みやすい
- 一部のネット銀行:勤続年数よりも現在の年収を重視する傾向がある
「申し込んだ住宅ローンに勤続年数の縛りが無ければ、審査において転職が不利になることはありません。いつからその会社で勤めているのかは、住宅ローン審査において重要な項目の1つですが、住宅ローンのなかには申込条件に勤続年数を含んでいない商品もあります。」
ただし、これらの商品でも転職直後(特に3ヶ月以内)の場合は、「見込収入証明書」や「職歴書」などの追加書類を求められることが多いです。また、極端に勤続年数が短い場合は審査が厳しくなる可能性もあります。
「なお、転職後3ヶ月以内など極端に勤続年数が短い場合は、勤続年数を問わない住宅ローンであっても、審査が通らない可能性があるので注意しておいてください。」
会社都合の退職・倒産
会社都合での退職や会社の倒産による失業の場合は、自己都合の退職と比べて住宅ローン審査や契約において有利に扱われることがあります。
特に住宅購入契約締結後に会社が倒産したような場合は、「住宅ローン特約」が適用され、違約金なしで契約を解除できる可能性が高くなります。
「ただし、勤務先の倒産や会社都合での解雇の場合は、住宅ローン特約によって、違約金等を免れる可能性があります。」
もし会社都合で退職となった場合は、その旨を金融機関に伝え、対応を相談することをおすすめします。
返済困難時の対応方法
退職や転職によって収入が減少し、住宅ローンの返済が困難になった場合は、どのように対応すべきでしょうか?
早期に金融機関に相談するメリット
返済が厳しくなったと感じたら、まずは早期に金融機関に相談することをおすすめします。相談することで、以下のような対応策を提案してもらえる可能性があります:
- 返済プランの見直し:返済期間の延長や月々の返済額の軽減
- 一時的な返済猶予:一定期間の返済を猶予してもらう
- 借り換え:より金利の低い住宅ローンへの借り換え
- 任意売却の支援:自宅を売却する必要がある場合のサポート
「一般的に金融機関は、返済プランの見直しに柔軟に対応してくれます。退職によって返済が困難になった場合は、早めの相談が大切です。返済期間の延長や月々の返済額の軽減、一時的な返済猶予など、契約者の状況を踏まえた提案をしてもらえるでしょう。」
「自宅を手放す必要がある場合も、自己破産や任意売却という選択を含め、引越し費用や生活設計の支援を受けられるかもしれません。さらに一部の金融機関では、退職時に住宅ローンの支払いを免除する保険を提供しています。そのような保障付きのプランを選ぶことにより、将来のリスクを軽減する効果が期待できます。」
住宅ローン返済が厳しくなった場合の具体的な対策
住宅ローン返済が厳しくなった場合の具体的な対策としては、以下のようなものがあります:
1. 収入確保の対策
- すぐに再就職活動を始める:無収入期間を最小限に抑える
- アルバイトやパートなどの臨時の仕事:再就職までの収入を確保する
- 失業保険の受給:条件を満たせば一定期間の収入が得られる
2. 支出削減の対策
- 生活費の見直し:不要な支出を削減する
- 他の借入れを整理する:カードローンなど金利の高い借入れを返済する
- 公共料金の支払い方法の見直し:割引制度を活用する
3. 住宅ローン関連の対策
- 返済方法の変更:元利均等返済から元金均等返済への変更を検討
- 団信(団体信用生命保険)の特約を確認:失業特約がある場合は適用できるか確認
- 住宅ローン減税の活用:確定申告により税金の還付を受ける
これらの対策を組み合わせることで、一時的な収入減少の期間を乗り切ることができるでしょう。
最終的な選択肢:住宅の売却
どうしても住宅ローンの返済が困難で、上記の対策でも対応できない場合は、住宅の売却を検討する必要があるかもしれません。
住宅を売却する方法としては、以下のようなものがあります:
- 通常の不動産売却:市場価格で売却し、住宅ローンを一括返済する
- 任意売却:金融機関の合意のもと、市場価格より安くても売却する方法
- リースバック:住宅を売却し、そのまま賃貸として住み続ける方法
特に任意売却は、競売よりも高値で売却できる可能性が高く、引っ越し費用の猶予が得られることもあります。住宅ローンの返済が困難になった場合は、早めに不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。
住宅ローン返済中の転職で気をつけるべきポイント
住宅ローン返済中に転職を考えている場合、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
収入の安定性を第一に考える
住宅ローンの返済を継続するためには、安定した収入が必要です。転職する場合は、以下の点に注意しましょう:
- 収入が減少しないか確認:基本給が減少する場合は要注意
- 試用期間中の収入:試用期間中は給与が低いケースがある
- 業績連動型の報酬体系:歩合制など収入が変動する仕組みの場合は安定性に欠ける
特にボーナスに依存した返済計画を立てている場合は、新しい職場でもボーナスがあるか、いくらくらいか事前に確認しておくことが重要です。
転職先の安定性を確認
転職先企業の安定性も重要なポイントです。以下のような点をチェックしておきましょう:
- 企業の業績:赤字続きの企業は要注意
- 業界の将来性:衰退産業ではないか
- 企業の規模や歴史:創業間もない小規模企業は安定性に欠ける場合も
「転職前に転職先の社内の雰囲気や仕事内容が自分に合っているか確認しておくことも大切です。せっかく転職しても、すぐに辞めてしまっては収入の安定性が損なわれてしまいます。」
無職期間を最小限に
転職する際は、無職期間をできるだけ短くすることが重要です。理想的には、現職を退職する前に次の就職先を確保し、無職期間なしで転職することがベストです。
無職期間が長くなると、その間の返済資金を貯蓄から捻出する必要があり、家計に大きな負担となります。特に貯蓄が少ない場合は注意が必要です。
また、長期間の無職状態が続くと、再就職が難しくなるケースもあります。計画的な転職活動を心がけましょう。
住宅ローン控除の手続き変更に注意
転職すると、住宅ローン控除の手続き方法が変わることにも注意が必要です。
- 年末調整での手続きができない期間が生じる可能性:転職先で年末調整を受けられない場合がある
- 確定申告が必要になる可能性:転職後は確定申告で住宅ローン控除を受ける必要がある場合も
- 必要書類の準備:転職に伴い、源泉徴収票など複数の書類が必要になる
「基本的に住宅ローン控除は、勤務先の年末調整で手続きを行えます(ただし1年目を除く)。住宅ローン控除とは、マイホーム購入に伴うローンの一部が所得税から差し引かれる制度です。しかし退職後、年末までに再就職していない場合は、年末調整を受けられません。そのようなケースで住宅ローン控除を受けるには、翌年、自分で確定申告を行う必要があります。」
まとめ:住宅ローンの返済中に退職するときの心得
ここまで、住宅ローンの返済中に退職・転職する場合のリスクや対処法について詳しく見てきました。最後に重要なポイントをまとめておきましょう。
返済中の退職は基本的に問題ない
住宅ローンの返済中に退職・転職すること自体は、基本的に問題ありません。ただし、返済を継続できる見通しがあることが前提です。
「住宅ローンの返済期間中に退職しても基本的に問題ありません。ただし、退職によって返済困難な状況に陥ることは避けましょう。金融機関に相談せずに滞納が続いた場合、残債の一括返済を求められる可能性が高くなります。」
返済計画の見直しを忘れずに
退職や転職によって収入が変わる場合は、住宅ローンの返済計画を見直すことが重要です。特に収入が減少する場合は、繰り上げ返済や返済期間の延長など、様々な選択肢を検討しましょう。
「退職するとき、特に収入が減少する可能性がある場合は、事前に返済計画を見直しておくことが大切です。繰り上げ返済や返済期間の延長など、状況に応じた対策を取りましょう。」
金融機関への早期相談が重要
返済が困難になりそうな場合は、滞納する前に早めに金融機関に相談しましょう。多くの金融機関は、返済計画の見直しや一時的な返済猶予など、柔軟な対応をしてくれます。
「金融機関に相談せずに滞納を続けると、残債の一括返済を求められます。それでも返済できなければ、競売によって自宅を失うことになるでしょう。したがって、金融機関への相談は素早く行うのがベストです。」
転職する場合は安定性を重視
住宅ローンを抱えている状態で転職する場合は、収入の安定性を最優先に考えましょう。特にボーナスに依存した返済計画を立てている場合は、新しい職場でのボーナス体系をしっかり確認することが重要です。
「転職先の選択は慎重に行いましょう。特に収入面や企業の安定性、将来性などを十分に調査した上で決断することが大切です。無職期間をできるだけ短くし、収入の安定性を保つことを心がけましょう。」
住宅ローン審査中・融資実行前の退職は避ける
住宅ローンの審査中や融資承認後、実際の融資実行前の退職・転職は絶対に避けるべきです。審査落ちや融資承認取消のリスクが非常に高くなります。
「住宅ローンの審査中に退職・転職をすると、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。また、審査通過後でも融資実行前に退職すると、融資承認が取り消されるリスクがあります。住宅ローンを検討している場合は、融資実行まで退職・転職は避けることをおすすめします。」
最後に
住宅ローンの返済中に退職・転職することは、決して珍しいことではありません。大切なのは、返済計画をしっかり立て、必要に応じて金融機関に相談することです。
特に収入が減少する可能性がある場合は、事前に対策を講じておくことが重要です。金融機関との信頼関係を維持しながら、計画的に返済を続けることで、マイホームを守り続けることができるでしょう。
退職や転職は人生の中で重要な決断ですが、住宅ローンの返済も長期的なライフプランの中で重要な要素です。双方のバランスを取りながら、最適な選択をしていきましょう。